2019年F1第11戦ドイツGP決勝は、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが今シーズン2勝目を達成。そしてトロロッソ・ホンダのダニール・クビアトも殊勲の3位表彰台を獲得した。F1ジャーナリストの今宮純氏が週末のドイツGPを振り返る。
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2019年初めてのウエットレース、F1第11戦ドイツGP“水中戦”を水際立つ手腕で勝ったフェルスタッペン。序盤に6コーナーでハーフスピン、中盤に14コーナーで“360度スピン”も切り抜けた。5回のピットストップを素早くこなし、タイヤをウエット→インターミディエイト→ミディアム→インターミディエイト→インターミディエイト→ソフトへと交換。
路面状況の変化に合わせたこのタイヤ選択判断にピットクルー達はミスなく動いた(最速タイム1.88秒)。カオス渦巻くレース展開のなか、すばらしいチーム力を発揮した彼らが勝つべくして勝った――。
2018年第13戦ベルギーGPからフェルスタッペンは20レース、トップ5フィニッシュをつづけている。これは彼自身のベスト戦績であり、今季第8戦フランスGP以降の4レースで計74点を獲得、現在首位のルイス・ハミルトン(メルセデス)の63点を上回る結果だ。
金曜酷暑~土曜曇天~日曜雨天に変わったドイツGP週末、セットアップ最適解を見いだすのが難しくなった。多くのチームが新たなアップデートを持ちこんだが、その成否を見極める作業もはかどらない。金曜からカオスレースの予兆が忍びよる。
そして日曜、それは現実になった。新スタート方式、セーフティーカー先導によるフォーメーションラップ(3周)の後、スタンディングスタートに。67-3=64周レースだ。
これによって燃費的には楽な方向になる。ウエットコンディションでパワーユニット(PU/エンジン)になにより求められるのはドライバビリティ。路面の濡れ具合がコーナーごとに異なるから、パーシャルスロットルの頻度が高まる。ドライならほぼストレートな部分も一変してコーナー数が増える。エネルギーマネージメントを含め、パワー&トルクのデリバリー設定もポイントに。