☆☆☆ セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
ベルギーGP:6位/イタリアGP:7位
フェルスタッペンを抑えイタリアGPで7位獲得、イタリアGPではフォースインディア時代から6年連続入賞なのだ。高速コースに強いマシンと彼自身の“ブレーキングスキル”がその理由。
☆☆☆ ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)
ベルギーGP:9位/イタリアGP:11位
アントワーヌとガスリーのふたりは、人格形成される時期の10代半ばをル・マンでともに過ごした。レーシングカートと学業の両立を考慮するフランス自動車連盟の“育成アカデミー”同期生だった。8・31の悲しみを乗り越え、アントワーヌの遺志を継ぐかのようにこの連戦をまっとうしたピエール。個人的な見方をここで申し上げると、彼は追いかける想いでスパとモンツァをカート時代のようにともに走っていたのだろう……。
☆☆☆☆ ルイス・ハミルトン(メルセデス)
ベルギーGP:2位/イタリアGP:3位
この連戦中はセッション1位が一度も無かった(モンツァ予選Q2だけ)。フェラーリ優勢を承知のうえで、ダメージコントロールを主眼とした戦法に切り替えていったのだろう。夏休み明けの連戦を17年と15年は2連勝、タイトル制覇に向け加速していったのとは違う流れに。六冠への“チャンピオンシップ・マネージメント”に徹する彼はモンツァでルクレール2連勝を称えた。ドライバーズランキングで100点差もある4番手の新鋭は、タイトル戦線のライバルではないからだ。
☆☆☆☆☆ シャルル・ルクレール(フェラーリ)
ベルギーGP:優勝/イタリアGP:優勝
完全にフェラーリSF90をマイ・マシンに仕上げているのが、この連戦でよく分かった。誰もがストレート優勢と見るフェラーリで彼はモンツァ予選において、セクター1も2も3もTポイント(1コーナー手前)もすべて最速。しっかりそのパフォーマンスを確認している。
さらにこの強みを活かしつつ、劣勢と見られていたコーナーでもアンダーステアをとどめるバランスを見いだした(そこがベッテルとの違いだ)。また彼はハード寄りのピレリを金曜から巧く使いこなしていた。モンツァでの後半スティント33周、孤軍奮闘の“1対2バトル”でそれが明らかに活きた。
若き騎手ルクレールが鞭打つ跳ね馬が勝ち、ヨーロッパラウンドは閉幕。シーズン終盤あと7戦にルクレールはいくつ勝てるか、あるいはフェルスタッペンも……。これからは個人戦がピーキング・ゾーンに入っていくだろう。