残念な結果に終わった、前戦日本GP。アレクサンダー・アルボンの4位入賞を讃えつつ、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「マックスが闘う姿を見てほしかった、自分も見たかった」と、感情を吐露した。では今週末のF1第18戦メキシコGPは、どんな戦いができそうか。メキシコは、タイヤにも厳しい。ここ数戦のフェラーリマシンはタイヤのデグラデーションに改善が見られる一方、レッドブル・ホンダは逆に劣化傾向が強くなっている。その点も危惧材料のひとつと、田辺テクニカルディレクターは見ているようだった。
──メキシコは特殊なコースと良く言われますが、ここで戦う上で一番の難しさはどんなところでしょう?
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):やはり空気が薄いことですね。パワーユニット(PU/エンジン)に限れば燃焼特性を見直すのはもちろん、冷却も非常に厳しくなる。水温、油温をこまめにチェックする必要があります。
──この2年はレッドブル向きのコースと言えたと思いますが、2連勝したフェルスタッペン自身が、「今年は厳しそう。フェラーリが速そうだ」と言っています。
田辺TD:そう聞いていますが、フタを開けてみないとわからない。いいレースができればと思っています。
──実はメキシコGPは、エンジンメーカーではホンダが最も勝利数が多いです。
田辺TD:ターボ時代に、かなりスペシャルな仕様を持ち込んでいたことを、今も鮮明に覚えています。今は状況は違いますが、全力を尽くしたいですね。
──ここはダウンフォースがあるマシンの方が速いと思うんですが、メルセデスは苦戦しそうですか?
田辺TD:メルセデスは、冷却が厳しそうですね。