2年ぶりの開催となったモナコGP。伝統の1戦でポールポジションを獲得したのはモナコ出身のシャルル・ルクレール(フェラーリ)だったが、トラブルによりレースを走ることは叶わなかった。一方先頭からスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が快走し、7番手スタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)は序盤から厳しい展開に。レース序盤の様子を無線とともに振り返る。
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モナコGP決勝レースは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)の悲劇から始まった。グリッドに向かうレコノサンスラップの最中に、ルクレールは無線でこう叫び、両手で顔を覆った。
ルクレール:ノー、ノー、ノー、ギアボックスだ
予選でのクラッシュで、やはりマシンはダメージを受けていたのだった。ルクレールはそのままピットに向かい、エンジニアがマシン後部をチェックする。左ドライブシャフトのダメージが確認され、ルクレールの0周リタイアが決まった。
これで2番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は、実質ポールスタートとなった。レッドブルのスポーティングディレクターを務めるジョナサン・ウィートリーが、FIAのレーシングディレクター、マイケル・マシにこう質問した。
ウィートリー:ルクレールがグリッドからスタートしない。順番を詰めるのか
マシ:いや、そのままだ、ジョナサン
マシはその後、フェラーリに確認の無線を送った。
マシ:フィニート(おしまい)か
フェラーリ:そうだ
マシ:残念だ
いっさいの私情を挟まずにレース運営に徹するマシの口から、思わず“I’m sorry to hear that.”という言葉が漏れた。