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F1 ニュース

投稿日: 2021.08.19 10:49
更新日: 2021.08.19 10:54

【特集】次にF1にステップアップするのは誰だ? 英国人ライターが選ぶ注目F2ドライバー5人

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F1 | 【特集】次にF1にステップアップするのは誰だ? 英国人ライターが選ぶ注目F2ドライバー5人

 2021年F1にはルーキードライバーが3人登場した。次にF1にステップアップを果たすのは誰なのか、英国人ライター、クリス・メッドランド氏が、今年FIA-F2選手権で走るドライバーたちから有力な若手をピックアップして紹介する。

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 2021年、FIA-F2カレンダーは大きく様変わりした。昨年のカレンダーは、COVID-19パンデミックによって組み直され、短期間に多数のレースが詰め込まれた。今年は、それよりも長い期間にわたって行われるが、ラウンド数は減らされている。

 その理由は、今年はF2とF3のスケジュールが分離されたからだ。つまり、F1の週末にはどちらかのカテゴリーのレースしか開催されない。その結果、昨年のF2は12ラウンドで各2レースが実施されたが、今年は8ラウンドで各3レースが行われる。

 夏休み前に12レースが開催されたものの、開催地は4カ所であり、以前よりも中間地点でのレビューを行うのが難しい。それでも現時点で高い将来性を感じさせる若者が何人かいるので、近い将来F1で活躍する可能性があるドライバーたちをここで取り上げてみたい。

■デビュー早々、ランキングトップに立つピアストリ

オスカー・ピアストリ(プレマ)
オスカー・ピアストリ(プレマ)

 現ポイントリーダーは、アルピーヌのジュニアドライバー、オスカー・ピアストリ(プレマ)だ。彼はF2に昇格したてで素晴らしい活躍をしているが、アルピーヌの育成プログラム計画の関係で、F1昇格のチャンスを与えられるのは来年ではないかもしれない。アルピーヌは彼に関して長期的なプランを立てているのだ。

 今年20歳のピアストリは、2020年のFIA-F3チャンピオンだ。シーズンのなかで優勝回数は2回にとどまったが、大部分のレースをトップ6でフィニッシュし、タイトルをつかんだ。

 彼は速さとレーステクニックをいいバランスで発揮するドライバーだ。速さの面だけでみるとトップというわけではない。昨年はポールポジションを一度も獲っていないし、F2でのポールは今のところシルバーストンでの1回にとどまっている。だが今年、他のレースで予選7番手、3番手、3番手といい位置を確保したことが、安定したポイント獲得につながっている。

 週末に3回のレースというフォーマットを彼は非常にうまくこなしている。ここまでの12戦のうち、ノーポイントに終わったのは2回だけであり、毎週末、少なくとも1度は表彰台に立っている。彼はアグレッシブなレーサーで、守るより攻める姿勢の方が強いが、戦うべきタイミングとそうでないタイミングが分かるドライバーだ。

■周冠宇、悲願のタイトルをつかめるか

周冠宇(アルピーヌ)
周冠宇(アルピーヌ)

 ピアストリの今の好調さを見れば、来年にもF1に昇格するのが当然と思えるかもしれないが、彼が所属するアルピーヌのヤングドライバーアカデミーには、2歳年上の周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)がいる。周は今年、F2に3度目の挑戦をしており、2019年7位、2020年6位という結果を経て、今年は現時点でランキング2位。タイトルを争える位置にいるのだ。

 周は速いドライバーだが、少し安定性に欠ける。今年ここまで全ドライバー中最多の3勝を挙げ、ポールポジションも1回獲得している一方で、ノーポイントのレースが5回あり、そのうち2回はリタイアだ。バクーのスプリント2からノーポインが4戦続いたものの、シルバーストン・フィーチャーレースで優勝し、ランキング上位にとどまっている。

 アルピーヌは彼を何とかF1に昇格させたいと考えている。中国出身の周には大きな後ろ盾があることも関係しているが、F1カーテストや今年のオーストリアGPのFP1で出走した際に周が優れたパフォーマンスを見せたことが、チームに好印象を与えているのだ。

 ただ、アルピーヌF1チームはエステバン・オコンと長期契約を結び、フェルナンド・アロンソも来年は残留する見通しであることから、周をF1デビューさせるには、ウイリアムズかアルファロメオにシートを見つけるしかない。

 F1にデビューすれば、周は予選で光るところを見せることができるだろう。彼にはそれだけの速さがあると思う。ただ、一貫して好結果を出せるという確信は持てない。非常に良い週末もあれば、非常に悪い週末もある、そういうシーズンを過ごすのではないだろうか。

■次のページへ:フェラーリ、ザウバー、レッドブルの育成ドライバーたちの現状


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