2021年F1第18戦メキシコGPではレッドブルの有利が予想されるなか、メルセデスがフロントロウに並んだ。しかし決勝レースではマックス・フェルスタッペンがスタート直後に首位に浮上し、その後ろではルイス・ハミルトンとセルジオ・ペレスが2位を巡って最後まで接戦を振り広げる展開に。メキシコGPを無線とともに振り返る。
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レッドブル・ホンダの優位が予想されたメキシコGPだったが、予選ではメルセデス2台がフロントロウを独占するというまさかの結果に終わった。
しかし決勝レースでは、3番手スタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がターン1までに2台を抜き去り、首位に立った。フェルスタッペンの担当エンジニア、ジャンピエロ・ランビアーゼが思わずこう口にした。
ランビアーゼ:素晴らしい。その言葉しかない
ポールシッターのバルテリ・ボッタス(メルセデス)はスタート直後にダニエル・リカルド(マクラーレン)に追突され、スピン。早々に戦線離脱した。セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)はからくもコース外に出て、難を逃れた。
ボッタス:誰かが後ろからぶつかってスピンした
ペレス:ボッタスにぶつかったバカは誰だ? 僕もほとんどやられるところだった!
フェルスタッペンのペースはハミルトンより明らかにいい。渋滞状態の中団勢は冷却が厳しく、各車の間隔は自然に開いて行く。そして最後尾近くまで下がったボッタスは、なかなか順位を上げることができずにいた。
ランビアーゼ(→フェルスタッペン):(ハミルトンとの)ギャップは2秒4だ
ハミルトン:彼は速い!
ボッタス:このトレインだと、タイヤを考えたら大したことはできない
フェルスタッペンが19周目に最速タイムを更新し、ハミルトンとの差を6秒8まで広げた。背後には3番手ペレスが9秒ほどの間隔でついてきている。ハミルトンにはペースを必死に上げる以外、戦略的選択肢はほぼなかった。
ランビアーゼ:タイヤはどうだい
フェルスタッペン:悪くない。コーナーエントリーで、ちょっとリヤがきてるけど
ハミルトン:ふたりとも僕より全然速い
ピーター・ボニントン:ペレスとのギャップを広げるんだ
ハミルトン:とても引き離せないよ
一時は11秒前後あったハミルトンとペレスの差が、27周目には10秒まで縮まった
ヒュー・バード:よし、チェコ。近づいて行こう
しかし2周後の29周目に、ハミルトンはピットへ。33周目にはフェルスタッペンもピットインし、ペレスが首位に立った。メキシコ人ドライバーが母国GPでトップを走るのは史上初めてのことだった。湧き上がる大歓声。ペレスは40周目までステイアウトし、ハミルトンより11周フレッシュなハードタイヤでコース復帰した。