パワーユニット開発に制限をかけるルールであった「トークン制度」が、2017年からは撤廃。自由競争が得られたことで、ホンダは過去2年のコンセプトとは決別する道を選んだ。パワーユニットの全面刷新。
核となるエンジン(ICE)は低重心化を含んだ新設計とし、詳細は語られていないが、ターボチャージャー(TC)の仕様やレイアウトにも手が入れられたとされる。また、制御系技術はともかく、エネルギー回生システム(ERS)の関連パーツも一新が行なわれた。すべてを、変えた。
この、すべてを変えることに、ホンダの当事者たちも「リスクはある」と覚悟していた。そしてテスト初日、2日目と、ホンダの“第2世代”パワーユニットは相次いでトラブルを出し、いずれも交換作業を強いられる。
初日トラブルはオイルタンクの不備と特定され、テスト期間中に現場で対処が施された。だが、2日目に発生したトラブルの解明にはいたらず。周回数は大きく制限された。
3日目と4日目はほぼトラブルフリーで走行を重ね、テストプログラムを進めていったが、少なくとも初回テストの日程では、真のパフォーマンスレベルは見えてこない。それは、シャシーについてもだ。ドライバーたちは好感触を口にしているが。