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モタスポブログ

2016.06.19

Shots!──熱田カメラマンのバクー、金曜日。ホンダへの質問で小松さん登場。


モタスポブログ | Shots!──熱田カメラマンのバクー、金曜日。ホンダへの質問で小松さん登場。

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バクーです。まず速かったのは、やっぱりハミルトン選手。全開区間が長いので、メルセデスに有利というお話のとおりの結果でもありました。

このオールドタウン入口の道幅はすごく狭いんですけれど、直線区間はすごく広いという緩急きついレイアウトのサーキットです。

なんですけれどね、初開催の市街地サーキットというのは、我々カメラマンにとっては困ることもたくさんあるわけです。トラックとウォールの上には金網があって、ところどころカメラマンの穴はあるんですけれど、圧倒的に少ない。コースを移動するのに、外に出なければいけなかったりするので、とにかく歩き廻りまくって覚えるしかない。でも初開催なので、その出入口にセキュリティのおじさんがいるんだけど、出れたのに入れないとかダメダメの一点張り。

このキレないことで有名な(?)僕でも、何も走ってない木曜日に1コーナーの撮影台の下見に行って、入ってはダメだって言われたときには「お前はアホか!」(日本語でね)って怒鳴ってしまいました……。まあ慣れていけば良くなるんでしょうけれど。

そして、カメラマン用のシャトルバスの本数が全然少ないので、この長いコースの端にあるプレスルームから行きたいところまで3キロ以上くねくねカメラ背負って歩かなくてはいけなくて、とにかく疲れるのです。

でも、背景は良い感じなので撮影自体は楽しいんだけどね。

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FP1でエンジンから煙吹いて、走行ができなくなって、ちょっとふてくされたマックス・フェルスタッペン選手。まあ、そういうこともありますよね。

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アロンソ選手、FP2が終わった時点では11位。バトン選手が9位。まあまあ、いい感じ?

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サーキットのある海岸線のまわりは、おしゃれな感じ。でも、奥の方に行くと、庶民の皆様の生活があって、車道に洗濯物とか干していたりしてます。タクシーは外国人だとわかると、ぼられます。まあ、安いからいいんだけどね。

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縁石はがれ事件が勃発。ボルトが緩まないように溶接してます。

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直線が長いところは得意なウイリアムズ。カナダに続いて、いい感じです。

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GP2の松下信治選手。予選2位と大健闘だと思います。全員が初めてのコースで2位は立派です!

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「よしっ、長谷川さんに聞いてみよう!」第3回です。

なかなか、ひとくちで言うのは難しいと思いますが、いまのF1マシンのパッケージ全体の値段は、いくらぐらいですか? できれば、ステアリングの値段、パワーユニットの値段、タイヤの値段など細かく教えていただけるとうれしいです。(沖縄県・ペンネーム:PerfumeF1チーム)

「うわ〜、それは申し上げられないですね〜〜〜。と言いますか、よくわからないというのもあります。試作部品が、すごく多いのでコストが出ないんですよね。ひとつ、わかりやすいのが、2018年より12ミリオン(1200万ユーロ=約14億円)にすると言ってますよね。それが目安になると思います」

──それは「大赤字」の値段なんですか。

「いや、そのあたりの金額に収めるようにするということです」

──カスタマーのパワーユニットでも開発費を倍かけて、良いものを作って売ってもいいということですか。

「いや、カスタマーへの供給ということですから、開発が終わったものを供給するわけです。だから、部品代と考えていいと思います」

──ところで、以前のエンジンでも部品でもなんでもよいので、値段がわかるものってないですかね?

「いや〜〜〜あまりに開発費が含まれるので……わかりました、考えてみます。少し、待ってください」

短い期間でトップチームとのギャップを埋めることは厳しいとわかっていながらも、期待してしまいます。ずばり今シーズン、F1復帰後、初表彰台の可能性は、どれくらい自信がありますか。(千葉県・ペンネーム:あきお)

「自信は、まったくないですね、ただ可能性はあると思っています。ポイント圏内をコンスタントに走っていれば、可能性はある。今シーズンに限って言えば、そういうレベルだと思います」

2019年までに年間に使用できるパワーユニットの数を2基に制限するという報道を見ました。その記事には「各メーカーが、このルールに合意した」と書いてあったのですが本当なんでしょうか。長谷川さんとしてはパワーユニットの基数制限について、どう考えていますか。(愛知県・ペンネーム:Macro)

「基数制限というのは、レースエンジンといえども耐久性も含めての技術を競うという意味で、ありだと思います。ただ、以前にもFIAのカンファレンスで話しましたが、トラブルでエンジンを失ったときのペナルティがすごく大きいので、新しいパーツを投入するとか、エンジンを大幅に変えて勝負しようという気持ちになりにくい。そのことは競争を阻害しているかなとは思います」

──では、年間何基ぐらいが妥当なんでしょうか。

「今年の5台というのは妥当だと思います。4レースないし5レースに1基となりますからね。」

──じゃあ、5基というのは開発しやすいということですか。

「十分きついですよ……5レースというと4000kmですから、そのライフを確認するのに、まず時間がかかります。やっぱりF1エンジンというのは最高峰の技術で最高のパフォーマンスであるべきだと思うんですけれど、それを証明するのに時間がかかりすぎるので、サイクルが回せないんですよね、そういう意味では、これ以上の耐久性を持たせるという意味では最高のパフォーマンスを発揮するという意味には逆行してしまうように思います」

──耐久エンジンじゃないんですからね。

「たとえば年間1基になったら、開発できないですから、パフォーマンスを追求も何もできないですからね。ですから年間5基くらいがF1のパワーユニットにふさわしいと思います」

私はF1が大好きで、将来F1のエンジニアを目指しているのですが、実際にF1の現場ではどのような人材が必要とされるのか、教えてください。またホンダの就職面接を受けるので、ひとこといただけるとありがたいです。(長野県・ペンネーム:ドラちゃん)

(編集部より:もう面接、終了しているかもしれませんが、聞いていただきました)

「技術の進化に対して、真摯に挑戦する気持ちがあるということが非常に重要ですね。まず、テクノロジーをきちんと理解することと、チャレンジ精神を両方持つということですね」

──ホンダ社員の方にもF1をやりたいという人がたくさんいると思うのですけど「はい!」って手を挙げると配属になることもあるのですか。

「そうですね、ホンダの場合は叶うかどうかはわかりませんが、まずやりたいと手を挙げるのが非常に重要視されます。希望しつづければ、行ける可能性は高いと思いますよ」

──長谷川さんが面接するんですか。

「昔は、やりましたね」

──ハースの小松さんは以前BARで働いていましたよね?

「そうです、小松さんの面接は僕がやったんですよ! BARホンダの時に、ホンダに入りたいということで、佐藤琢磨選手の推薦もあり、面接しました。イギリスにレジュメ(履歴書)を持ってきました」

──小松さんを採用しようと思ったのは何が決め手だったんですか。

「それこそF1をやりたいという気合いがあって、そしてイギリスの大学で車両運動解析を学んでいたわけです。そして、英語も堪能であるということです」

──いま結構、偉くなってますよね。それって当時、想像できましたか。

「それぐらいになるという人でないと採用しようと思わないですね。将来、開発の核になるような人間でないとダメですね。結果、彼は非常に良かったですよ」

──小松さんと一緒に働いて、どうでしたか。

「小松さんは車両側で、僕はエンジンでしたから、直接あまり関わってはいないですね。ただ、BAR側の人間からの評判は非常に良かったですし、信望も厚かったです。
だから彼がBARをやめるときは相当に惜しまれましたよね」

──小松さんに続く人が、どんどん出てきてほしいですよね。

「そうですよね。テクノロジーを理解できることが必要なのは間違いないですけれど、F1の世界で働くということは相当なチャレンジ精神がないと、やっぱり難しいです」

──では、今後ホンダF1に加入したいと思う人に向けてお願いします。まずは、勉強しろってことですよね?

「そうですね(笑)。技術に対する知見を高めることが必修。あとは気持ちですよね、ホンダに入りたい、F1をやりたいということです。あと、英語です! これ、結構重要ですね」

次回は、オーストリアGP週の月曜締め切りです! どしどし、質問お待ちしてますね!

 

送り先は、下記メールアドレスまで。採用者へのプレゼント(サイン入りドライバーズカード)希望の場合は「住所」「氏名」「年齢」「性別」を明記の上、もちろん「長谷川さんへの質問」を忘れずに書いて、ご応募ください。アロンソ選手、バトン選手どちらが送られてくるかは運まかせとなります。プレゼントがいらない場合は、質問と「氏名」のみでOKです。掲載時にペンネーム希望の場合は、忘れずに書き添えてください。ここまでに採用していない質問を、のちほど選ばせてもらう可能性もありますので、何度も送っていただく場合は、ぜひ違う質問を、お願いします。

f1readers@sans-inc.jp

 

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熱田護(あつた・まもる)1963年生まれ。三重県鈴鹿市出身。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。2輪世界GPを転戦し、1991年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行う。2016年もF1全戦をカバーする予定。WEB:Mamoru Atsuta Photography


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