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 ここでロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)を皮切りに、コリー・ラジョイ(スパイア・モータースポーツ/シボレー・カマロ)やSHRのグラグソンらもコーションの引き金となり、オースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)やダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)も巻き添えの憂き目に遭う。

 その度に新品のウエットパターンを装着した各車だが、つねに変化する雨量を読む能力も求められ、フリープラクティス最速のホセヴァーや首位争いに参加していた王者ブレイニーとマイケル・マクドウェル(フロントロウ・モータースポーツ/フォード・マスタング)らもクラッシュ。さらにブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)のスピンにより、決着は延長戦へと突入する。

 僚友トゥルーエクスJr.を従えステージ2を制覇していたデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)も降雨再開後は失速するなか、それでも速さを維持し続けたのはステージ1覇者のベルで、最終的に149周のリードラップを記録した29歳が“週末の失態”を取り返す今季3勝目、カップ通算9勝目のトップチェッカーを受けた。

「これだけ多くのことが変更され悪条件が重なると、レースがどうなるかなんて誰にもわからないね」と現地20時10分にフィニッシュを迎え、実に6時間以上に渡る勝負を制したベル。

「僕は個人的に悪条件が大好きだ。つねに既成概念に捉われずに考えようとするからだと思うけど、赤旗遅延の後にウエットタイヤでコースに戻ったときは、いつもより本当に滑りやすい路面状況だった。あっちこっち走り回ったけど、この勝利は本当にクールだね!」

 従来なら赤旗早期終了、雨が降り始めた段階でポイント戦として規則成立のラップ数で打ち切られていたであろうレースも、新開発タイヤにより中止を免れる展開となったが、その判断に救われ2位に入ったブリスコも「2時間前は25位も走れなかったのに、雨が救ってくれた」と振り返る。

「素晴らしい回復力。ここは僕にとってもっとも苦手なレーストラックのひとつで、正直言って2位になったのはちょっと意外だ。雨が救ってくれたようなものだし、雨が降っていなければおそらく24位だっただろう。何度か良いリスタートが切れたよ」

 そんな雨間の土曜に併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第16戦『SciAps 200』でも、このニューハンプシャーを得意とするベルが奮闘。ホワイトフラッグの最終コーナーで3ワイドを演じ、僚友シェルドン・クリード(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタGRスープラ)に0.254秒差で勝利をもぎ取る結果に。これで同地のエクスフィニティは4戦4勝という完璧な記録を樹立し、ここでも週末の“失地回復”を飾っている。

早期スタートに終盤遅延。雨対策で6時間超のウエットタイヤ戦をトヨタのベルが制覇/NASCAR第18戦
「僕は個人的に悪条件が大好きだ。つねに既成概念に捉われずに考えようとするから」と勝者ベル
早期スタートに終盤遅延。雨対策で6時間超のウエットタイヤ戦をトヨタのベルが制覇/NASCAR第18戦
チェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、ポイントで僚友カイル・ラーソンに並ばれることに
早期スタートに終盤遅延。雨対策で6時間超のウエットタイヤ戦をトヨタのベルが制覇/NASCAR第18戦
土曜に併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第16戦『SciAps 200』でも、このニューハンプシャーを得意とするベルが勝利を飾る

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