フェラーリのコンペティツィオーネGT部門の責任者であるアントネッロ・コレッタによると、フェラーリが2023年にもカスタマーデリバリーを予定する次世代のGT3モデルには、この6月にワールドプレミアされたばかりの量産型ミッドシップスーパーカー『フェラーリ296 GTB』をベースとする可能性が高いことが明かされた。
この新世代“ピッコロ”フェラーリは、跳ね馬の最新ミッドエンジン・ベルリネッタであると同時に、プラグイン・ハイブリッド・システムを搭載したことでも話題となっている。
新開発の120度V6ホットインサイドVツインターボ“F163”ユニットは、エンジン単体で663PSを発生。これはフェラーリのロードカー用エンジン史上最強のスペックを誇り、組み合わされる電気モーターは1基で167PSを発生し、システム総合出力は830PSにまで達する。
そのプラグインハイブリッドによるEV航続距離は、eDriveモードで25kmを実現。電動モーターとエンジンを使ったシステム全体のスペックは0-100km/h加速2.9秒、0-200km/h加速は7.3秒を記録し、最高速度は330km/h以上をマークするという。
このモデルをベースに、現行型の『フェラーリ488 GT3(EVO 2020)』に代わる新世代カスタマーレーシングカーの開発を検討しているというフェラーリだが、前述のコレッタによれば、最終的に承認されたモデルを決定するために「内部調査が進行中である」と、すでに新型の開発が進行中であることを示唆した。
「新型GT3規定車両のベースモデルは、おそらく最近発表されたニューモデル『296』になるだろうね」と、モータースポーツ専門サイトの『Sportscar365』に対して明かしたコレッタ。
「おそらく、このクルマこそが我々の次期ベース車両になると思うが、その件について話すのはまだ時期尚早で、とてもとても気が早い話だ。今後のプロジェクトの進捗で、選択肢が増える可能性だってあるわけだからね」と続けるコレッタ。
「しかしもちろん、我々は現時点で内部調査と検討を行っているし、この件についてファクトリーの外で話をすることはまだ不可能だよ」
フェラーリのグローバルGT3プログラムは、V8ツインターボを搭載した『488 GTB』をベースに2016年から本格稼働しており、2018年と2020年には大規模なアップデートも施されている。