彼らに突きつけられた課題は非常に大きかった。「それは、S1パイクスピークを現代的に解釈したフルエレクトリックカーを作り上げるというものだ」とリヒテ氏。
「タイムラインは非常にタイトで、通常1年から1年半かかるデザインプロセスを最初の図面から最終的なデザインまで4週間で仕上げなければならなかった。私たちはつねにケン・ブロックと彼のチームと連絡を取り、集中的に意見交換を行った」
そうして完成したクルマを11月に初ドライブしたブロックは、電動化されたアウディS1モデルについて次のように語っている。
「アウディはドイツで数日間それをテストする機会を与えてくれた」
「僕はエンジンとトランスミッションを使用する多種多様なクルマに精通しているが、ここでは学ぶべき新しい発見がたくさんあった。停止状態から右足だけを使ってすぐに150km/hでドーナツターンに入っていく経験は、僕にとってまったく新しいものだったよ」
「(テストでは)クルマに慣れることに焦点を当てた。素晴らしいチームワークを提供してくれたアウディスポーツ・チーム全体に感謝している」
「アウディとのコラボレーションは僕にとって非常に特別なパートナーシップだ。このブランドとモータースポーツへの情熱が僕をラリーの道に向かわせたんだ」
「そのアウディが僕と僕のチームのためにクルマを開発してくれたことは、まさに夢のような出来事だ。フーニトロンは我々の歴史の次の章を書き、ジムカーナのストーリーを未来へと導いてくれる」
世界中のファンはまもなく、アメリカのスターの成功を“エレクトリカーナ”というタイトルのもとで目撃することになる。