更新日: 2022.03.01 17:11
エリオットらスピン続発の週末を制し、王者ラーソンが”Next-Gen”初勝利/NASCAR第2戦
新規定車両“Next-Gen”導入2戦目の公式イベントとなった2022年のNASCARカップシリーズ第2戦フォンタナが、2年ぶりにオートクラブ・スピードウェイで開催された。しかし2月26日土曜のプラクティスから、新規定マシン初見参のトラックに苦心した各ドライバーたちは次々とスピンオフを喫する波乱の展開に。決勝でもカイル・ラーソンとチェイス・エリオットのヘンドリック・モータースポーツ勢が“遺恨の同士討ち”で雌雄を決し、現王者ラーソンがNext-Gen初勝利を飾るなど、今後のシーズンにも影響を与えそうな結末となった。
23歳のルーキー、オースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)の『デイトナ500』制覇で幕を開けた新時代は、この南カリフォルニアで新たなプラクティス/クオリファイのフォーマットを採用し、短いインターバルを挟んで全36台のマシンを2組に分割、予選を前に各15分間の練習走行が実施された。
まずはデニー・ハムリン(Joe Gibbs Racing/トヨタ・カムリ)が最速を記録した第1グループで、ケビン・ハーヴィック(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)とロス・チャスティン(トラックハウス・レーシング・チーム/シボレー・カマロ)がスピンを喫して赤旗の起因となり、続く予選ではターン2でブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)が、ターン4では2020年王者エリオットとその僚友のウィリアム・バイロンJr.(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)がスピンオフ。アリック・アルミローラ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)はターン4で“飛距離のある”ドリフトを披露するなど、多くのドライバーが“Next-Gen”とオートクラブ・スピードウェイのマッチングに悩まされた。
この結果、ミスを犯さなかった数少ないドライバーのひとりである開幕戦勝者シンドリックがポールポジションを獲得。一方で、日曜早朝にイグニッションスイッチの不具合が見つかったラーソンは13番手からのスタートを諦め、ケセロウスキーやジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)らを含む9台とともに、隊列後方からのスタートを強いられた。
その27日の決勝で序盤から主導権を握ったのが11番手発進のタイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)で、第1と第2の両ステージを制覇し、最初の130周中70周でリードラップを奪うなど、この日の最速マシンの座を誇示する。しかし、そのリードが90周に達しようかという残り49周の時点で、8号車カマロの左リヤタイヤが根を上げバーストを喫すると、同じく好調で16ラップのリードを記録していたバイロンJr.がまさかのヒット。このコーションにより、ラーソン以下、隊列後方発進組に勝利への道が開けることに。