創設2年目の2022年より、新たにFIA eツーリングカー・ワールドカップへと進化を果たすTCR規定派生の電動ツーリングカー選手権に向け、初年度王者マティアス・エクストローム率いる新生クプラEKSがドライバーラインアップを発表。昨季はクプラ×ゼングー・モータースポーツでチームメイトを務めたジョルディ・ジェネに加え、トム・ブロンクビストやエイドリアン・タンベイが新たに加入し、自身もエースとしてタイトル防衛に挑むこととなった。
2021年は2台のセアト・クプラe-Racerをシェアし、ミケル・アズコナやダニエル・ナジー、ジェネらとともに初年度のPURE ETCRに参戦したエクストロームは、ハンガリーに拠点を置くゼングー・モータースポーツとのジョイントチームで、この初モノ尽くしのシリーズを戦った。
そしてクプラの本拠地でもある第2戦のスペイン、モーターランド・アラゴンで総合優勝となる“キング・オブ・ジ・ウイークエンド”を獲得すると、開幕戦を含め全5戦中4戦で表彰台に登る安定した戦いぶりでポイントを積み重ね、改めてのレース強者ぶりを披露。
ツーリングカーやGTにラリークロス、オフロード・クロスカントリーに氷上ドライブと、あらゆるマシンを乗りこなしてきた多才ぶりを遺憾なく発揮し、わずか4ポイント差ながらヒョンデ(旧ヒュンダイ)・モータースポーツNのジャン-カール・ベルネイを降して初代チャンピオンの称号を手にしている。
そんなエクストロームは、ジョイントチームを解消したゼングーの後を引き継ぎ、自らが組織したWorldRX世界ラリークロス選手権のチャンピオンチーム、EKSでの新規エントリーを決断。クプラの“電動大使”も務める男が、新たにFIA格式のワールドカップ・ステータスを与えられたシリーズに向け盤石の体制で挑む準備を進めている。
「そんなFIA eツーリングカー・ワールドカップに向け、こうしてエキサイティングなドライバーラインアップを発表できることをうれしく思うよ」と語るのは、そのエクストロームに全幅の信頼を寄せるクプラ・レーシングの技術開発責任者であるチェビー・セラ。
「トム・ブロンクビストにエイドリアン・タンベイのふたりを、初めてオール・エレクトリック・シリーズに加えるのは非常に特別なことだ。彼らは才能に溢れたドライバーだし、うまく適応して非常に良い結果を出すと確信している」と続けたセラ。
「そしてエクストロームとジェネには豊富な経験があるばかりか、レースに勝利するためのスキルも備わっている。すべてのチームが夢見る継続性が、ここにはあるんだ」