■22年は重量増への対応で“胴”の薄肉化にもトライ
「BBSホイールの最大のアドバンテージのひとつでもある“靭性”は、レースの世界だけではなく、量産車の領域でも他の自動車メーカーさんがフォーカスしてきている感じがするんですよね(笑)」というのは、スバルテクニカインターナショナル(STI)で2022年も『SUBARU NBR CHALLENGE プロジェクト』の総指揮を執る辰己英治総監督。
辰己総監督は、富士重工(現:スバル)で量産車のテストドライバーを務めていたときから、ホイールが操縦安定性に与える影響に着目。
STIに移った後はスーパーGTのGT300チームで、BBSの持つ『靭性=粘り強さ』という特性をBRZ GT300に最適化しながら、マシンのパフォーマンスアップにつなげてきた。その粘り強さは特にコーナリング中に現れ、限界付近でのタイヤのグリップ感がピーキーにならず、過渡域での挙動がつかみやすいと、BBSを履くマシンのドライバーは異口同音に評する。
ニュルブルクリンク24時間を戦うSUBARU WRX STI NBRでも同様に取り組み、SP3Tクラス優勝をBBSとともに何度も果たしてきた。
靭性の可能性に自動車メーカーやホイールメーカーからの注目が集まると、ニュルというステージでもSTIのアドバンテージが小さくなるのではないかとも思われるが、今年のニュル用ホイールにも新たなトライを盛り込んでおり、心配は無用だという。
「今年はタイヤ幅を20㎜広げて、280㎜としました。ホイールのリム幅も10.5インチから11インチに上げました。ホイールの形状を微妙に変更しています。耳(アウターリム)の高さ・Rの具合・肉厚や、ホイールの“胴”(インナーリム)の厚さなどです。詳細は企業秘密ですが、以前はあまりやっていなかった箇所にも手を入れています」
「もちろん、アドバンテージはそのままに、必要な強度確保には影響しないようにしつつです。そこはBBSさんの長年の実績とノウハウが成せるところ。このトライも機能し、いい結果を残せるのではないかと期待しています」と辰己総監督。今年もポディウムの“定位置”に立つ姿を見ることができそうだ。
BBS Japan https://bbs-japan.co.jp