この最後のリスタートで主導権を握ったのがブレイニーで、中盤以降は安定したラップを刻んでいた12号車は、決勝400周中で最多となる163周をリードし、最後はシャーロットの1.5マイル・オーバルで0.663秒差をつけ勝利を手にした。
「涙が出てしまうかもしれない」と2021年8月のデイトナ以来、実に59戦ぶりのトップチェッカーを受けたブレイニー。
「それを可能にするクルマがあったのは分かっているが、リスタートはクレイジーなこともある……しばらく勝てないと、もう勝てないような気がし始めるんだ。なんだか本当に大変な状況に陥るし、だからこそ僕を信じてくれた12人には本当に感謝している」と、感極まった様子で続けたブレイニー。
「とてもクールだよ。ニューガーデンとロジャーがインディで優勝し、僕らが600を制覇したなんて素晴らしい週末だった。未勝利記録もここで終わりだしね!」と、直後にはニューガーデンに触発されフェンスをよじ登り、月曜のグランドスタンドに詰め掛けたファンの渦に飛び込んだ。
「それほど興奮することはあまりないんだけど……とても興奮した」と笑顔を見せたブレイニー。「昨日のジョセフのやり方が気に入ったし、振り返ってスタンドにまだ大勢ファンがいるのをビクトリーラップで見たときは、本当にうれしかった。月曜なのにいっぱいに詰まっていて、信じられなかったよ」
「みんな付き合ってくれてありがとう。とても楽しかった。ファンの興奮度は僕らも競技者として良い気分にさせてくれるし、それが本当にクールだったね」
同じく月曜まで順延され、スタートも2度ほどディレイしたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第12戦『アルスコ・ユニフォーム300』は、ジャスティン・オルゲイアー(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)が66周のグリーンフラッグを通じて燃料を節約し、チームと自身の今季初勝利を獲得。
一方、金曜にファイナルを実施していたNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第11戦『ノースカロライナ・エデュケーション・ロッテリー200』は、こちらも初優勝のベン・ローズ(ソースポーツ・レーシング/フォードF-150)が今季9人目のウイナーに。服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライズ(HRE)の16号車タイラー・アンクラム(トヨタ・タンドラTRD-Pro)は、エンジン交換からの最後尾スタートで奮闘し、トップ10目前まで挽回したものの最後はクラッシュに巻き込まれ28位となっている。


