続くFP3では、地元出身の88号車フルーエンスGTをドライブするマルケスが最速のドライバーとなり、予選を前にフィアット、シボレー、そしてルノーと、複数ブランドでタイムボードの首位を分け合う緊迫の状況が生み出される。
しかし午後の予選を席巻したのはやはりルノー陣営で、3番手となったシビックのアルドゥソや、同5番手に続いたカローラのサンテロらを退け、王者ペーニャが2戦連続のポールポジションを奪取。背後には実弟マリアーノが続いてフルーエンスGTがワン・ツー体制を固めると、4番手には18歳の新鋭イグナシオ・モンテネグロ(ルノー・フルーエンスGT)が飛び込むなど、やはり1発のスピードで他陣営を圧倒する速さを披露した。
明けた日曜25分+1周の決勝レース1は、シリーズ独自のスタートドローによりこちらも2戦連続でマリアーノが先頭スタートの権利を手にいれると、引き続き快晴のなかスタンドを埋めた大観衆を前に、ターン1でのホールショットを決めていく。
しかし、直後に仕掛けたのは3番手発進だったホンダのアルドゥソで、同地初優勝を目指す男が首位浮上に成功。83号車のシビックが隊列を従える展開となる。
ただし爽やかなブルーをまとったシビックはここからレースペースに苦しむこととなり、ホームストレートで“プッシュ・トゥ・パス”の駆け引きを仕掛けたマルケスが首位を奪取。その後もポジションを下げ続けたアルドゥソをパスし、王者ペーニャが2番手に浮上してルノーがワン・ツー体制を回復。予選15番手発進から大幅な回復を果たしたシボレーのヴィヴィアンを3番手に従え、マルケスがキャリア通算3勝目、地元戦でのうれしい初優勝を決めてみせた。
そのまま正午開催のレース2でもこのふたりが主役を演じ、スタート直後には王者ペーニャが「最後のカードとして残しておいた」というプッシュ・トゥ・パスを発動し、ターン1の攻防で前に出る。
これで実質的な勝負は決し、チャンピオンは周を重ねるごとに後続のドライバーに対しアドバンテージを拡大し今季5勝目、シリーズ通算31勝を積算。午前とは前後を入れ替えた2位マルケスの背後にはカローラのサンテロが入り、ランキングでもペーニャ、ヴィヴィアンに続く3位浮上を果たした。
続くTC2000の第9戦は、こちらも実に2014年以来の開催となるサンティアゴ・ヤコ・グエルニエリ・オートドロームが舞台となり、9月8~10日の週末には北東部パラナ川の西岸に位置するチャコ州都レシステンシアでの勝負が繰り広げられる。



