今から20年前の1990年3月、全日本F3000のテスト中に富士スピードウェイでクラッシュし亡くなった村松栄紀の軌跡を記した文庫本『夢、疾る──あるレーシングドライバーの軌跡』(佐伯泰英著・双葉文庫)が4月8日に刊行される。
この『夢、疾る──あるレーシングドライバーの軌跡』は、時代小説を数多く手がける佐伯泰英氏が、かつて村松栄紀のパートナーであった長沼聡子さんと出会い手がけたノンフィクション『DID NOT FINISH 村松栄紀』に加筆、文庫化されたもの。
日本がバブル景気に湧き、国内にも空前のモータースポーツブームが到来していた1990年。前年のマカオGPのフリー走行ではトップタイムを叩きだし、大いに注目を集めた村松栄紀。F3000にステップアップし、デビュー戦で9位フィニッシュと、今後の活躍が大いに期待されたドライバーだった。
この本では、村松栄紀の幼少期から、そして事故までを取材により綴っている。そして文庫化に伴い、村松栄紀と親交の深かったレーシングドライバーの片山右京、服部尚貴、レーシングカーデザイナーの由良拓也、スーパーGTやフォーミュラ・ニッポンの公式カメラマンを務め、過去に村松栄紀をレンズで追った小林稔の4人のインタビューが収録されている。
サーキットで誰からも愛され、熱い情熱でサーキットを駆け抜けた24歳の若者の軌跡。20年経ち、モータースポーツを取り巻く環境が変化した今こそ読みたい一冊となっている。
『夢、疾る──あるレーシングドライバーの軌跡』
佐伯泰英著
●判型:文庫判(A6)
●総頁数:192ページ + カラー口絵8ページ
●定価:700円(税込)
●ISBNコード:978-4-575-71362-6
●発売日:2010年 4月8日
●発行:双葉文庫