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スーパーGTニュース

投稿日: 2015.05.07 00:00
更新日: 2018.02.17 07:50

【鈴鹿に登場】日本が生んだモンスター:R91CP


 2015年5月23日と24日に、鈴鹿サーキットで「SUZUKA Sound of ENGINE 2015」が開催される。このイベントには国内外から数多くの名車が集結する。今回ご紹介するのは、ニッサンが生んだモンスターマシン、R91CPである。

 1992年の2月1日〜2日にかけて行われた、アメリカ最大規模の伝統ある耐久レース、デイトナ24時間レース。このレースで勝利を収めたのは、日本からやってきた“純・国産車”だった。

 1980年代から90年代にかけて、耐久レースの選手権もF1と並んで盛んに行われていた。その主役となったのは、“グループCカー”と呼ばれるマシンたち。ハコ車ではあるものの、巨大なウイングとディフューザーにより強大なダウンフォースを発生し、F1以上のパワーを発揮するエンジンを搭載。モンスターと呼ぶに相応しいレーシングカーだった。

 同時のグループCレースには、トヨタやニッサン、マツダといった日本車はもちろん、ジャガー、メルセデス、ポルシェという蒼々たるメーカーが顔をそろえ、F1とはまた違った形で盛り上がりを見せていた。そして、いずれのメーカーも、最大目標は“ル・マン24時間制覇”だった。

 1990年のル・マン24時間耐久レース。予選でポールポジションを獲得したのは、ニッサンR90CK。ドライバーのマーク・ブランデルは、2番手につけたポルシェ962Cのオスカー・ララウリになんと6秒もの差をつける圧倒的なタイムを記録。また、長谷見昌弘のニッサンR90CPが3番手、ゲイリー・ブラバムのニッサンR90CKが4番手、ケネス・アチソンのニッサンR90CKが5番手と、ニッサン勢が上位を占める。

 それまでル・マン24時間で日本車が勝利したことはなく、ついにその時が訪れるかと誰もが期待した。しかし、レースが終わってみれば、長谷見、星野一義、鈴木利男の3人が乗るR90CPの5位が最上位。ニッサン勢はことごとくアクシデントやトラブルに見舞われ、ジャガーのワン・ツーフィニッシュを許してしまう。日本車によるル・マン制覇は、またしてもお預けになってしまった。