May 4 2014, RACE
SUPER GT Round 2
日本
富士スピードウェイ

#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT
(山本尚貴/ジャン・カール・ベルネ組)が10位完走
GT300クラスでは#0 MUGEN CR-Z GT
(中山友貴/野尻智紀組)が3位表彰台を獲得

2014年5月4日(日)・決勝
会場:富士スピードウェイ(4.563km)
天候:晴れ
気温:20℃(14:00時点)
路面温度:32℃(14:00時点)
コースコンディション:ドライ
観客:5万7200人(主催者発表)
周回数:110周

 5月4日(日)、静岡県駿東郡小山町にある富士スピードウェイにおいて、2014 オートバックス SUPER GT第2戦「FUJI GT500km RACE」の決勝レースが行われました。

 前日に引き続き、雲ひとつない快晴となったこの日は強い日差しが照りつけ、富士スピードウェイ周辺は5月とは思えない暖かさとなりました。この陽気に誘われるようにして決勝日も5万人以上のファンが来場。レース前に行われたピットウォークは立すいの余地もない大混雑になるほどでした。

 3日(土)に行われた予選の結果、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/ジャン・カール・ベルネ組)が11番グリッド、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)は12番グリッド、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/武藤英紀組)が13番グリッド、#32 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット組)が14番グリッド、#8 ARTA NSX CONCEPT-GT(ヴィタントニオ・リウッツィ/松浦孝亮組)が15番グリッドからのスタートとなりました。5台のNSX CONCEPT‐GTはいずれも後方からのスタートとなりますが、今回のレース距離は通常の大会のおよそ2倍に相当する500kmのため、決勝レースでは粘り強く戦うことで上位進出を果たすことが期待されます。

 午前8時30分から30分間にわたって行われたフリー走行では、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTは11番手、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは12番手、#32 Epson NSX CONCEPT-GTは13番手、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは14番手、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは15番手のタイムをそれぞれ記録しました。

 今回のレースは500kmの長丁場となるため、少なくとも2回のピットストップが必要になります。決勝レースでスタートを担当するドライバーは、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは松浦選手、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは塚越選手、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTは山本選手、#32 Epson NSX CONCEPT-GTはバゲット選手、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは小暮選手となります。

 午後2時、1周のウォームアップラップに続いて1周のフォーメーションラップが行われた後、ローリングスタートで500kmレースの幕が切って落とされました。スタートで大きな混乱はなく、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTが#32 Epson NSX CONCEPT-GTをパスして14番手に浮上したのを除けば、5台のNSX CONCEPT‐GTはそれぞれ予選順位を守ってオープニングラップを終えました。
しかし2周目、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTに電気系のトラブルが発生します。このためマシンはピットに戻ったところでリタイアとなりました。

 4周目、GT300クラスの1台がホームストレート上でコントロールを失ってクラッシュします。このマシンを排除するとともにコースを清掃するため、4周目から9周目までセーフティカーランとなりました。この途中、SUPER GTの規定に従って、ホームストレート上で全車両をクラスごとに分けて整列させ、先にGT500クラス、続いてGT300クラスを発進させる手続きが取られました。Honda勢は#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTが11番手、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが12番手、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTが13番手、#32 Epson NSX CONCEPT-GTが14番手となり、再びレースに臨みました。

 10周目、#32 Epson NSX CONCEPT-GTはピットイン。給油とタイヤ交換を行いましたが、ドライバーはバゲット選手のままコースに復帰しました。

 18周目、コース上を走行していたGT500クラスの1台に火災が発生します。この消火活動と火災を起こしたマシンを排除するため、18周目から22周目まで再びセーフティカーランとなります。セーフティカーラン中は走行ペースが大幅に低くなるため、ピットストップを行ってもあまり後れを取らずに済みます。そこで、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTの3台はここでピットストップを行い、給油やタイヤ交換などの作業を実施しました。この結果、セーフティカーランが終わった段階で、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTは10番手、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは11番手、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは12番手、#32 Epson NSX CONCEPT-GTは13番手となりました。

 この後、4台のNSX CONCEPT‐GTは追い上げを図ろうとして懸命の力走を続けましたが、ラップタイムでライバルに及ばず、逆にじわじわと離されていく展開となりました。

 30周目、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTにトラブルが発生し、コース脇に一時マシンを止めることとなります。これは熱害が引き金となって起きた電気系の不具合が原因で、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTはなんとかしてピットまで戻ってきました。この後、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTはいったんコースに復帰したものの、完全にトラブルを解決することはできず、最終的に42周を走行したところでリタイアに追い込まれました。

 41周目、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTにも#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTと同様のトラブルが発生し、リタイアを余儀なくされました。

 この頃、いち早くピットストップを行っていた#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTは、トップグループのマシンがピットストップを行うたびに順位を上げていき、43周目にはついにトップに浮上しました。ただし、ピットストップを終えたライバルたちが追い上げてくると順位を譲る形になり、47周目には2番手、51周目には4番手と次第にポジションを落としていきました。

 52周目、同じトラブルが#32 Epson NSX CONCEPT-GTにも発生、ピットに戻ることとなります。修復作業を行った#32 Epson NSX CONCEPT-GTはコースに復帰したものの、やがてトラブルが再発したため、56周を走行したところでリタイアしました。

 63周目、8番手まで後退していた#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTはピットストップを行い、給油、タイヤ交換、ドライバー交代を実施しました。

 83周目、10番手を走行していた#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTに、他の3台と同じ電気系のトラブルが発生します。このため、いったんはコースサイドにマシンを止めましたが、やがて再スタートを切るとピットまで戻り、作業を行った後にコースに復帰しました。その後も#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTは何度かトラブルに見舞われましたが、そのたびにピットに戻って修復を行って走行を続けた結果、トップから15周遅れとなりながらも10位で完走を果たし、貴重な1ポイントを手に入れました。

 優勝は#12 カルソニックIMPUL GT-Rでした。

 一方、GT300クラスの#0 MUGEN CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀組)と#55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)は、それぞれ5番グリッドと3番グリッドから決勝に出走。レース前半に一時は#0 MUGEN CR-Z GTが17番手、#55 ARTA CR-Z GTが18番手まで後退したものの、そこから粘り強く追い上げた結果、77周目に#0 MUGEN CR-Z GTはトップに浮上、#55 ARTA CR-Z GTも6番手まで返り咲きました。ところが、レースが残り7周となったダンロップコーナーで#0 MUGEN CR-Z GTはスピンを喫しました。この間に2台に先行されたものの、素早く体勢を立て直すとフィニッシュまで走りきり、3位入賞を果たしました。なお、#55 ARTA CR-Z GTはピットストップの際に予定していた量の燃料を給油できないトラブルが発生したために、予定外のピットストップを2度行うこととなり、18位でフィニッシュしました。

 SUPER GT 第3戦は5月31日(土)~6月1日(日)に大分県のオートポリスで開催されます。

コメント
松本雅彦 | Honda GTプロジェクトリーダー
「5台中4台がリタイアに終わるという、非常に残念な結果に終わりました。今回起こった電気系トラブルは熱害が引き金になったもので、レース前に発生が予想されたため、事前にできる対策を施してからスタートしましたが、長距離レースという過酷な条件の中でこれらを完全に克服することができず、リタイアを余儀なくされました。#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTにも同様のトラブルが発生しましたが、完走すればポイントが手に入ることが分かっていたので、ピットで手当てをしながら走行を続けました。全体的にペースが上がらなかったのは、やはりライバルよりも最低重量が70kg重いことが影響しています。この点はレギュレーションの関係もあって、ただちに対策を施すのは困難ですが、一日も早くしっかりとしたレースが戦えるよう、引き続き性能と信頼性の改善に努めていくつもりです」

山本尚貴(10位 #18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT)
「苦戦を強いられることは予想していましたが、厳しい結果となりました。NSX CONCEPT- GT全車にトラブルが出てしまい、その中で僕たちは何とか1ポイント獲得しましたが、この1ポイントをどう受けとめるか、今後にかかってくるかと思います」

ジャン・カール・ベルネ(10位 #18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT)
「Honda全体にとって、とても難しいレースでした。ただし、僕たちは完走したおかげで1ポイントを手に入れることができました。もしかすると、この1点が最終的なポイントランキングに影響するかもしれないので、その意味では貴重な1点でした。ライバルに比べるとペースは速くありませんでしたが、それでも僕はいつも通り、全力でプッシュしました。NSX CONCEPT‐GTのパッケージングを改善するため、Honda全体が一つになって働かなければいけないと思います。ただし、このレースからたくさんのことを学び、次のレースまでに何をしなければいけないのかも分かったので、徐々に状況が改善されることを期待しています」

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