2015 SUPER GT第6戦　決勝レポート　スポーツランドSUGO
GT300クラス

ピットの混乱で歯車狂いチャンス逃す

　朝のフリー走行では決勝のセットの確認を行った。一番前からスタート出来るので、タイヤが暖まるまでに2番手以下を引き離すというシミュレーションを行っていた。
　スタートの高木真一は、「グリッドの前の方の集団はコーナーリングスピードの速い車が多いので、富士のように引き離すのは難しい」とコメントしていたが、スタートを上手く決めた高木は2番手以下を上手く引き離してマージンを築いた。しかし、2番手、3番手を走行する車のタイヤが温まり始めてから、徐々に差が縮まり、7周目には3番手までドロップしてしまう。その後は3番手をキープしながら周回を重ねていった。
　24周目には500クラスのクラッシュによりセーフティーカーが導入され、29周にピットロードがオープンになったと同時にピットイン。全車ほぼ同時にピットインしたので、混乱が予想されたが、その混乱は我々の身に降りかかってしまった。
　狭いピットなので、ARTA CR-Z GTはノーズを斜めにピットに入れて作業を開始した。ガソリンホースもギリギリ届いて何とか作業を完了したものの、チームメイトの車が作業に手間取っていたので、車を後退させてピットアウトを試みたが、隣のピットの車がピットインしてきて、ARTA CR-Z GTの真後ろにつけてしまったのだった。
　ARTA CR-Z GTは前に出る事も後ろも出る事も出来ず、立ち往生してしまった。ここで大きくタイムロスしてしまい、コースに復帰した時は10番手までポジションをドロップしてしまった。
　後半を担当した小林崇志はそれでも諦めない走りを続けた。小林は速いラップで周回したものの、前車のスリップストリームに入った時にダウンフォースを失ってしまい、最終コーナーでスピンを喫してしまった。その前までに9番手を走行していたが、このスピンでひとつポジションを落としてしまう。
　終盤はガス欠症状が出てしまい、徐々に順位を落としてしまい、12位でチェッカーを受けた。表彰台を狙えるレースだっただけに非常に悔しい結果になってしまったが、次のオートポリスは昨年優勝したコースでCR-Z GTにはとても相性の良いコースだ。今季2勝目を目指し、次に気持ちを切り替えていきたい。

土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「セーフティーカーが入ってから歯車が狂い始めてしまった。まだまだ強さが足りないね。ここで大量ポイントを獲得出来なかったのは苦しいけど、次回のオートポリスは落ち度が無いように準備したいと思います」

一瀬俊浩エンジニアのコメント
「午前のセッションはリアタイヤを労る方向でセット確認をしました。決勝に向けてのバランスは非常に良い状態でした。レースペースは悪くなくて、予想していたとおりだったのですが、セーフティーカーのタイミングでピットインした時に上手く出る事が出来なくて半周以上遅れを取ってしまい、順位を落としてしまいました。その後もガス欠症状が出てしまいましたが、車のバランスが良かっただけに非常に残念です。次のレースはそのような事が起こらないように準備していきたいです」

高木真一のコメント
「残念です。前半は予想通りのパターンでレースが展開出来ました。車は燃料が軽くなればスピードが出てくるので、重い間は我慢の走りをしていました。温度が上がらない程度に、ストレートだけハイブリッドを使いながら、なんとかポジションをキープする事が出来ました。その後はピット作業がうまく行けば、我々のペースでレースが出来たと思いますが、その辺が今後の課題ですね」

小林崇志のコメント
「ピット作業が上手くいかなくて順位を落としてしまいましたが、走り始めたらそこそこのペースで走れていたので、ポジションを上げていけるかな？と思っていたところ、他車のスリップに入ったところでダウンフォースが抜けてしまい、最終コーナーでスピンしてしまいました。結果的にポイントを獲得出来るチャンスを潰してしまったのは大きな反省点です。車自体は凄く速かったので、次のオートポリスでは結果を出したいと思います」