全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦富士スピードウェイは15日、55周の決勝レースが行われ、予選8番手からスタートしたアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)が残り3周で大逆転。今季2勝目をマークした。
不安定な天候のまま迎えた全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦富士スピードウェイの決勝レース。決勝スタート直前のウォームアップ〜グリッドでも細かい雨が降り続け、路面はドライではあるものの、いつ大粒の雨が降り出してもおかしくない状況で14時のスタート時刻を迎えた。なお、スタート時セクター2〜3はレコードライン以外はかなり多くのウエットパッチが残っている。
そのスタートでは、2番手スタートの大嶋和也(Team LeMans)が抜群のスタートでポールシッターの中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)の前へ! 3番手には国本雄資(Projectμ/cerumo-INGING)が浮上するが、2周目には抜群のスタートでジャンプアップしていたアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)が国本をパス。国本はその後、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)にもかわされてしまう。
先頭の大嶋には2周目、一貴が並びかけるも先頭を死守。序盤、上位陣は数珠つなぎ状態で周回を重ねていく。しかし6周目〜10周目にかけ、少しずつセクター3で雨が強くなりはじめ、ダンロップコーナーはかなり滑りやすい状況となってしまう。その状況下、少しずつ大嶋と一貴の間隔が広がり始め、2番手一貴と3番手ロッテラー、4番手オリベイラと5番手に浮上した松田次生(TEAM IMPUL)と、大嶋をPETRONAS TOM'S、TEAM IMPULの2台が追いかける展開となった。
1〜2コーナー方面は完全なドライで晴れ間も見えるものの、セクター3は水しぶきも上がるような難しい展開となった中盤戦。上位陣の争いは膠着状態に近くなるが、そろそろピットに入るチームも出ようかという26周目あたりから、コース全域で雨が強くなり始めた。
いち早くピットに向かったのは、11番手を走行していた山本尚貴(TEAM無限)、そして13番手だった小暮卓史(NAKAJIMA RACING)。一方で上位陣はかなり滑りやすい状況ながらステイ。30周目にピットには6番手国本、そして7番手塚越広大(DOCOMO DANDELION)がレインに交換した。
上空には太陽が出ているものの、路面はウエット。スリックタイヤか、ウエットタイヤか。30周前後はスリック組もウエット組も大きくタイムが変わる訳ではなく、かなり難しい状況でのレースが展開されることに。そんな中、35周目に3番手ロッテラーがコカコーラコーナーでややコースオフ。これでプレッシャーから解放されたか、2番手一貴が少しずつ首位大嶋との差を詰め始めた。
55周のレースで38周目を迎える頃になると、上空はかなり明るくなり、雨もほとんど止むことに。ストレート〜コカコーラコーナーはかなりドライの路面が増え始める。そして終盤を迎えた39周終わりに、ついに2番手一貴がピットへ向かい、給油を行った。続く周には、首位大嶋もピットに向かい、こちらも同様にタイヤ無交換でピットアウトするが、大嶋がピットアウトするとすぐ目前には一貴が! ここでついに一貴が大嶋を逆転し、トップに立ってみせた。
大嶋はチェッカーに向けて必死に一貴を追うが、その背後には同じく素早いピット作業をみせたロッテラーが。大嶋は50周目まで懸命にこらえるも、ロッテラーが大嶋をパス。これでPETRONAS TOM'Sのワン・ツーとなった。
2番手に浮上したロッテラーは、濡れた路面で本領を発揮し、一気に首位一貴との差を詰めると、55周のレースの53周目、セクター3で一貴と激しい首位争いを展開! これを制したロッテラーが、予選8番手から見事な逆転勝利を飾ることとなった。2位は惜しくも敗れた一貴、3位は大嶋という結果に。4位には松田との接戦を制したデュバルとなった。上位はPETRONAS TOM'S、TeamLeMans/KYGNUS SUNOCO、TEAM IMPULが2台ずつ入る結果となっている。