DENSO KOBELCO SC430
第6戦富士、挽回見せるも不運でポイント獲得ならず

SUPER GT 第6戦富士レポート

2013 SUPER GT 第6戦「FUJI GT 300km RACE」(9/7-8)
富士スピードウェイ(1周4.563km)
入場者数:予選19,500名、決勝32,800名 合計52,300名

 9月8日(日)、タイトル争いへの生き残りをかけた第6戦「FUJI GT 300km RACE」の決勝が行われ、12番グリッドからスタートした石浦駆るDENSO KOBELCO SC430は、クルマの調子が戻り、周りよりも速いペースが可能な走りで11位走行中、7位集団の後方から前を激しく攻め立てた。21周目にSC導入で幸運にも前とのギャップが無くなり、23周を終えピットイン。

 このピット作業で素早く脇阪を送り出すと8位にジャンプアップを果たした。しかし、27周目の1コーナーでの36号車との接触による痛恨のドライブスルーペナルティにより11位に。その後10位に順位を上げ、ポイント獲得圏内走行中にクルマに違和感を覚えた脇阪が、残り2周で緊急ピットイン。左前輪のホイールが破損しておりスローパンクチャーを起こす不運。これによりポイント圏外となる11位フィニッシュとなった。

 不運にも順位を下げたDENSO KOBELCO SC430は、ドライバーポイント(合計37点)はそのままで、首位と9ポイント差のランキング8位に。チームポイントでは2点を獲得(計52点)し、首位と9ポイント差のランキング7位となった。次の第7戦は10月5日(土)・6日(日)に九州・阿蘇のオートポリスにて300kmで争われる。

 前戦鈴鹿ではアクシデントで9位となり、トップと5ポイント差のランキング5位となったDENSO KOBELCO SC430。シリーズは残り3戦。タイトル争いへの生き残りをかけた第6戦の舞台は富士スピードウェイ。まさに佳境に入ったチャンピオンシップ争いで、この富士で少なくとも表彰台を獲得しなければタイトル争いには生き残れない状況。

 予選方式はノックアウト方式(Q1・Q2)、決勝は約300km(66周)で争われ、ピットストップは1回。ウェイトハンディは74kgを搭載する。表彰台獲得には当然、予選上位グリッド獲得が必須となり、8月6~7日に行われた富士GTA公式テストでは総合トップタイムをマークしていることから大きな期待が寄せられている。各車ともウェイトハンディが重くなってきており重量差は少なく、僅差が予想される予選タイムの中で一歩抜け出せるかが重要なポイント。チームは虚心坦懐に平常心を以て今季初勝利を目指していった。

 7日(土)午前中の公式練習走行は、どんよりとした曇り空。気温26度/路面温度31度で蒸し暑さを感じるコンディションの中、9時からの混走セッションが開始。石浦からクルマのフィーリングを確認。クルマの状況はまずまずとのことで6周目に、まずは1分34秒101の3番手タイムを記録。足回りの調整を施しながらセッティングを詰めていった。15周目から別のタイヤを装着し石浦がアタック。19周目に1分33秒910と再び3番手タイムをマークする速さを見せた。

 21周目からは脇阪がドライブ。34秒台のまずまずのペースで周回を重ねアベレージタイムの確認を行った。その後の10分間のGT500単独セッションでは、脇阪がQ1アタックシミュレーションを行い、5周目に1分33秒612の6番計時。結果、公式練習走行では39周を走行。脇阪がマークした1分33秒612の6番手タイムでQ1への準備を終えた。

■Q1:脇阪が失意のQ1敗退
 7日(土)公式予選Q1は、気温26度/路面温度32度に。路面コンディションはラバーがのってグリップが上昇。各車重量を積んでバラバラのウェイトではあったが練習走行のタイムは非常に拮抗しており、ほんの僅かコンマ1秒の差で順位が変動する予選となった。上位を狙うにはQ1突破が必須。残り8分を切ったところでコースインした脇阪。場内が静まりかえるほどの緊張が張り詰めたタイムアタック合戦が始まった。

 入念にタイヤに熱を入れていった脇阪であったが、オーバーステア気味のクルマに3周目のセクター2・コカコーラコーナーで痛恨のハーフスピン。大事には至らずも、リズムに少し変化が起きてしまった。4周目は1分33秒695。チェッカー前にストレートを通過し、もう1ラップアタックを敢行した脇阪。セクタータイムを縮めてきて、1分33秒434をマーク。しかし、僅かコンマ2秒ほどの差で失意のQ1敗退となった。明日14時スタートの決勝は12番グリッドからの挽回を目指す。

■フリー走行
 8日(日)決勝日のフリー走行開始時は、朝から雨が降り続いており、気温23度/路面温度23度のウェットコンディション。ウェットタイヤの確認と決勝に備えてタイヤの皮むきが中心となった。石浦からドライブし調整を図りながら雨中でトップタイムを出すなど調子の良さを見せた。次に脇阪もサーキットサファリでバスがいなくなったフリーの時間帯で3番手タイムを出すなどクルマのパフォーマンスの良好さを見せた。公式練習走行とサファリで22周を走行、脇阪がサファリのフリーの時間帯にマークした1分45秒411で7番手となった。

■決勝スタート
第1スティント:石浦が速いペースで前を攻め立てる
 8日(日)14時決勝スタート時点は気温29度/路面温度35度。雨は止み曇り空ではあるが晴れ間も見え、蒸し暑いドライコンディションとなった。12番グリッドからスタートした石浦駆るDENSO KOBELCO SC430は、クルマの調子が回復しており、周りよりも速いペースが可能なパフォーマンス。23号車をパスして11位を走行。7位集団の後方から前を激しく攻め立てた。

 14周目の1コーナーでは8号車18号車を進入で抜くも勢い余ってオーバーラン。再び23号車にも抜かれたが次の周には抜き返す勢いのある走りを見せた。その後、前に詰まってもどかしい状況が続いたが、ストレートでのトラブル車両のため21周目にSC導入で幸運にも前とのギャップが無くなった。そして、SCの隊列が整いピットレーンオープンとなった23周を終え、11位で各車とともに一斉にピットインとなった。

第2スティント:脇阪がポイント圏内走行中にトラブルに見舞われる
 このピット作業で素早く脇阪を送り出すと3つポジションを上げる8位にジャンプアップを果たすチームワークを見せた。しかし、27周目の1コーナーでの36号車との接触。36号車がスピンアウト。脇阪もクルマにダメージを負ってしまった。

 そして、この接触による痛恨のドライブスルーペナルティにより11位にポジションダウン。その後10位に順位を上げ、ポイント獲得圏内を走行。だがクルマに違和感を覚えた脇阪が、残り2周で緊急ピットインに。左前輪のホイールが破損しておりスローパンクチャーを起こす不運。懸命な挽回を見せていたが、これによりポイント圏外となる11位フィニッシュとなった。

 ドライバーポイント(合計37点)はそのままで、首位と9ポイント差のランキング8位に。チームポイントでは2点を獲得(計52点)し、首位と9ポイント差のランキング7位となった。次の第7戦は10月5日(土)・6日(日)に九州・阿蘇のオートポリスにて300kmで争われる。

脇阪寿一
「SC導入でピット作業で8位にジャンプアップに成功。さあこれからという時に36号車と接触、ペナルティを科せられクルマにもダメージを負ってしまい、最後には大きな振動が出たので緊急ピットインとなりました。クルマは改善されて速いペースで挽回できる状態だっただけに残念な結果になってしまいました。ランキングトップとのポイント差は9点となってしまいましたが、残り2戦は最後まで諦めないで自分を奮い立たせて懸命に頑張りたいと思います。引き続きご声援のほどお願いいたします」

石浦宏明
「走り始めからクルマはまずまずで決勝までに更に速く仕上げることができて、その決勝でも周りよりも速く走れていました。SC導入でのジャンプアップの幸運と接触ペナルティ、ホイール破損の不運とが入り乱れた決勝なってしまい、ランキング的に厳しい結果になりました。しかし、オートポリスはウェイトも半減され、相性の良いサーキットでもあるので、次のオートポリスはとにかく気持ちを切り替えて勝利を目指すだけです」

大澤尚輔監督
「ランキングは厳しい状況に追いやられてしまいましたが、まだまだ諦めるのは早く、タイトルは狙える位置には残っていて、今は臥薪嘗胆、苦労は次の成功のためと思ってます。パフォーマンスは回復してきているので、残り2戦は連続表彰台を目指して精一杯の努力を惜しまず、力の限りを尽くします」

本日のレースクイーン

安西茉莉あんざいまり
2025年 / スーパーGT
R'Qs Racing Girls
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by auto sport : Hands in the Fight|0.25mmの戦い

    FORMATION LAP Produced by auto sport : Hands in the Fight|0.25mmの戦い

  • auto sport

    auto sport 2025年7月号 No.1609

    【特集】LE MANS 2025
    “史上最混戦”の俊足耐久プロト頂上決定戦

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円