スーパーGT第2戦富士は4日、110周の決勝レースが行われ、降雨やセーフティカー導入など荒れた展開の中、DENSO KOBELCO SC430が2004年以来の優勝を飾った。

 曇り空で、時折陽が射すコンディションだった決勝日の富士スピードウェイ。5万7000人というファンを集めたゴールデンウイークの一戦だったが、決勝スタート15分前ほどから小雨が降り始め、サーキットは少しずつウエットに。スタート直前ということもありタイヤを交換するチームはなく、セーフティカースタートが行われることとなった。

 セーフティカーラン1周目、まずはPETRONAS TOM'S SC430がピットに向かい、ウエットタイヤに交換。マネパ ランボルギーニ GT3、IWASAKI MODAクロコ apr R8などもピットに入り、隊列の最後尾に続くことになった。さらに、翌周にはARTA HSV-010やRacerbook Audi R8 LMS、R'Qs Vemac 350Rと1周目にピットを済ませたマシンをのぞく全車がピットへ! 40台近くが一斉にピット作業を行う今までにない展開となった。

 そして3周を終え、レースがスタート! ARTA HSV-010のラルフ・ファーマンはスリックタイヤということもあり、濡れた路面でズルズルと後退。GT300車両がスタート時点から前にいる展開で1周目は目まぐるしく順位が変動していく。

 いち早くウエットに交換したPETRONASはレースをリードしていくが、4周目にDENSO KOBELCO SC430が、翌周1コーナーではZENT CERUMO SC430がコースアウト、ARTA HSV-010もクラッシュを喫しリタイアするなど、大荒れの序盤戦となった。

 しかし、6周を過ぎたあたりからわずかに雨は舞っているものの、陽が射しはじるコンディションに。刻々とコンディションが変わる中、序盤はPETRONASの中嶋一貴がトップをキープ。ENEOS SUSTINA SC430の大嶋和也、そしてMOTUL AUTECH GT-Rの本山哲が3番手に浮上していく。さらに、ミシュランを装着したDENSO KOBELCO SC430とS Road REITO MOLA GT-Rがハイペースで追い上げていく。

 10周を過ぎると、今度はD'station ADVAN GT-R、ART TASTE PORSCHEを皮切りにスリックタイヤに再び交換していくマシンが。そんな中、トップを走るPETRONAS、そして3番手のMOTULは15周を終え同時にピットイン。ここでニスモのクルーが速さをみせ、本山を前で送り出す。アウトラップでは本山vs一貴のバトルが展開されるが、その後方から石浦宏明駆るDENSOが。3台で熱いバトルが展開された。これでトップは石浦のDENSO、次いでPETRONAS、MOTULと続く展開になる。一方で、スリックに交換するためのピットインを引っ張り、同時にドライバー交代も行ったのはカルソニックIMPUL GT-R、ウイダーHSV-010、ZENT CERUMO SC430、そしてRAYBRIG HSV-010。その中で、松田次生駆るカルソニックIMPUL GT-Rは好調なペースで、中盤には4番手に浮上。さらにRAYBRIGも2番手に上がっていく。

 DENSO、PETRONAS、MOTULの3台のタイミングと、ピットを引っ張った組の戦略に注目が集まった中盤戦だが、59周目、ストレートでティム・ベルグマイスターがドライブしていたART TASTE PORSCHEが突然姿勢を乱し、ピットロード出口外側のガードレールに激しくクラッシュ! 250km/h程度の状態で、運転席側からガードレールにヒットしたため、ベルグマイスター救出のためにセーフティカーが導入された。

 SC中に、カルソニックと2番手につけていたRAYBRIGがピットへ。残り45周を走りきる戦略で、燃料を満載にしてピットアウト。レースは68周目に再開され、カルソニック、RAYBRIGのピットインの間にトップに立った首位DENSOはリードを広げていく。一方でMOTUL、PETRONAS、4番手のKEIHIN HSV-010が3番手を争う。終盤に向けてこの4台はあと1回のピットインを残していたが、その中でも活きのいい走りをみせ、KEIHIN塚越が前をかわしていく。しかし、トップのDENSOは脇阪が絶妙のラインで塚越の先行は許さず。2台は83周を終えて同時にピットに入った。

 DENSO、KEIHINがピットを終えてみると、やはりトップに立っていたのは先にピットを終えていたカルソニック。2番手にはRAYBRIGという展開に。しかし終盤、2台の思惑をあざ笑うかのように上空から再び雨が落ち始める。トップのカルソニックIMPUL GT-Rはたまらずピットに向かい、これで首位にはRAYBRIGが立つが、滑りやすくなった路面に大きくペースを落としてしまう。

 これで、スリックでも“チョイ濡れ”ウエットで強さを発揮するミシュランを装着するDENSOの石浦が一気にRAYBRIGとの差を縮め、残り4周というところでDENSOが再びトップに浮上! 石浦は一気に伊沢との差を広げると、そのままトップでチェッカー! 昨年ポールを多数獲得しながらも勝利に結びつけられなかった石浦、そしてサード移籍以降初勝利となった寿一は歓喜の表情をみせた。そして、サードのスーパーGT勝利は2004年以来となった。

 2位は惜しくも2戦連続となったRAYBRIG HSV-010。しかし、この2位でランキングでも首位に浮上することに。3位はMOTUL AUTECH GT-Rとなった。終盤、ウエットに交換したカルソニックは5位でチェッカーを受けている。

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