2013 グランツーリスモD1GPシリーズ エビスサーキット
8月3日(土)シリーズ第3戦
川畑真人が単走・追走を制し、総合優勝!
8月4日(日)シリーズ第4戦
斎藤太吾が単走・追走を制し、総合優勝!
2013年8月3日(土)~4日(日)の2日間、エビスサーキット南コース(福島県二本松市)で「2013 グランツーリスモD1グランプリ第3・4戦エビスサーキット」が開催された。
3日(土)のD1GPシリーズ第3戦には、3,664人、翌4(日)の第4戦には4,041人の観衆で会場は賑わった。
3日(土)午前中に行われた第3戦単走決勝。迫力のある飛び出しとピットウォールぎりぎりまで攻めるダイナミックな走りを見せた斎藤太吾(PHAT FIVE・SUNOCO・SIS-WORKS)が、98.99の高得点で一時トップに立つも、その後、川畑真人(Team TOYOTIRES DRIFT with GP SPORTS)がスピードのある飛び出しと強烈な角度をつけたドリフトをみせ、斎藤の得点を上回る100.80点をマークし、優勝した。
また午後に行われた追走トーナメントでは、シリーズランキング首位の上野高広(TEAM VERTEX)が早々に敗退し、序盤から波乱を予感させる展開となった。この日、単走優勝した川畑は、すべての追走の対戦で先行からスタートするため、相手との距離をはかりなが
ら、余裕のある戦いを繰り広げ、レベルの高い走りを披露し、総合優勝を決めた。
翌4日(日)午前中の第4戦単走決勝。前日総合優勝した川畑真人(Team TOYO TIRES DRIFT with GP SPORTS)は、この日も好調で、1本目から高いスピードとキレのある動きで、100.09という高得点をマークしトップに立った。しかし、斎藤太吾(PHAT FIVE・SUNOCO・SIS-WORKS)がパワードリフトを披露し、川畑の得点を上回る100.59 をマークし、優勝した。
午後の追走トーナメントでは、決勝で斎藤太吾と織戸学(DRIVE M7 MAX ORIDO RACING)が対戦。ひときわ高いコーナリングスピードで相手を寄せつけず、勝ち上がってきた織戸に対し、斎藤は迫力とマシンコントロール、そしてスピードを兼ねそなえた走りを披露。1本目、先行の斎藤が素晴らしい走りを見せ、織戸は最終コーナーから距離を空けられていたが、ミスなく走り、五分の判定。続く2本目、後追いの斎藤がストレートからマシンを寄せ、織戸のドリフトに合わせきり斎藤が優勝を決めた。
~D1GPシリーズ第3戦~
【8月2日(金) 天候:曇り時々雨 路面:ウエット→ハーフウェット】
■予選
第3戦・第4戦は、東北のドリフトの聖地エビスサーキットでデュアルファイナルズにより開催された。
予選前の2回の練習走行のうち、1回目はドライ路面だったが、その後雨が降り、2回目からはウエット路面での走行となった。そしてA、B、Cと3グループに分けて行われる予選もウエット路面で開始された。
最初に走行したAグループは完全にウエットの状態だった。その中で、松井有紀夫(EXEDY R Magic D1 Racing)がスピードのある走りを見せて高得点をマークする。続くBグループでは、熊久保信重(BEAST EYE チームオレンジ with YUKE'S)、村上満(team MMM)、田中裕司(nichiei with 11 aside)、アーツー(nichiei エコバーン with FALKEN)、藤尾勉(GLIDEAUTO with Line up APP RACING)、らが高得点を獲得した。しかしこの時点ですでに雨は上がり、路面はドライ部分とウエット部分が混在する状態となった。さらにCグループは、路面の変化に合わせきれず、マシンのフラつきやドリフトのもどりが出るミスなどでなかなか得点を伸ばせない選手が続出し、予選通過を果たした選手は出なかった。
走行したグループによって運不運が大きく分かれる結果となった予選であったが、勢いのある飛び出しと1コーナーでの伸びを見せたAグループの松井が予選トップ通過を果たした。
【8月3日(土)天候:晴れ 路面:ドライ】
■単走決勝
前日の予選とは打って変わり、完全ドライ路面で行われた単走決勝。配点が多いのは最終コーナーから1コーナーにかけての区間だが、今年から導入された機械審査システムDOSSにおいては、コーナーの多いエビスサーキットのレイアウトでは、スピードや角度の不足、不要な挙動変化があれば確実に減点されるため、3コーナー以降の走りもこれまで以上に完成度の高い走りが求められた。
単走決勝も3グループに分かれて行われるが、まず最初のグループでは、1コーナーで大きな角度をつけ、全体的にも走りをまとめた熊久保信重(BEAST EYE チームオレンジwith YUKE'S)、が最高得点をマークしたが、その得点自体は96点台と、あまり高くはなかった。次のグループでは、シャルマンに乗る岩井照宣(H.D.O QS 信玄&RS Watanabe)が高いアベレージスピードと1コーナーの大きい角度で98点台の高得点を出すも、スピードのある飛び出しとメリハリのある角度を見せた佐久間達也(Team TOYO TIRESDRIFT with GP SPORTS)がその得点を上回る。
そして最終グループ。後半で多少ラインのミスがあったものの、迫力のある飛び出しとピットウォールぎりぎりまで攻めダイナミックな走りを見せた斎藤太吾(PHAT FIVE・SUNOCO・SIS-WORKS)が1本目に98.99の得点を出し、トップに立つ。しかし、川畑真人(Team TOYO TIRES DRIFT with GP SPORTS)は2本目に、スピードのある飛び出しから強烈な角度をつけて1コーナーに飛び込み、その先もスピードをキープして走りをまとめ、100点を超える得点で、斎藤を逆転して優勝した。
【川畑真人選手コメント】
走行前に、チームメイトの佐久間選手がいい走りをしたので、何を変えたのかチームに確認したところ、何も変えていなかったので自分にもチャンスがあると思いました。地元の間瀬サーキットで練習して、いいイメージを持ってレースに臨めたので、それが上手くハマったと思います。
1本目はかなり抑えて、ミスしないようにアウト・イン・アウトのライン重視という感じで行きました。2本目は、1本目にギクシャクしていた部分を修正して、メリハリをつけて走行できたので手応えがありました。やっぱり優勝すると気分がいいです。
■追走トーナメント(天候:晴れ 路面:ドライ)
ベスト16ではシリーズランキング首位の上野高広(TEAM VERTEX)が熊久保信重(BEAST EYE チームオレンジ with YUKE'S)に敗北。序盤からシリーズランキングの大変動を予感させる展開となった。
ベスト8では横井昌志(D-MAX)が今村陽一(nichiei エコバーン with FALKEN)を破る金星。また末永直登(YUKE'S チームオレンジ with BEAST EYE)と対戦した斎藤太吾(PHAT FIVE・SUNOCO・SIS-WORKS)は先行時にオーバーランにより敗退した。
ベスト4に勝ち上がったのは川畑真人(Team TOYO TIRES DRIFT with GP SPORTS)、横井、末永(直)、日比野哲也(Team UP GARAGE with DRoo-P)の4人。川畑は単走優勝しているため、すべての対戦で先行からスタートする。そこで先行では相手との距離をはかり、入れ替えた後追いでの攻めどころを決める戦い方をしていた。
準決勝の川畑vs横井は、川畑が1本目にハーフスピンをしたが、2本目は横井のマシンギリギリに寄せる追走で挽回。再戦ではお互いにインを差す好勝負を見せたが、川畑の食い込みが上回って勝った。準決勝もう一つのカード、末永(直)vs日比野は、1本目に日比野が綺麗に末永(直)についていき日比野にアドバンテージ。2本目は接触があり。日比野がスピンをしたが、両者にミスがあったということで判定は五分。これで日比野の勝ちとなった。
横井vs末永(直)の3位決定戦は見事な接近ドリフトの応酬で再々戦までもつれたが、それでも判定では決着がつかず、ルールにより先行時のDOSSの点差で末永(直)の勝ちとなった。
決勝は川畑vs日比野。1本目は両者いい走りで五分。2本目は川畑が近い距離で日比野のマシンに合わせアドバンテージを獲得し、優勝を飾った。これによって川畑がシリーズランキング首位に浮上し、末永(直)が同2位となった。
【川畑真人選手コメント】
追走はすべて先行スタートだったので、後追いでどこまで攻めるかという余裕ができるのでやりやすかったです。
シリーズはぶっちぎって勝ちます。最後にひっくり返して勝ち獲るとかではなくて、勝てるときに勝っていこうという気持ちなので、これからも攻めて行きたいです。
勝ち方にもこだわって、審査員の解説を聞かないとわからないような勝ち方ではなく、誰が見ても「勝ち」という明確な勝ち方を見せたいので、これからもキレのある走りを目指して行きたいです。
~D1GPシリーズ第4戦~
【8月3日(土) 天候:曇り 路面:ドライ】
■予選
エビス大会は2日連続で決勝を行うデュアルファイナルズのため、第4戦の予選は土曜日の第3戦決勝終了後に行われた。前日とは異なり完全にドライ路面で行われたこの予選では、本来の高いレベルでの争いが繰り広げられた。最終コーナーの脱出速度は高まり、1コーナーに飛び込んで来るマシンの勢いも増し、前日予選敗退だった廣田友和(GOODYEAR Racing with ST.GARAGE)、高山健司(TEAM MORI with GOODYEAR)、谷口信輝(HKS)らが次々と97点を超える高得点を獲得した。
一方、前日のクラッシュを修復して臨んだ野村謙(URAS BRIDE FALKEN DRIFT with BLITZ nichiei)は十分な練習ができなかったことから走りをまとめきれずに敗退。また前日マシントラブルで出走できなかった三木竜二(Guild AMW with LFW)は、この日も走行1本目にマシントラブルが発生し、まともに走れないままリタイヤとなった。さらに、手塚強(GOODYEAR Racing BNR34 with Bee★R)も得点が伸びず、前日に続き2戦連続で予選敗退となった。
また前日の第3戦予選を突破した選手たちは、この日ことごとく苦戦していた。熊久保信重(BEAST EYE チームオレンジ with YUKE'S)は得点が伸びず、松井有紀夫(EXEDY R Magic D1 Racing)もエンジン不調のため本来の走りができなかった。第3戦の予選を通過した8名のうち、第4戦予選を突破できたのはエマニエル アマンディオ(WEDRIFTEAM)だけとなった。
そうした中で、スピードもあり、姿勢の安定化も高い走りで、唯一の98点台を獲得した廣田が予選トップ通過を果たした。
【8月4日(日)天候:晴れ 路面:ドライ】
■単走決勝
3グループに分かれて行われる単走決勝だが、この日、小橋正典(YUKE'S チームオレンジ with BEAST EYE)は、スピードと安定感のあるきれいな走りで97点台の高得点をマークし、最初のグループの中でトップに立った。次のグループでは、末永正雄(RE 雨宮 SUNOCO with YOKOHAMA)が、高いスピードの飛び出しから、一気に大きな角度をつけて1コーナーに飛び込む走りで99.12という得点を出し、トップを奪取。
一方、前日準優勝した日比野哲也(Team UP GARAGE with DRoo-P)は、最終コーナーの飛び出しの得点こそよかったものの、その後の得点が伸びずに敗退となってしまった。そして最後のグループでは、本来のリズムで走れなかった古口美範(Team BOSS ENDLESS with FALKEN)、ラインのズレなどが出てしまった高橋邦明(GOODYEAR Racing with Kunny'z)の得点が伸び悩み、追走トーナメント進出を逃してしまう。
前日単走優勝の川畑真人(Team TOYO TIRES DRIFT with GP SPORTS)は、この日も好調で、1本目から高いスピードとキレのある動きで、いきなり100.09という高得点をマークしトップに立った。
続く2本目、1本目で2位につけていた斎藤太吾(PHAT FIVE・SUNOCO・SIS-WORKS)はものすごい勢いで最終コーナーを飛び出し、ストレートに飛び出てきたところで角度がつきすぎてしまうも、パワーにものをいわせてそのまま1 コーナーまで飛ばし、その後はラインやスピードも文句なしの走りにまとめて100.59をマークし、川畑の得点を上回った。
その後だれも斎藤の得点を超えることができないまま、2本目最後の走者である川畑が登場。1本目を上回る走りを目指した川畑だったが、最終コーナーを飛び出たところで角度がつきすぎてしまう。川畑のマシンのパワーやギヤ比ではそこからドリフトを伸ばすことが難しく、無理やり審査席前まで飛ばすリズムの悪い走りとなってしまい得点が伸びなかった。これにより斎藤の単走優勝が決まった。
【斎藤太吾選手コメント】
昨日は、本番直前にデフが壊れて使うギヤが変わり、結果もイマイチでしたが、今日は練習して合わせられたので、単走優勝を狙っていました。1本目はあまり狙わないで行ったのですが、壁に寄りすぎてフラついたので、得点は伸びませんでした。2本目は修正できたので、バッチリ決まりました。予定より角度がつきすぎましたが、そのままパワーで強引に押し切った感じです。
■追走トーナメント(天候:晴れ 路面:ドライ)
ベスト16では、シリーズランキング4位の横井昌志(D-MAX)が後追いでスピンをし、エマニエル アマンディオ(WEDRIFTEAM)に敗北。また今村陽一(nichiei エコバーンwith FALKEN)がピットウォールにクラッシュして松川和也(Team UP GARAGE with DRoo-P)に敗れるという波乱があった
続くベスト8、アマンディオは末永正雄(RE 雨宮 SUNOCO with YOKOHAMA)にもスピードで上回ってベスト4に進出。また総合優勝の川畑真人(Team TOYO TIRES DRIFT with GP SPORTS)は、エンジンが吹けなくなる症状が出て大きくラインを乱し、織戸学(DRIVE M7 MAX ORIDO RACING)に敗れた。
ベスト4に進出したのは、斎藤太吾(PHAT FIVE・SUNOCO・SIS-WORKS)、アマンディオ、織戸、末永直登(YUKE'S チームオレンジ with BEAST EYE)の4人。まずは斎藤とアマンディオが対戦。アマンディオのマシンはもともと斎藤が製作したもので、似たような迫力系スタイルの対決となった。アマンディオはノーミスのいい走りであったが、斎藤の方がよりマシンへ接近した走りを見せたため、斎藤が決勝へコマを進めた。また織戸vs末永(直)の対戦は、お互いに相手との距離を詰める走りで再戦にもつれこむ。その1本目、後追いの末永(直)が最終コーナーで織戸に接近しすぎ、行き場を失ってウォールに接触、織戸が決勝へ勝ち上がった。
決勝は斎藤vs織戸。ここまで織戸はひときわ高いコーナリングスピードで相手を寄せつけず、勝ち上がってきた。一方、斎藤はいつも通りの迫力とマシンコントロール、そしてスピードを兼ねそなえた走りを披露していた。1本目、先行の斎藤が素晴らしい走りをみせ、織戸は最終コーナーから距離を空けられていたが、ミスなく走り、五分の判定。続く2本目では、後追いの斎藤がストレートからマシンを寄せ、織戸のドリフトに合わせきり、斎藤が優勝を決めた。
【斎藤太吾選手コメント】
今日はクルマの調子もよくて自分自身もミスなく走れました。決勝の織戸選手との対戦は、勝ち負け抜きで、とても楽しめたのでいい大会となりました。やっぱり2日目に勝つと気持ちよく帰れるので、いいですね。