DENSO KOBELCO RC F
第3戦オートポリス、攻め続けるも艱難辛苦の11位フィニッシュ

2014 SUPER GT 第3戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」(5/31-6/1)
オートポリス(1周4.674km)

入場者数:予選13,800名、決勝24,400名 合計38,200名
 6月1日(日)真夏のような暑さとなったSUPER GT第3戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」の決勝が行われ、12番グリッドからの巻き返しを狙って粉骨砕身に臨んだDENSO KOBELCO SARD RC Fは、スタートを担当したオリバーが順位を上げ好ペースでラップを重ねていたが10周目にヘアピンで追突されスピン。その後マシンに不具合も起きてしまい27周でピットイン。交代した石浦は最後尾で不具合を抱えたマシンながらも諦めずに前を追いかけた。そして、セーフティカー導入のタイミングで挽回を期してタイヤを新品に交換。周りよりも早いペースで前を追いかけたが、挽回叶わず艱難辛苦の11位フィニッシュとなった。

 最後まで諦めずに攻め続けたDENSO KOBELCO SARD RC F。ドライバーポイントは獲得ならず(計13点)、チームポイントでは2点を獲得(計21点)し、いずれもランキング7位に後退となった。鈴鹿GTA公式テストを6月27日(金)・28日(土)をこなした後の次の第4戦は、7月19日(土)・20日(日)にスポーツランドSUGOにて開催される。

公式練習走行
 今季2戦を終了し、現在シリーズランキング5位につけるDENSO KOBELCO SARD RC F。富士で苦しみながらも貴重なポイントを獲得し、戦い振りには底力が漲っている。秋から初夏の開催に移ったオートポリスが第3戦の舞台。阿蘇外輪山の北方に位置するオートポリスは標高900m、高低差52mのマウンテンコースで、ダイナミックでテクニカルなレイアウト。今回、ここで大量得点を得てシリーズ上位陣に食らいついていきたいところ。公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で、決勝は約2時間の300kmで争われ、ピットストップは1回。ウェイトハンディは現獲得ポイントの倍の数値となる26kgを搭載する。

 4月下旬に当地で行われたタイヤメーカーテストではコースレコードを3秒以上も上回る1分34秒台に突入。このテストには規定された台数制限によって参加できなかったDENSO KOBELCO SARD RC Fであるが準備は万端に整えてあり、チーム一同、並々ならぬ闘志を胸に、粉骨砕身に目標に向かってひたすら前に進むことを誓って勝利を狙っていった。

 31日(土)午前中の公式練習走行は、気温27度/路面温度35度と朝から気温が高く真夏日に。9時から混走セッションが始まり、開始7分ほど過ぎて路面のダストが捌けた頃に石浦がクルマの持ち込みセットの確認でコースイン。僅かに思うようなフィーリングではなくセット調整を9周ほど行った。その後、ここオートポリスにてF3時代にポールを獲得したこともあるオリバーがユーズドタイヤでクルマのフィーリングを12周ほど確認した。次に石浦が別のタイヤに履き替え、再度ドライブしてクルマを確認するも3ラップ目にヘアピン入口にて挙動が安定せずオーバーシュート。タイヤにダメージはなく、さらにクルマの調整を9周ほど進めた。そして31周目から再度オリバーがニュータイヤでドライブ。1分37秒914の9番手タイムをマークして混走セッションを終えた。10分間のGT500単独セッションでは、オリバーがQ1アタックシミュレーションを行ったが、3周目にターン14の右コーナーでコースオフ。バリアにヒットしてしまったがカウルを少々破損した程度で事なきを得た。

公式予選
■Q1:石浦が不運の赤旗によりQ2進出ならず
 31日(土)公式予選Q1は気温30度/路面温度47度と、暑さ厳しい真夏の様な日差しが路面を照りつけた。カウルの破損箇所の修復や不具合箇所の洗い出しなどで時間いっぱいまでメンテナンスを行い、Q1スタート後に作業が完了するというギリギリのタイミングでコースインとなってしまった。ステアリングを握った石浦は正にぶっつけのタイムアタックを強いられたが、アタックラップは上位でセクタータイムを刻んできており、好タイムが期待された。

 気合い十分に乗り込んだ石浦は期待に応える闘志溢れる走りを見せた。だが、もうあと少しのでフィニッシュラインを通過というタイミングで何とコースオフ車両が出たため赤旗中断。この周のベストタイムが抹消されてしまう不運となってしまった。残り3分間としてQ1が再開され、再びアタックを試みたが既にピークは過ぎてしまったのかタイムアップならず。決勝は、無念の12番グリッドからのスタートとなった。

決勝
■フリー走行
 1日(日)決勝日のフリー走行開始時は、気温26度/路面温度31度の快晴。決勝日も非常に暑い日になるとの予想で、強い日差しによって路面温度が上昇していく中、スタートドライバーのオリバーがコースイン。アンダーステア傾向とクルマを評価した。8周目からは石浦がステアリングを握り、決勝用タイヤのスクラブなど9周を走行した。インターバルの間にさらに調整を行い、サファリのフリーとなった時間帯に石浦が1分38秒732の3番手タイムをマーク。その後もペース良く走行した。公式練習走行とサファリでトータル24周を走行。クルマの修正が良い方向に進んだことを確認して決勝への準備を終えた。

■決勝スタート
第1スティント:オリバーがアクシデントとトラブルに見舞われる
 1日(日)14時決勝スタート時点は気温28度/路面温度43度の薄曇りで、予選日よりも若干温度が低くなったものの湿気が高くなった。12番グリッドからの巻き返しを狙って粉骨砕身に臨んだDENSO KOBELCO SARD RC Fは、スタートを担当したオリバーがオープニングラップで11位に順位を上げ、好ペースでラップを重ねていった。だが300クラスの周回遅れが絡んできた頃の10周目にヘアピンで19号車に追突されスピン。コースとは逆向きに止まってしまい、大きくタイムロスを喫してしまう。ボディを破損したが大きな影響は出ず、その後の走行を続けられたのは幸いとなった。だがその後、21周目頃から燃圧低下のアラームが点灯、燃料がこなくなる症状が発生し、ペースダウンを余儀なくされてしまう。アクシデントとともにマシンに不具合も起きてしまい、27周を終えオリバーをピットインさせた。

第2スティント:石浦が艱難辛苦の戦いで11位に
 トラブル対応のため燃料を余計に給油したためピットイン時間は長くなってしまい、最後尾となった石浦は不具合を抱えたマシンながらも諦めずに前を追いかけた。前を行く32号車を射程に捉えて走行中、300クラスの車両が1コーナーで激しくクラッシュ。セーフティカー(SC)導入となり前とのギャップが少なくなった。このタイミングで挽回を期してタイヤを新品に交換。トラブルの症状はまだあったため、再び満タン給油。SC中に隊列に戻りロスを最小限にした。

 SC退去後は周りよりも1~2秒も速いペースで、最後まで何が起こるかわからない状況の中で攻めていった。だが結果、挽回叶わず艱難辛苦の戦いで12位でゴール。ペナルティ車両があったため11位フィニッシュとなった。

 最後まで諦めずに攻め続けたDENSO KOBELCO SARD RC F。ドライバーポイントは獲得ならず(計13点)、チームポイントでは2点を獲得(計21点)し、いずれもランキング7位に後退となった。鈴鹿GTA公式テストを6月27日(金)・28日(土)をこなした後の次の第4戦は、7月19日(土)・20日(日)にスポーツランドSUGOにて開催される。

石浦宏明
「週末を通じて復調の兆しが出てきたところで、赤旗や接触、マシントラブルと不運が重なってしまい、このレースウィークは流れが良くありませんでした。チームは一生懸命状況を改善しようと頑張ってくれたし、富士からの突然の不調に対して全員が出来ることは何でもやってみようと取り組みました。しかし改善方向の流れが断ち切れてしまう感じでした。決勝中のアクシデントとトラブルは予期できる種類のものではなく、チームにも責任はありません。不調を脱するためにはチーム全員でハードワークが必要ですが、この試練を乗り越えたいと思います。引き続きご声援のほどお願いいたします」

オリバー・ジャービス
「走り出しから比べて決勝ではクルマはフィーリングに戻ってきていて、スタートしてから1つ順位を上げて前について行けたし割りと良い感じで走れていた。だけどヘアピンで追突されてしまってスピンでロスして、さらに燃料がこない症状が出てしまった。本当にどうすることもできないアンラッキーが続いて、タフなレースになってしまった。次のSUGOに向けて気持ちをリセットしてチャレンジを続けていくよ。速さは戻りつつあるので、ファンのみんなには次を楽しみにしていて欲しい」

大澤尚輔監督
「最初にドライバーが大満足できるクルマに仕上げられずに時間を費やして、その後、チームではどうしようもない負の連鎖が続いてしまいました。ただチームとしては最後まで出来る限りの事をしようと頑張ってファイティングポーズだけは取り続け攻め続けたのは今後の戦いのうえでは頼もしい限り。鈴鹿GTA公式テストまで時間があるので徹底的にデータを解析してドライバーに最高のクルマを準備できるように努めていきたいと思います。引き続き、ご声援のほどよろしくお願いいたします」

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