LEXUS Team LeMans ENEOS
RACE REPORT-2012/11/19
SUPER GT 2012 series
JAF GP – FUJI SPRINT CUP
11月17日(土)予選 / 11月18日(日)決勝
今年で3年目の開催となるJAFグランプリ「富士スプリントカップ」が、今年も富士スピードウェイ(静岡県)で開催された。シリーズ戦では2人1組で1台のマシンに交代で乗車するところ、このJAFグランプリはそれぞれのドライバーが第1、第2と分かれた各レースを受け持ち、交代は行われない。そしてクラス別でレースが行われるため、300クラスとの混走がない。単純に「速い車が勝つ」という、とてもシンプルな短距離レースが展開される。またSUPER GTのマシンでスタンディングスタートが見られるのも、このレースならではである。
11月16日(金)、第1レース、第2レースともに予選が行われた。天候は晴れ。14:35より第1レースに出走する大嶋の20分間の予選が開始。気温16℃、路面温度19℃。大嶋はセッションが開始されると間もなくコースイン。まずは1セット目のニュータイヤでアタックを行い、暫定トップを獲得。一度ピットに戻ってニュータイヤに交換し、2度目のアタックでも依然トップを譲らず、1ʼ30.734でポールポジション獲得を決めた。第2レースに出走する伊藤の予選は15:40からの20分間。開始時の気温13℃、路面温度14℃。伊藤もセッション開始と同時にコースインしタイムアタック、そして2セット目のニュータイヤに交換して最終アタックという大嶋同様の流れで予選を進めたが、1ʼ31.184で6番手で予選を終えた。
11月17日(土)、この日行われたのは第1レース。一日を通して雨となったが、特に午後になり雨量を増す中、15:15にオンタイムでフォーメーションラップが開始。一周ののち再びグリッドにつき、大嶋は先頭からシグナルブラックアウトでスタート。後方から上手いスタートを決めたマシンに先行され、2番手で2周目に突入。この時パスされたマシンにはジャンプスタートのペナルティが出されるが、ペースを上げられない大嶋は3周目に後ろの2台に最終コーナー手前で立て続けにパスされてしまい3番手に後退。その後も4番手のマシンがすぐ後ろに迫るが、大嶋はコーナーごとにしっかりと後車をブロック。3番手を死守しながら徐々に水を増す路面で注意深く周回を重ねていく。9周目でとうとうコンディションの悪化を理由にセーフティーカーが出動。11周までセーフティーカー先導での周回が続いたが、天気の好転は見込めずレースは赤旗中断、そしてこの赤旗をもってレース終了となり、ひどい雨の中持ちこたえた大嶋は3位表彰台を獲得した。
11月18日(日)、天候は回復し、青空の下で迎えた第2レースは15:35にフォーメーションラップ開始。気温13℃、路面温度14℃のドライコンディション。6番手スタートの伊藤はスタンディングスタートを上手く決めたものの、コーナーごとに中盤の集団に行く手を阻まれているうちに後ろのマシンに先行され、1周を終えて8番手に後退。前方のマシン2台に対してペナルティとオレンジディスクが出され2台が相次いでポジションを下げるが、6周目で後ろのマシン1台にパスされ、ポジションは7番手と1つ上げるに留まる。14周目にトラブルのためペースダウンしたマシンをパスし、6番手に浮上。その後はほぼ等間隔での周回が続き、6位でチェッカーを受けた。
⇒黒澤琢弥 監督のコメント:
「車の仕上がりが今回もすごく良くて、1回目の予選は大嶋が見事今季初のポールを獲得しましたが、2回目の予選では気温がぐっと下がって、大輔は使用したタイヤ2セットとも低温用のものを使用したものの思ったようにタイヤが温まらなかったようで6番手で終わりました。土曜の第1レースは雨で気温も下がり、厳しいレースになりそうだという不安がある中でスタートしました。スタート時は雨量が大変多く、ひどい路面の中大嶋も水に足をすくわれてポジションを下げはしましたが頑張って耐えてくれ、貴重な3位表彰台を獲得できました。第2レースは晴天でしたが、レース中に気温が一気に下がったことで、選んだタイヤとコンディションが合わなくなりペースが上げられず、結果的にはポジションキープの6位でしたが、課題が見えたレースだったと思います。1年間通して振り返ると車のバランス、マシンの戦闘力については常に高いところにいたとは思いますが、速さ以外の何かで足りない部分があり、その部分をこのシーズンオフにきちんと煮詰めることで来年のシリーズチャンピオン獲得に向けて期待が持てると思います。ご声援ありがとうございました。」
⇒伊藤大輔のコメント:
「最終的には6位で終えることになりました。一年ぶりのスタンディングスタートでしたが、まずまずのスタートを切れたと思います。ただ前方に車が並んでいる中で行き場を失ってしまい、それ以上ポジションを上げることができませんでした。序盤からリアのグリップ不足に悩まされ、ペースが上がらない状況の中でポジションを落としてしまう場面もありましたが、落ち着いてからはまずまずのペースで走れたと思います。本当はもっと前でゴールしたかったですが、今年一年チームの皆が頑張って仕上げてくれた車とともに最後まで走り切ることができて、とりあえずは良かったかなと思っています。今年一年間応援ありがとうございました。」
⇒大嶋和也のコメント:
「フリー走行から調子は良くて、予選も行けるだろうという手応えを感じました。予選には若干のアジャストを加えて臨みましたが、思った通りものすごく調子が良くて、コースレコード更新にポールポジション獲得と、ドライコンディションでは完璧な状況でした。しかし決勝は打って変わって雨、しかも土砂降りという状況の中、かなりの雨量でSC勢は苦戦しました。他メーカーのマシンはすごく速かったので、抑え切ることもできなかったのですが、それでも何とか3位でこらえ切れたので、自分としては頑張れたかなと思います。勝てなかったことは悔しいですが、シーズンの最後のレースを表彰台で締めくくれたことで、最低限の仕事はできたのかなと思います。ここからまた来年に向けてもっともっと強くなっていけるように頑張りたいと思います。」
11月17日(土)予選 / 11月18日(日)決勝
◆観客動員数
(金曜) 8,000人(土曜)19,000人(日曜)41,300人