NO.55
2011年8月12日
富士スピードウェイ株式会社
60台のハイブリッドカーがレーシングコースを完走!
“Eco Car Cup 2011"~夏~ 開催結果
富士スピードウェイは8月7日(日)に、市販ハイブリッドカーによるオリジナルレースイベント“Eco CarCup 2011"~夏~を、初となるレーシングコースを舞台に開催しました。
“初心者からレーシングドライバーまで幅広い層を対象に、ハイブリッドカーの特性を活かしつつ、「燃費」と「速さ」の双方を追求しながら、サーキットを「安全に」かつ「楽しく」走り、クルマ本来の楽しさを体感する"ことをコンセプトに4回目を迎える今大会には、福島県~広島県から、また、サーキット走行は初めてという方から現役のスーパーGTドライバーまで、計60チーム(200名以上)が参加しました。
参戦車両もトヨタプリウス、ホンダインサイト、CR-Zや新発売されたトヨタプリウスα、レクサスCT200hに加え、ラインアップに追加されたハイブリッドカーを対象に新設した「アシストクラス」には、レクサスLS600hやシビックハイブリッド、BMWアクティブハイブリッドⅩ6が登場し、これまでにない多彩な顔ぶれとなりました。
ラリー同様、ドライバーとナビゲーターが同乗するルールは従来大会と同様ですが、初のレーシングコース戦となった今大会の特徴は、大会事務局が事前にシミュレーションを行い、(1)最低周回数31周、(2)1周の最速ラップタイムは3分15秒を越えてはならない(うち2周は制限なし)、(3)3回以上のピットインを義務付けたことで、さらに場内FMラジオを使用しドライバーやナビゲーターに加え、応援者や観戦者もレース状況を把握できるようにしました。
大会は途中降雨もありましたが、全車無事に2時間の耐久レースを終え、表彰式後には応援者も同乗してレーシングコースを走行できるファミリー体験走行を楽しんでいました。
次回は11月6日(日)にショートサーキットにおいて“Eco Car Cup 2011"~秋~を開催します。
主催 富士スピードウェイ株式会社
協賛 トヨタ自動車株式会社、横浜ゴム株式会社、コカ・コーラセントラルジャパン株式会社、株式会社ブリヂストン、トタル・ルブリカンツ・ジャパン株式会社、住友ゴム工業株式会社、御殿場農業協同組合
協力 ムーンクラフト株式会社、有限会社トラス
1.参加受付~練習走行兼タイムアタック(予選)
参加受付、車両確認を終えた参加者はドライバーズミーティングに出席し、練習走行兼タイムアタック(予選)の走行ルールを最終確認し、2グループに分かれて予選が行われました。このステージは燃費に関係なくラップタイムで2時間耐久(決勝)レースグリッドが決定するため、全開で走るチームもあれば燃費計測のためにエコ運転に集中するチームもあるなど各チームとも作戦に基づいた走行に徹していました。今大会はピット内の計時モニターで戦況がタイムリーに把握できるため、各チームともモニターを睨みながら自チームのポジションを窺っていました。
最終的にはFISCO ライセンス所有者でレーシングコースを熟知しているチーム優伸(レクサスLS600h:アシストクラス/2'17.665)が予選1位を獲得し、2位にはTeam BMW COMPLETE(アシストクラス:BMWアクティブハイブリッドⅩ6/2'18.644))、3位にREVSPEED(SHVクラス:CR-Z)、4位にホリデーオート(CR-Z:同EXPクラス)、5位にCARトップ(CR-Z:同ノーマルクラス)と、2位~5位まではレース経験のあるライターを起用した自動車専門誌チームが入賞する結果となりました。
2.給油セッション(1回目)~決勝前ミーティング
予選後の給油セッションは場内の指定ガソリンスタンドで全車満タン給油を実施しました。指定時間内にパドックに戻らなければならない点、給油直後からすでに燃費競争がスタートしている点から、予選時とはうって変わって、各チームとも慎重な走りを心がけていました。給油セッション後に行われた決勝前ミーティングでは全チームの予選結果が発表となり、自チームの決勝グリッドポジションを確認するとともに、2時間耐久(決勝)レースの走行ルールについて真剣に質問する参加者の姿が見られました。
3.2時間耐久レース(決勝レース)
そしていよいよ午後12時に、全60台がスターティンググリッドに整列し、「速さ」と「燃費」の双方の両立が問われる2時間耐久レースがスターとしました。チームごとに作戦が分かれ、序盤にピットイン義務を消化したり、優勝候補の由良拓也氏率いるチーム neo(プリウスEXP クラス)の後ろに付けて長い隊列ができるなど、本大会ならではの珍しい光景が各所で繰り広げられました。
スタートから1時間を経過した頃には雨が降ったり止んだりとチームの作戦にも影響が出始め、走行ペースや燃費計算などの修正を強いられるなど、チーム総合力がさらに問われる難しいレース展開となりました。そんなコンディションの中、トップチェッカーを受けたのはポールトゥウインを果たしたチーム優伸(レクサスLS600h:アシストクラス)で、2位はホリデーオート(CR-Z:同EXPクラス)、3位はKUMOIMOTORS(プリウスEXP クラス)が獲得する結果となりました。また、参加した60台全てが無事完走を果たすことができました。
4.給油セッション(2回目)
レースの結果だけでは勝負がつかないのが本大会の特徴で、チェッカー後には全車燃費計測のため2回目の満タン給油を順次実施しました。この給油によって大逆転が起こることから、場内の指定ガソリンスタンドでは給油計測器を凝視する姿が見られました。しかし、60台全車の詳細は把握できないため、レース順位と燃料給油量のポイント集計結果が大会事務局から発表されるまでは各チームとも自チームのポジションが全く分からない状況であり、表彰式を待つしかないところも本大会の醍醐味のひとつです。この間、パドックではお互いの健闘を讃えあう姿が見られたり、事務局からバーベキューや焼きそば、かき氷などが振舞われるなど、2時間の耐久を戦った参加者はしばし憩いの時を過ごしていました。
5.表彰式(最終結果発表) ※詳細はhttp://www.japan-racing.jp/fsw/11/110807_hv.htm ご参照
表彰式での最終結果発表の前に、今大会に参加したレーシングカーデザイナーの由良拓也氏やスーパーGT ドライバーの新田守男選手、田中哲也選手、そして自動車専門誌を中心とするメディアの8チームに感想をお聞きしました。
「戦略どおりに走れました」、「本当に楽しく1日がアッという間でした」、「クルマ好きの方やモータースポーツファンの裾野を広げるキッカケになるイベントですね」、「今回の悔しさを次回に繋げたいです」、「ルールブックをしっかり読んでおくべきでした」などなど、様々なご意見をいただきました。富士スピードウェイ社長の加藤裕明から感謝の挨拶後、大会事務局が特別賞を発表し、「被災地の福島県から参加の熱血チーム」、「家族総出の参加により、レースの新しい楽しみ方の見本となった」などの理由から特徴的な6チームを表彰しました。
引き続き、クラス別表彰を行い、1台のみ参加のクラスから20台が凌ぎを削ったプリウス30クラスまで合計13クラスごとに表彰を行いました。
最後に総合表彰を発表し、初のレーシングコース戦を制したのは童夢レーシングチーム(SHV クラス)で、レース順位5位(55ポイント)、燃費順位18位(42ポイント)ながらペナルティーもなく計97ポイントを獲得し、速さと燃費を両立させるとともに減点もない総合力を証明しました。
総合2位にはTeam Tama from PRIUSな日々SNSチーム(プリウス20 クラス)と、新田守男選手率いるaprチーム(プリウスEXP クラス)が同ポイントで獲得しました。大会初参加の田中哲也選手から、「スーパーGTより難しいですね。次回は新田選手に勝てるように頑張ります!」と、プロでも勝てない奥深さと楽しさを感じていただいたコメントを披露いただきました。
参加全チームには表彰楯を贈呈したほか、入賞チームには協賛各社からの副賞が贈られました。