スーパーGTシリーズをプロモートするGTアソシエイション(GTA)は11日、これまで計画が進められてきた『GT300マザーシャシー』について、「主要部分の開発・供給の見通しがついた」ことから、車両概要と暫定技術規則が公開された。

 日本独自のレギュレーションで、前身の全日本GT選手権以来20年に渡って開催されてきたスーパーGT。主にプライベーターの活躍の場であるGT300クラスでは、シリーズ初期はチューニングメーカー等による国産車とフェラーリ、ポルシェなどが争う構図があったが、近年はGT300クラスに参戦する適当なベース車が国産車には少なく、ヨーロッパを中心に流行しているFIA-GT3規定車両を導入してからはGT3車が増加。現在国産車をベースとするJAF-GT規定車両は、20台強の台数の中で4台のみとなっている。

 そんな状況の中でGTAは、単にコンプリートレーシングカーとして販売されているGT3を走らせるだけではなく、車両の製作や国産部品の活用、チューニングなど日本の技術を継承、発展させていくことが今後の日本のモータースポーツ界には必要不可欠として、ベースとなる汎用シャシーを開発、それを『マザーシャシー』としてエントラントに供給できないかを検討してきた。

 このマザーシャシー計画については、童夢の林みのる前社長が進める『ISAKU PROJECT』用に開発されたCFRPモノコックを、GTAから販売。基本車両の資格は“GTAが認めた車両”で、公道走行用に適合した市販車両が対象となっている。

 同時に発表された暫定の技術規則によれば、このマザーシャシーを使ったマシンを、従来のJAF-GT300車両規則とは改造内容や対象車両を明確にするため分離。従来のJAF-GT規定は残し、新たに『JAF-GT300 MC(仮称)』という技術規則が追加され、14年はGTA内規として運用される。

 技術規則概要を見ると、既存のJAF-GT300規定とは異なる部分もある。全長等車体寸法は、ホイールベースをのぞき現行JAF-GTと同じだが、現行JAF-GT規定では基本車両のホイールベースが2,600mm以下の車両は最大5%まで延長することができるものの、JAF-GT300 MCの場合は2,750mm±10mmに統一される。

 また、現行JAF-GT規定ではホンダCR-Zやトヨタ・プリウスのようにエンジン搭載位置の変更ができるが、JAF-GT300 MCではベース車両からの搭載位置は変更不可。FRがベース車ならばフロントにエンジンがなければならない。エンジンについては、『GTAによって認められたエンジン』を搭載可能。ただし、運動エネルギー回生システム、四輪駆動は禁止された。燃料タンクは、JAF-GTでは規定に沿っていれば形状は自由だが、JAF-GT300 MCではGTA指定の安全燃料タンクの装着が義務となる。

 その他にもGTA指定共通部品があり、モノコックをはじめロールケージ、フラットボトム、ディフューザー、クラッシャブルストラクチャー(FR)、エンジンオイルタンク等は共通。重量は現在1100kgまたは1050kgとされており、現行よりも軽量化が検討されているという。

 GTA坂東正明代表によれば、JAF-GT300 MCは2〜3台の参戦計画があり、このほかにミッドシップ車でのマザーシャシー仕様の検討があるという。また、来季スーパーGTには韓国でのレース開催予定があるが、このレースに参戦を希望するチームが、この規定を使ったヒュンダイ・ジェネシスの製作計画があるとのこと。タイでも購入計画があるようだ。

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