IRL開幕戦セント・ピータースバーグの決勝が5日に市街地コースで行われ、ライアン・ブリスコー(ペンスキー)が終盤に逆転し優勝した。武藤英紀(AGR)はアクシデントに見舞われ無念のリタイアとなった。
2009年シーズンの開幕にふさわしく、素晴らしい青空が広がった決勝日。気温28度、路面温度53度という暑さの中、22台による2009年シーズン最初のレースがスタートした。
そのスタートで、ポールスタートのグラハム・レイホール(NHR)とトニー・カナーン(AGR)がいきなり接触。2台はピットインし、最後尾まで順位を落とす波乱の幕開けとなった。代わって2番手からスタートしたジャスティン・ウイルソン(デイル・コイン)がトップに立ち、レース序盤をリードしていった。
レースは中盤以降、クラッシュや接触が続出する荒れた展開に。33周目、ダニカ・パトリック(AGR)とルーキーのラファエル・マトス(ルーソ・ドラゴン)がターン11で激しく接触するクラッシュが発生。昨年のシリーズ王者スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)はターン1で武藤と接触し、その後タイヤバリアに激突してレースを終えた。その武藤は、終盤のピット作戦がうまくいきトップ10圏内にポジションアップしたものの、87周目にタイヤバリアに突っ込んだダン・ウェルドン(パンサー)を避けきれず追突。「避けようがなかった。それまではすごくいい調子だったのですが……」と武藤。2台はそのままリタイアとなってしまった。
トップ争いは、ディクソンのアクシデント後に再開された86周目のリスタートでウイルソンを抜いたブリスコーが、そのまま100周目のチェッカーまで走り切り優勝。開幕戦を制した。「リスタートではジャスティンをうまく抜けた。シーズン最初のレースで優勝なんて最高だね!」と笑顔のブリスコー。念願のタイトル獲得へ向け、幸先の良いスタートとなった。
2位には、残り13周でウイルソンを抜いたライアン・ハンター-レイ(ビジョン)。ウイルソンは、ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)の追撃を何とか交わし3位を確保した。