JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2012
SUPER GT第2レースで立川祐路と中嶋一貴のLEXUS SC430が1−2
フォーミュラ・ニッポンはJ.P.デ・オリベイラが2位、ロイック・デュバルが3位
「JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2012」が静岡県の富士スピードウェイで11月16日(金)から18日(日)にかけて開催された。
最終日となる18日(日)は、前日予選が行われたフォーミュラ・ニッポンの決勝レースと、SUPER GTの第2レースなどを実施。
前日土曜日はあいにくの雨に見舞われたが、この日は朝から好天に恵まれ、「JAFグランプリ」タイトルと賞金をかけ、激戦が展開された。
フォーミュラ・ニッポンとSUPER GTの決勝レース間には、往年の名ドライバーによる模擬レース「レジェンドカップ」がトヨタ86のワンメイクで開催。99年のル・マン24時間レースで活躍した元F1ドライバーの片山右京ほか、名だたる名ドライバーがトヨタ86で年齢を感じさせないバトルを展開し、モータースポーツファンを喜ばせた。このレースは日本人として初めてル・マン24時間レースでの勝者となり、現在はFTRSの校長及びSUPER GTのLEXUS TEAM PETRONAS TOM'Sチームの監督でもある関谷正徳が優勝を飾った。
今大会はこの日曜日に41300人、3日間の合計で68300人ものモータースポーツファンが富士スピードウェイに集まり、今シーズンを締めくくる素晴らしいイベントを楽しんだ。
◆フォーミュラ・ニッポン決勝◆
今レースは来季からスーパーフォーミュラと名称を変える同シリーズにとって、フォーミュラ・ニッポンの名称で戦われる最後のレースとなった。
好天の下、気温は15度、路面温度は22度まで上昇するコンディションで、午後12時にフォーミュラ・ニッポンの決勝レース(22周)がスタート。
2番手グリッドのアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が得意の好スタートで首位に浮上。自己最高位となる3番手グリッドの国本 雄資(Project μ/cerumo・INGING)が遅れる一方で、5番手グリッドのJ.P.デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)と8番手グリッドのロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)が好ダッシュを見せ、4位、5位に浮上。この2台はすぐに前走車をパスし、3位、4位で前を追った。
一方、予選でコースオフを喫し、最後列17番手スタートとなった今季シリーズチャンピオンの中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)は、1周目で11位までジャンプアップ。その後も着実に順位を上げていき、7周目には8位まで浮上した。
終盤には大嶋 和也(Team LeMans)らが激しいバトルを繰り広げ、観客を沸かせた。一方で、首位を逃げるロッテラーは独走。オリベイラとデュバルは最後まで2位を追ったが惜しくも届かず、ロッテラーがトップ、オリベイラとデュバルは3,4位でチェッカー。
しかし、レース後の車検で、ロッテラーの車両に規定違反が見つかり、ロッテラーは失格に。2位以下が繰り上がり、オリベイラが2位、デュバルが3位に。国本が4位、松田 次生(TEAM IMPUL)が5位、平手 晃平(Project μ/cerumo・INGING)が6位。中嶋一貴は7位と続く結果となった。
◆SUPER GT 第2レース決勝◆
午後2時15分、やや空には雲がかかって日が陰り、気温は12度、路面温度も12度まで低下する中でGT300クラスの第2レース(22周)が開始された。スタート直後の第1コーナーでは上位勢の間で接触による混乱があり、順位が入れ替わる中、22番手スタートのTeam SGC IS350 14号車 山野直也が14位までジャンプアップ。しかし、14号車は接触により車両を破損し、7周目終了でピットへ。そのままレースを終えてしまった。一方で、10番手スタートのapr HASEPRO PRIUS GT 31号車 新田守男は、スタート直後の混乱で17位前後まで順位を落としたものの、その後着実にポジションアップ。ファイナルラップにも見事なオーバーテイクを見せ、5位でチェッカーを受けた。
いよいよ今シーズン最後のレースとなる、GT500クラスの第2レース(22周)は、午後3時半にスタート。この頃には日差しも戻り、気温13度、路面温度14度と若干上がったコンディションでレースが行われた。
2列目4番手スタートのZENT CERUMO SC430 38号車 立川祐路が抜群のスタートを見せ首位に浮上。ポールポジションのPETRONAS TOM'S SC430 36号車 中嶋一貴はライバルの先行も許し、3位で1コーナーへ。これに、予選2位のKeePer Kraft SC430 35号車 アンドレア・カルダレッリが続く形となったが、カルダレッリはその直後に後続車に接触され、車両後部を破損。ペースが落ち、徐々に順位を落とすこととなった。
3位に後退した36号車の中嶋一貴は、2周目の1コーナー進入で大外から前走車をパスし2位に浮上。ペースで勝る中嶋一貴は、徐々に首位の6号車立川に迫り、抜きつ抜かれつの激しい首位争いを展開した。
7周目のストレートで並んだ2台だったが、36号車中嶋一貴が前に出ると、そのまま首位を奪取。38号車立川は引き離されることなく、その後も2台のLEXUS SC430による首位争いが続いた。
虎視眈々と首位奪還のチャンスをうかがっていた38号車立川が、残り7周のヘアピン進入で36号車中嶋一貴のインをつくと、2台はサイド・バイ・サイドのまま続くコーナーをクリア。どちらも一歩も譲らぬバトルは、中嶋一貴が制したが、諦めない立川は、翌々周の最終コーナーで中嶋一貴をパス。中嶋一貴はストレートで並び、一旦は立川を抜きかえしたが、1コーナーで停まりきれずコースアウト。すぐにコースに復帰したが、立川からは大きく離されてしまった。
38号車立川はそのままトップでチェッカー。36号車中嶋一貴は後続からの猛追を受けたが凌ぎきり、2位。LEXUS SC430はシーズン最後のレースを1−2フィニッシュで飾った。
第1レースと第2レースの総合結果でも、38号車が優勝。LEXUS TEAM ZENT CERUMOがJAFグランプリのタイトルを勝ち取り、36号車のLEXUS TEAM PETRONAS TOM'Sが総合2位となった。
ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 立川祐路:
盛り上がってもらえたかなと思っている。ドライブしている自分もとにかくおもしろかった。シリーズ戦ではないので、自分自身プレッシャーもないし楽しもうと思って臨んだ。序盤、トップに出たがクルマのバランスが悪く、一度パスされた。途中からまたバランスが良くなって、向こうが苦しそうに見えたので再び抜きに行った。サイド・バイ・サイドになったりと、フォーミュラ・ニッポンチャンピオンの中嶋選手を抜くのは、容易ではなかった。今シーズンは、自分を出し切ったシーズンだった。チャンピオンは獲得できなかったが、来シーズンにつなげることができると思う。
PETRONAS TOM'S SC430 36号車 ドライバー 中嶋一貴:
スタートは、少しホイールスピンしたが自分としては悪くはなく、そんな中で立川選手と松田選手が良いスタートを決めたのだと思う。最初のうち立川選手の方が苦しそうに見え、これは行けると思って立川選手を抜いたが、徐々に自分のペースが落ちても立川選手のペースが落ちず、我慢の状況だった。しかし、そんな苦しい状況でもやはり立川選手を抑えておくべきだったと思う。良いレースができたと思うが、やはり前でゴールしたかった。