6日から富士スピードウェイで行われているスーパーGT公式合同テスト。次戦鈴鹿から、GT300クラスのJAF-GT規定車両の参加条件が変更され、最低地上高が8mmアップすることになったが、その影響はどれほどなのだろうか? ドライバーたちに聞いてみた。

 今季開幕前に参加条件が変更されたことも影響し、シーズン前半戦は圧倒的な強さをみせているJAF-GT規定車両。第4戦SUGOの前に、エアリストリクターで調整が行われたが、8月2日、それに加えFIA-GT3規定車両の燃料タンク、JAF-GT規定車両の給油装置に取り付けられる流量リストリクターなどが調整されたほか、JAF-GT規定車両の最低地上高がこれまでの45mmから、53mmに変更されるブルテンが発行された。

 この参加条件の変更により、JAF-GT規定車両は8mm地上高が上げられることになったが、繊細なレーシングカーにおいて、8mmというのは大きな差だ。6日にスタートした富士公式テストは当然第5戦鈴鹿、第6戦富士を見据えて走行するため、各車新しい参加条件でテストに臨んだが、実際にどんな変化があったのだろうか。

「ウエイトハンデを載せていることもあるんですが、コーナーではロールもしますし、ブレーキングも不安定になりましたね。厳しいです」と語るのは、ARTA CR-Z GTの小林崇志。MUGEN CR-Z GTの中山友貴も「変化はあります。しっかり比較した訳でもないですし、路面コンディションもあるので明確には言えないですが、ロール量やブレーキでの挙動に変化はあります。レースはつらいんじゃないでしょうか」とやはり8mmの変化を感じるという。

 また、SUBARU BRZ R&D SPORTをドライブする山野哲也も、「BRZの“オイシイところ”が薄れていくのを感じた。BRZはコーナリングマシンなので、最低地上高が大きな影響があるのを感じた1日だった」と変化を感じたという。

「1コーナーやダンロップ、最終コーナーなんかもそうだけど、2〜3速で走るコーナーでも操舵した時の回頭性というか、グリップが落ちる方向にいっているのは感じる。ロールやダイブはそれほど感じないんだけど、ステアリングを切った時の回頭性の良さが失われている」と山野。

 路面コンディションや気温、ウエイトハンデなどもあり、いずれのドライバーも「単純に比較はできない」と言う。タイムもどれほど落ちるのかは、まだ分からない。しかし、やはり8mmの地上高アップはJAF-GT勢に着実に“効いている”と言えそうだ。また、富士と鈴鹿では特性も異なる。「鈴鹿ではもっと厳しいのでは」というドライバーもいた。

 GT300の“永遠の課題”である性能調整の中でも、今までにないパターンと言える今回の調整。GT300の勢力図は第5戦鈴鹿からどう変化するだろうか。

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