6日、岡山国際サーキットで2014年の開幕戦を迎えたスーパーGT。今季はGT500クラスで新規定が導入されたが、その中でも“異色”の存在であるホンダNSXコンセプト-GTは、そのデビューレースにおける最上位はウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTの5位となった。

 ホンダは、2012年3月に行われたモータースポーツ体制発表会の場で、伊東孝紳社長が将来日本でも予定されているNSXの販売にあわせ、NSXをスーパーGTに参戦させたいと発言。スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションはこの意志を尊重し、本来FR車両の規定である14年GT500規則の中で、JAF-GT500独自の規定車両として市販車同様のミッドシップ+ハイブリッドというレイアウトで、NSXコンセプト-GTの参加を認めた。

 今季のGT500規定は、多くのパーツをDTMドイツツーリングカー選手権と共通化。しかしその多くはFR車用に作られたものであり、ホンダは多くの努力を重ねFR用のモノコックを使いながらミッドシップ化。70kgのハイブリッドユニットを搭載した。

 とは言え、ミッドシップだからと言って決して有利ではなく、ハイブリッドユニットもエンジン回転7500rpm以上でないと作動できなく、重量もレクサス、ニッサンに対しハイブリッド分70kg重い。オフのテストではライバル陣営に対しタイムの面ではやや開きがあった。

 そうして迎えた開幕戦岡山。走り出しからこれまでのテストよりもライバルとのギャップは縮まっており、コースサイドで見てもオフテストで悩まされていたマシンの跳ねの問題も若干収まっている感があった。決勝では、表彰台を獲得した3台のペースには遠かったものの、ウイダー モデューロが5位。KEIHIN NSX CONCEPT-GTが6位に入った。

「まずは5台そろって完走できたことに満足しています。ウイダー モデューロは5位でフィニッシュしましたが、レース後半はジャン−カール・ベルネイ選手がだんだんマシンに慣れてきたことでペースが上がっていきました。結果としてミシュランタイヤを装着するマシンの中では最高位を得られたので、その意味でも現在の実力を出しきったように考えています」と分析するのは、松本雅彦ホンダGTプロジェクトリーダー。

「KEIHINはハンドリングの特性が安定しなかったため、あれ以上の追い上げはできなかったとの報告を受けています。一方、RAYBRIG NSX CONCEPT-GTやEpson NSX CONCEPT-GTには細かなトラブルが発生して、思うような結果を残せませんでした」

「全般的に、週末を通じてマシンが跳ねる症状を克服できず、これが上位入賞を阻む一因になったと考えています。ただし第2戦が行われる富士では、すでにテストも行い、データも収集しているので、今回の結果も踏まえて、跳ねの症状を抑える対策を施す予定です」

 ライバル勢に対し戦える手応えも得ながら、まだまだ勝利までには課題も多いと言えるNSXコンセプト-GT。「戦えるとは言っても、あの順位ですからね。トップに立つためにはまだまだ何かやらないと」と言うのは童夢の田中耕太郎エンジニア。

 また、山本尚貴も「ホンダ最上位ではあるものの、望んでいる結果ではありません。次戦の富士は苦戦した過去がありますが、ホンダチームが一丸となって、全体的に底上げを図って臨みたいと思います」とレース後語った。

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