13日、DTMドイツツーリングカー選手権第5戦が開催されているノリスリンクで、DTM、スーパーGT、北米グランダムの代表が出席し、2017年からの技術規則完全統合を実施すると発表した。
この会見は各シリーズをプロモートするITR e.Vのハンス-ベルナー・アウフレヒト代表、GTアソシエイションの坂東正明代表、グランダムのエド・ベネット最高経営責任者が出席。また、各シリーズが属する自動車連盟(DMSB、JAF)、すでにスーパーGT、DTMに参戦しているメーカーの代表等が参加し、華々しく開催された。
2009年からDTMとスーパーGTの間で技術規則統一に向けた話し合いがスタートし、昨年10月にDTMとSGTの間で合意。さらに、今年3月にはDTMとグランダムの間で、2015年からスタートする予定で『DTMアメリカ』を開催、ヨーロッパ、アジア、北米という自動車メーカーによって重要な3地域で統一した規則でレースを開催することが目指されてきた。
すでに14年からは、2012年からDTMで使用されているモノコックと同じ規格のものをスーパーGT500クラスでも使用することになっており、この新規格を使った車両は、8月のスーパーGT第5戦鈴鹿の直前にお披露目されることになっている。ただ、現時点ではSGT、DTMの間でエンジンの規格が異なるなど、まだ両シリーズの間でイコールコンディションとはなっていない。
こうした状況の中、今回ノリスリンクで行われた会見では、3シリーズの代表が出席し、2017年に、3シリーズで共通の技術規則を採用すると発表した。これは3シリーズのプロモーター、自動車連盟、現在シリーズに参加している6メーカーによって合意されたもの。
さらに、3シリーズと協調して、レギュレーションのメンテナンスと共同開発について責任をもつ、『コモン・ステアリング・コミッティー』が発足したと明らかにされた。これは合意した3シリーズのプロモーター、メーカー、自動車連盟によって構成される委員会となり、半年ごとに3シリーズの地元で開催されることになる。すでに第1回会合がニュルンベルクで開催されており、次回は14年のデイトナ24時間の会場で、さらに来年の鈴鹿1000kmで開催される予定となっている。
3シリーズは“ザ・フューチャー・オブ・ツーリングカーレーシング”のスローガンを掲げ、協調体制を取っていくことになる。会見に出席したGTA坂東正明代表は「スーパーGT、DTM、グランダム/NASCARの3者によるパートナーシップ締結は、GT/ツーリングカーレースのグローバル化に向けた大きな前進であり、各シリーズは様々な面でそれぞれの価値がさらに高まるでしょう」と挨拶した。
さらに「GTAはアジア、ITRは欧州、そしてグランダム/NASCARは北米と、それぞれがそれぞれの地域で合意した共通技術規則によるレースの振興を担いますが、いずれは3者が協力しあい、3つのシリーズが交流する世界規模のレースイベントが開催できると考えています」と、3シリーズ交流戦の実現を目指したい考えを示している。