2014オートバックスSUPER GT第7戦 BURIRAM UNITED SUPER GT RACE
3度目のポディウムに立ちチームポイントランキング2位へ
2014年10月4日(土)公式予選(天候:晴れ 路面状況:ドライ)
2014年10月5日(日)決勝(天候:曇り 路面状況:ドライ)
場所:Chang International Circuit(タイ・ブリーラム/全長4.554km)
公式予選を3位通過
2列目からのスタート
BMW Sports Trophy Team Studieにとってシリーズ優勝へ向けて大一番となったチャン・インターナショナル・サーキット。直線主体の高速サーキットと見られていたものの、公式練習の段階で同時にコーナリングスピードも求められるコースレイアウトであることが明らかになった。これはNo.7Studie BMW Z4が十分に闘えることを意味している。
また公式練習ではGT500のマシンと激しく接触したものの、タイヤのバーストとホイールの破損にとどまったことが、このチームにツキがあることを示していた。予選は混戦。ノックダウン方式となる予選Q1は荒 聖治選手がシートに着き1分35秒517をマーク。Q2通過へのボーダーラインとなる13位で見事に通過(後に車両規則違反により予選タイム抹消となるマシンがあり12位に繰り上げ)。Q1のリザルトは1位から13位までが1秒以内に収まるなどタイムは拮抗していた。
その拮抗を破ったのがZ4 GT3のドライビングマイスターであるヨルグ・ミューラー選手。1分34秒417で4位通過(Q1と同じ理由で3位に繰り上げ)。決勝レースは3位、2列目からのスタートとなった。
スタートドライバーは荒 聖治選手。チームの戦略上、グリッドに並ぶ荒 聖治選手は明確なミッションを携えていた。予選で酷使して、ささくれだったタイヤを履いて可能な限り順位をキープ。ヨルグ・ミューラー選手にニュータイヤを託して第7戦の頂点を狙う作戦だ。パフォーマンスの美味しいところをすでに使い切っているタイヤで荒 聖治選手は躍動。
GT500勢のマシンが後ろから迫る混乱に乗じて、持ち込んだタイヤがコースにフィットしているNo.10 GAINER Rn-SPORTS SLSにパスされてしまうものの巧みに4番手をキープ。再び3番手へ復帰の機会をうかがいテールツーノーズまで迫るものの、ブレーキングポイントや加速性能の違いから、アタマを微妙に押さえられた格好になってしまう。事実上のトップを争うことになるとみられたNo.3 B-MAX NDDP GT-Rとの差が開くと同時に、後続を引き離すことが許されない展開で、荒 聖治選手は我慢のドライビングを貫く。
優勝へ0.862秒にまで迫るも2位でフィニッシュ
23周目、事前に予定していた周回数でピットイン。ドライバーチェンジ、給油、タイヤ4輪交換を行う。これは他チームに比べて明らかに早いタイミングでのピットインであるため、順位は14番手にまで後退する。決勝レースまでは、ややオーバーステア寄りのセッティングとなっていたNo.7 StudieBMW Z4だが、コースの路面にタイヤが乗ってくるに従い、ニュートラルステアにシフト。このこともヨルグ・ミューラー選手を助けたが、ブリーラムの滑りやすい路面でも強さを見せるヨルグ・ミューラー選手は、お得意の“猛追劇場”を開幕させる。
29周目には10番手、31周目には9番手、32周目には8番手、33周目には7番手、34周目には6番手、38周目にはついにピットイン前の4番手に復帰する。さらに42周目には3番手となる。このときトップを走っていたNo.99 i MOBILE AASの地元チームはスポット参戦の賞典外。つまり事実上のトップはNo.3 B-MAX NDDP GT-Rであり、これを2番手として追う展開になる。48周目にNo.99 i MOBILE AASのポルシェがピットインして名実ともに2番手に。迷うことなくヨルグ・ミューラー選手はさらに追い立てる。タイムは1分35秒台を連発するハイペース。
後続として3番手のNo.60 TWS LM corsa BMW Z4と4番手のNo.4グッドスマイル 初音ミク Z4のBMW勢が続くもののギャップは開いている。優勝争いはNo.3 B-MAXNDDP GT-Rとの一騎打ちの様相を呈した。55周目には1分34秒027をマークしてベストラップ更新。57周目にはついに、その差0.861秒まで迫る。
しかし、ここでもブレーキングポイントと加速特性の違いから、追いつめながらもパスは許されない。GT500のマシンが66周に達した直後、GT300の61周目。アディショナルタイムといえる最終ラップで猛プッシュを試みるも、トップから0.862秒の2位でチェッカーフラッグを受けた。
これにより、BMW Sports Trophy Team Studieはドライバーズランキングで58ポイントの同点2位(トップのNo.4グッドスマイル 初音ミク Z4とは9ポイント差)、チームランキングで75ポイントの単独2位(同じく7ポイント差)となった。最終戦となる第8戦ツインリンクもてぎ(11月15~16日)において、No.7 Studie BMW Z4はシリーズチャンピオンをかけて闘うこととなる。