数多くの新機軸を打ち出し、2021年1月の開幕を控える電動SUVによるオフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』シリーズ。そのシーズン1に向け、ABBフォーミュラE選手権にDSテチーターとして参戦するチーム・テチーターが、アジア圏から参戦する最初のチームに名乗りを挙げた。
この新たなエントリーは、シリーズのラウンチ初期から参戦を表明していたヴェンチュリの枠を継ぐ形で実現し、このモナコ公国を拠点とするチームは来たるシーズン7のフォーミュラE選手権での活動に加えて、宇宙旅行に関する革新的なプログラムに注力することを決定し、新生EVオフロード選手権へのチャレンジを撤回する決断を下した。
アジア系資本が運営するテチーターは、中国のスポーツマネジメント&マーケティング企業のSECAが管理し、会長のエドモンド・チューを中心にマーク・プレストンがチーム運営を主導する、フォーミュラEと同様の体制を敷く予定だ。
ただし双方のチームを所有するのは、インドネシアに拠点を置く“グリーン”な新興のテクノロジーに焦点を当てたプライベート・エクイティ・ファンド、インドーバーグループであり、エクストリームEに参戦するチームの本拠地もジャカルタを登録。そのビジョンとして、アジアのドライバーを育成するというコミットメントを掲げている。
エクストリームEの創設者兼CEOであるアレハンドロ・アガグは、2018年のDSオートモビルとの提携以降にダブルタイトルを獲得したフォーミュラEでの成功を引き合いに「彼らのようなトップチームを、新たな選手権に迎え入れることができるのは素晴らしいことだ」と歓迎の意を示した。
「このエクストリームEシリーズは、モーターレーシングにおいてまったく新しいユニークな課題を提案する。地球上のもっとも過酷な環境を舞台に全5戦を争い、チームやドライバーはエンジニアリング面でも未知のテーマに取り組むことになるだろう」と続けたアガグ。
「スポーティングレギュレーションにも工夫が凝らされ、初年度のタイトル争いに向けてもすでに興味深いルールが形成されている。この画期的な領域で、新たなライバル構図が誕生する瞬間を楽しみにしている」