WRC世界ラリー選手権第12戦モンツァのデイ2(SS8~13)が11月20日、モンツァ・サーキットのサービスパークを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合首位、チームメイトのエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)が僅差の総合2番手となった。また、カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)も“完走重視”の走りを続け、総合9番手につけている。
2021年シーズン最終戦『ラリー・モンツァ』の競技2日目、6本のSS合計距離は108.24kmと3日間で最長の1日となったこの日は、朝から昼にかけてベルガモの山岳エリアで2本のステージを各2回走り、その後モンツァ・サーキット内で1本のステージを2回走行するスケジュールで争われた。
ラリー初日にドライバー選手権2位につけるエバンスと激しい首位争いを演じ、1.4秒差の総合2番手となったオジエは、デイ2オープニングのSS8で2番手タイムを刻み首位に浮上する。
しかし、SS9ではエバンスが渾身のベストタイムで首位を奪い返すと、今度はオジエがSS10とSS11でファステストタイムを記録して再逆転に成功。4本の山岳ステージを終えて総合2番手のエバンスに5.2秒差をつけた。
だが、モンツァ・サーキットに戻って実施されたSS12ではエバンスが最速タイムを刻み総合首位を奪う。このままサーキット区間での走りに分があるウェールズ人ドライバーが現チャンピオンを引き離すかと思われたが、暗闇の中で行われた最終のSS13では、オジエがエバンスよりも0.8秒速い3番手タイムでフィニッシュし、0.5秒という僅差ながら総合首位で大激戦の1日を走り終えることとなった。
連日、大接戦を繰り広げる両名だが、仮にエバンスが優勝とパワーステージを制したとしても現在、ドライバー/コドライバー選手権でランキング首位に立つオジエとジュリアン・イングラシアは、同2位のエバンス/スコット・マーティン組に17ポイント差をつけているため、表彰台に立てば通算8回目のタイトル獲得を果たすことができる。
なお、イングラシアは今戦をもってコドライバーを引退することを表明しており、オジエもWRC全戦に出場するのは今シーズンが最後となるため、彼らがふたりでタイトルを獲得するのは今回がラストチャンスとなる。