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投稿日: 2021.12.02 19:05
更新日: 2021.12.03 18:45

【ブログ】ラリーカーの渋滞発生。いつもと違う形式に困惑/WRCモンツァ現地特派員(前編)

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Blog | 【ブログ】ラリーカーの渋滞発生。いつもと違う形式に困惑/WRCモンツァ現地特派員(前編)

 競技がスタートする金曜日の朝は、8時13分開始のSS2“COSTA VALLE IMAGNA”へ向かいます。

 本来は山の中腹エリアへ赴く予定でしたが、アクセス用の道がクルマでの走行が常時禁止となっており、5.5km以上の山道を歩かなければSSへ到着できないというまさかの事態で、暗闇の山道でUターンする羽目に。

2021年WRC第12戦ラリー・モンツァ
 そんなわけで同じSSのスタート地点へ。思わぬトラブルで、スタート30分前にどうにか到着。スタート脇には立派なお屋敷なのか、ホテルなのかという建物が。これ、どうも空き家のようで敷地内から観戦する観客の姿も。

オリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20クーペWRC) 2021年WRC第12戦モンツァ
 スタート地点から20メートル程でいきなりヘアピンがあるこのSS。スピードが乗らないと綺麗に回れないため、トップドライバーたちは流石に綺麗にヘアピンを決めていきますが、プライベータークラスになると何度も切り返すドライバーが続出していました。

ヤリ・フッツネン(フォード・フィエスタ・ラリー2)
 この日は始終曇り模様で、もし雨だったら、もっと面白いアクションがあったのかもしれません。個人的には寒い雨のなか2時間突っ立ってる勇気はありませんが(苦笑)


 今回のアイテナリーは、金曜日と土曜日の午前は山間部のSSを2回走行し、ランチタイムを挟んで午後はモンツァ・サーキットのSSという構成でした。山岳エリアのSSは休憩時間も少ないので、SS2を見終わって1時間もすればSS4がスタートします。

 底冷えする気温ではないにしても、数時間じっと立っていると身体が冷え切ってしまったので、友人のイタリア人カメラマンさんとともにバーへ駆け込み、ダブルのエスプレッソ・マキアートを頂きました。コーヒー談義を繰り広げれば、もうSS4のスタート時間。

2021年WRC第12戦ラリー・モンツァ
 SS4はクルマでの移動はせず、同じスタートポイントを別アングルから観戦するため、民家の裏を通り抜けます。日本だったら大問題になりそうですが……。近隣住民の理解があればこそのラリーです。ありがとうございます。

カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第12戦モンツァ
 鉄柵を登り、先端に刺されそうになりながら、SS4のスタートを見守ります。

2021年WRC第12戦ラリー・モンツァ
 ふとお隣を見ると、微笑ましいファミリーが。モンツァ市内を歩いていても思いましたが、何気ない服装がオシャレに見えてしまうのは、ミラノを抱える北東イタリアマジックなのでしょうか。アジア人が努力しても辿り着けない何かを感じてしまいます。

2021年WRC第12戦ラリー・モンツァ
 トップドライバーたちが走り抜けていくと、SS上の諸事情によりラリーが止まり、ラリーカーの立ち往生が発生。SS3を走り終えSS4にやってきたマシンたちでスタート手前は大渋滞となってしまいました。

2021年WRC第12戦ラリー・モンツァ
 時間を持て余すドライバーの中に、なんともイタリアらしい遊び心のあるデザインのドライビングスーツを纏うイタリア人ドライバーコンビを発見。大胆な発想はあっても、このデザインにOKを出してくれる周辺の環境があるのは、イタリアならではでしょうか。

 そして、ラリーは結局リスタートされず、このステージはロードセクションとなってしまいました。ドライバーたちは午後からのサーキットSSへ向かいますが、私はせっかくなので、近辺のレストランでランチを頂いてから宿に入ることにします。


 暖かく、海に面している南イタリア地域とは違い、北イタリアの寒い山間部では、さっぱり味よりはヘビー味、魚介ではなくお肉類が充実しています。1カ月ほど前に北イタリア出身のティラミスの生みの親が亡くなったとの訃報を受け、今回は追悼の意を込めて食後にティラミスを頂きました。

 今思えば、ティラミスも寒い地域だからこそできたレシピなんだろうなあ、としみじみ感じます。普段はパンナコッタに走りがちですが、寒い地域では意識せずとも自然にティラミスに気持ちが向きます。

 こちらのレストランで出されたティラミスからは、何やらラム酒の香りが。なんと、クリスマスの定番お菓子、パネットーネの生地をレディーフィンガーの代わりに挟んでおりました。お店の残りを使ったのかどうかはわかりませんが、マスカルポーネとラム酒の相性が新鮮な大人味。ともに頂いたグリルドチキンとリゾットとドリンクで16ユーロと、お客が絶えない格安の人気レストランでした。

2021年WRC第12戦ラリー・モンツァ
 今回の宿は、モンツァから北に1時間走った、コモ湖沿いの民泊宿。元々はモンツァ近辺の民泊に予約を入れていたのですが、イタリア入りの1週間前にホストの都合でキャンセルに。足りない時間のなか、探しに探しまくってようやく見つけた宿です。

 ヘアピンを11個も抜けなければ辿り着けない傾斜地ですが、宿近辺から観るコモ湖の美しい景色は格別! この日帰宅した時間は15時半、こんなに早くラリーを切り上げるのが稀なので、少々な罪悪感を感じつつも、翌日のラリーに備えます。

 観戦3日目、ラリーのデイ2を追う<後編>へと続きます。

* * * * *

■CHOCO CIDER
愛知県出身。フリーランス・グラフィックデザイナー。

2001年、兄がスバル・インプレッサWRX STIを購入したことがきっかけでWRCの存在を知り、WRCレビュー放送のヘビー視聴者に。初WRC観戦の2004年ラリー・ジャパンをきっかけに英会話の習得を開始。
2008年春、本場のWRC観戦を目的に渡英。ロンドンを拠点に年間4~8戦ヨーロッパラウンドを中心に観戦。2016年の帰国後も一年の半分近くをヨーロッパで過ごしながら、小型ミラーレスカメラSONY α6000とNEX-5Rを片手に年間4~5戦を奔走中。2021年、コロナ禍の影響で休止していた現地観戦を2年ぶりに再開する。
YouTube channelhttps://www.youtube.com/channel/UC21tf9kvHs1yGU0pfsgVr6Q


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