地中海に浮かぶサルディニア島で、6月1日から開催されているWRC世界ラリー選手権第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』は、2日(金)にデイ2のSS2~7が行われ、前日に引き続きエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合トップとなった。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合5番手につけている。
6本のSSの合計距離が138.04kmと今大会最長の一日となったデイ2の終わりに用意された全長49.90kmの超ロングステージ“モンテ・レルノ・サ・コンチェッタ2”。ラッピはここで2番手タイムを刻み、トヨタのセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)から総合首位の座を奪い返した。
0.1秒差という僅差の戦いが繰り広げられた競技2日目は、事前の予報どおり不安定な天候のなかでのラリーとなり、ステージは全体的に湿り気を帯びたグラベル(未舗装路)サーフェスに。場所によっては水たまりや、ぬかるみができている箇所もあった。
前日のスーパーSSで幸先よくステージウインを飾ったラッピだったが、デイ2のオープングではオジエから1.7秒遅れてのステージ2番手となり、総合でも2番手にダウンした。トヨタGRヤリスで今季4回目の参戦となるオジェは、午前中のモンテ・レルノでライバルを圧倒。超ロングステージを走りきった直後、ミッドデイサービスを迎えた段階で2番手ラッピに16.3秒のリードを築いた。
しかし、ランチ後に行われた3つのスピードテストでは、いずれもラッピが“8冠王者”に先行し、徐々にタイムギャップを詰めていく。6.7秒差で迎えたSS7、元トヨタドライバーのフィンランド人は、同郷のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)に次ぐ2番手タイムをマーク。対するオジエはライバルから6.8秒の遅れを取り4番手タイムで2日目の競技を終えた。この結果ラッピがコンマ1秒差で逆転に成功し、二日続けてラリーリーダーとなっている。
「さらにプッシュする必要はなかった。コンマ1秒あれば充分だ」と笑顔でコメントしたラッピ。
「無事にフィニッシュできて嬉しいよ。かなりトリッキーなステージで、左リヤ(タイヤ)のスローパンクチャーもあって少し混乱し始めていた。しかし僕たちはここにある。すべてが順調で、明日を楽しみにしているんだ」
トップから18.6秒遅れたティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は、断続的なハンドブレーキの不調に悩まされながらも、表彰台圏内のポジションを維持してみせた。