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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2023.06.20 07:15
更新日: 2023.06.20 01:04

TGR WRCチャレンジプログラム2期生がERCラトビアに挑戦。表彰台目前に迫るも、無念のリタイア

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ラリー/WRC | TGR WRCチャレンジプログラム2期生がERCラトビアに挑戦。表彰台目前に迫るも、無念のリタイア

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生として各地のラリーで経験を積んでいる大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀の3人は、6月17日(土)~18日(日)にラトビアで開催されたERCヨーロッパ・ラリー選手権の第4戦『ラリー・リエパヤ』にルノー・クリオ・ラリー4を駆って参戦。3選手ともに完走はならなかったが、一時は表彰台を狙えるポジションにつけるなど好走を見せた。

 バルト海沿岸に位置するラトビア第三の都市リエパヤを中心に開催される『ラリー・リエパヤ』は、2013年からERCの一戦として開催されている高速のグラベル(未舗装路)ラリーだ。このラリーのステージの一部は、2024年にWRC世界ラリー選手権の一戦として開催される予定の『ラリー・ラトビア』の一部になるとされている。

 今回のラリーは2日間で10本のSS、合計距離183.89kmのステージ長で争われた。5月に地形の似たラリー・ポーランドで経験を積んだ大竹、小暮、山本にとっては、好調なパフォーマンスを維持し、さらなる経験を積むチャンスとなることが予想された今回、3選手は22名のドライバーがエントリーするERC4クラスに参戦し、ポーランド同様、厳しい戦いに挑んだ。

■3選手が開幕のロングステージでトップ3タイムを記録

 ラリー初日の土曜日、TGRチームはこの上ないスタートを切ることとなる。今大会最長、27.56kmのSS1で山本/ミイカ・テイスコネン組がトップタイムを記録。これに続く2番手、3番手で大竹/マルコ・サルミネン組、小暮/トピ・ルフティネン組がフィニッシュし、TGRの3組によるERC4クラスのトップ3独占によってラリーの幕が開けたのだ。

 激しい砂埃によってキャンセルとなったSS2の後、ステージは一転してウエットコンディションへと変化し、路面は滑りやすくなった状況。そんななかでも3名は大きなミスを避け、一貫した走行を継続した。

 序盤からトップ争いを繰り広げた山本/テイスコネン組は、2番手に26.1秒の差をつけてクラストップで初日を終了。2番手につけたのは初日最後のSS6でトップタイムを記録した大竹/サルミネン組だ。小暮/ルフティネン組はチェックインタイムに遅れたことで10秒のタイムペナルティを課せられてしまうが、それでも3番手と1.3秒差の4番手で初日を終え、TGRの全員が表彰台を狙える位置で最終日を迎えることとなった。

■相次ぐトラブルで全員がリタイアに

 しかし、最終日となったラリー2日目は、TGRの3組全員が苦境に立たされてしまう。最終日2本目のSS8では、小暮がドライブシャフトの破損によって戦線離脱。大竹の車両にもエンジントラブルが発生し、予定外のオルタネーター交換を強いられることとなった。

 この作業により、ミッドデイサービス後のタイムコントロールへの遅延で90秒のタイムペナルティが課せられた大竹は、表彰台争いから遠ざかることに。さらに続くSS9では、ジャンプからの着地でラジエターにダメージを受け、ここで大竹もリタイアという結果となった。

 初日をクラストップで終えた山本もSS9で同様の状況に陥り、クラス優勝まであと1ステージというところで、最終ステージを走ることが叶わずリタイアを余儀なくされた。

「毎回車両トラブルが起きてしまうのはフラストレーションが溜まるが、我々は選手権を戦っているわけではないので、最終的にはそれほど問題ではないんだ」と語るのは、WRCチャレンジプログラムのインストラクターとして3選手を指導するミッコ・ヒルボネン。

 ヒルボネンは「今週末の彼らには感銘を受けているよ。彼らはコンディションが変わるなかで、ドライビングをアジャストして強いパフォーマンスを発揮できるレベルに到達しようとしているんだ」と選手たちの成長を評価した。

小暮ひかる/トピ・ルフティネン組(ルノー・クリオ・ラリー4)
小暮ひかる/トピ・ルフティネン組(ルノー・クリオ・ラリー4)

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