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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2023.06.28 16:58
更新日: 2023.06.28 17:15

ライバル圧倒のトヨタも安泰ではなかった。日曜午後はGRヤリス全車に問題発生、原因はサファリ特有の砂

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ラリー/WRC | ライバル圧倒のトヨタも安泰ではなかった。日曜午後はGRヤリス全車に問題発生、原因はサファリ特有の砂

 6月22~25日にアフリカ、ケニアで開催された『第70回サファリ・ラリー・ケニア』は既報のとおり、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)以下4名のトヨタドライバーがトップ4を独占し、TGR-WRTが2年連続となる“1-2-3-4フィニッシュ”を飾る結果となった。文字どおりライバルに付け入る隙を与えない完勝ぶりだったが、総合4位で同イベントを終えた勝田貴元はラリー後のオンライン取材会の中で、トヨタ陣営に「大きな問題」が起きていたことを明かした。

 前戦のラリー・イタリア・サルディニアと同様に、4台の『トヨタGRヤリス・ラリー1』でWRC世界ラリー選手権の2023年シーズン折り返しとなる第7戦ケニアに臨んだTGR-WRT。サファリ・ラリーが19年ぶりにWRCカレンダーに復帰した2021年と昨季2022年の両方を制しているトヨタチームは、復活3年目となる今大会でも序盤から強さを見せ、23日(金)のデイ2からオジエとカッレ・ロバンペラ、エルフィン・エバンスによってワン・ツー・スリー体制を築く。

 さらに、24日(土)にはエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)のデイリタイアによって、一時順位を下げていたエバンスが3番手に復帰。チームメイトと表彰台を争う格好となった勝田が4番手につけ、2年連続1-2-3-4達成の快挙に向けて万全とも思えるリザルトを形成した。

 迎えた25日(日)の競技最終日はオープニングのSS14でエバンスがミスを犯しリヤウイングにダメージを負ったが、影響は最小限に留められ順位に変動はなかった。また、SS15では首位オジエがテールゲートごとリヤウイングを失うものの、こちらはあろうことか最速タイムを記録し、世界中のラリーファンを驚かせた。

 勝田の言う“大きな問題”が発生したのは午後の再走ステージ2本目、最後から2本目のSSだ。前日から変わらぬオーダーで同ステージに入ったTGR-WRTの全4台は、SS18“オセリアン2”でエンジンがオーバーヒートする問題に直面した。このときの状況や原因について、勝田は次のように説明している。

「“フェシュフェシュ”というケニア特有の非常に柔らかく細かい砂を含んだセクションがあり、そこでラジエーターの間に砂が詰まってしまい冷却系に大きな問題をきたしてしまいました」

「2年前(の2021年大会で)も同じような状況だったのですが、今回も僕を含め4人全員の(クルマの)エンジンがオーバーヒートしてしまい、ペースダウンをせざるを得なくなりました」

勝田貴元は2年前の教訓から、リップスポイラーをなるべく砂に潜らせないようにドライブしていたという。
勝田貴元は2年前の教訓から、リップスポイラーをなるべく砂に潜らせないようにドライブしていたという。

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