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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2017.08.01 15:49
更新日: 2017.08.01 16:18

根源的な転換期にある自動車産業とモータースポーツ。ポルシェ、アウディ、メルセデスが描く青写真は

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ル・マン/WEC | 根源的な転換期にある自動車産業とモータースポーツ。ポルシェ、アウディ、メルセデスが描く青写真は

 ポルシェが2017年限りでWEC世界耐久選手権から撤退することを発表した。

 2014年にル・マン24時間/WECのトップクラスへのワークス参戦を再開したポルシェは、その後の4年間に3連勝を達成。自らが有する通算優勝記録を19へと伸ばし、2位アウディの13勝を大きく突き放してみせた。短期間ではあったが、今回もポルシェはル・マンで大成功を収めた。まずはその功績を心から称えたい。

 昨年のアウディに続く大メーカーの撤退はル・マン24時間とWECにとって重大な痛手だ。これでLMP1で唯一のメーカーとなるトヨタのWEC参戦計画にも、影響を及ぼすことになるかもしれない。

 さらにメルセデスベンツはDTMドイツツーリングカー選手権からの撤退を発表。いずれもモータースポーツ活動に積極的に取り組んできたブランドだけに、その深刻な影響が心配される。

 こうも立て続けに自動車メーカーがモータースポーツのワークス活動から撤退しているのはなぜか? 各社各様の事情が関係しているのはもちろんだが、いまのモータースポーツ界と自動車産業界を俯瞰してみると、そこに時代の潮流のようなものが浮かび上がってくる。ここでは、各メーカーが相次いでモータースポーツ活動を見直している現状について、私なりの視点で考察してみたい。

 自動車メーカーがモータースポーツに参戦するのは、自社の技術力を誇示し、ブランドのスポーツイメージを強調するためだ。そのためにはF1やWECのように、高度な技術が必要となるカテゴリーへの参戦が望ましいが、そうなると車両開発などに多額の資金を要し、一説には100億円単位の予算を投じているとも言われる。

 しかし、そうして生み出された先進技術の価値や意義がどれだけ広く一般に浸透しているかといえば、はなはだ心許ない。つまり、巨額の投資に見合った効果を自動車メーカーは手に入れていないとの見方も成り立つのだ。


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