■自動車メーカーが進めるモータースポーツ活動の転換

 フォーミュラEを取材したことはまだ一度しかないが、それでも主催者やエントラントが参戦コストの抑制に懸命になっていることは明白だった。おそらく彼らは、フォーミュラEの将来性は認めていても、今はまだ巨額の投資に見合ったPR効果は期待できないと捉えているのだろう。そんな彼らがフォーミュラEに参戦しているのは、将来に備えて電気自動車によるモータースポーツの足固めを行なうのが目的と思えてならない。

 では、自動車メーカーのモータースポーツ活動がどこに向かっているのかといえば、それは『ワークス参戦』から、プライベートチームへ車両を販売するスタイルである、『カスタマーレーシング』への転換だろう。ワークス参戦と違って、スポーツカーレース用のGT3や、ツーリングカーレース用のTCRといったカスタマーレーシングであれば自動車メーカーの投資は軽くて済むうえ、カスタマーチームからの売り上げも見込める。

 モータースポーツの将来が見通せず、巨額の予算も割けないとすれば、カスタマーレーシングで当座をしのぎ、フォーミュラEなどの未来型モータースポーツが台頭してきた際には、そのときそちらに移行する……。それが自動車メーカーの描く青写真ではないだろうか?

 いずれにせよ、プレミアムブランドがスポーツイメージを強調した製品の拡充に注力している以上、自動車メーカーが即座にモータースポーツから全面的撤退するとは考えにくい。

 したがって、いずれ華やかなワークス活動が再開されることを期待しつつ、ここしばらくの日本ではスーパーGTやスーパーフォーミュラといった“穏やかなワークス活動”と、カスタマーレーシングを軸にモータースポーツを楽しみたいと思う。

文:大谷達也(モータージャーナリスト)

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