2018年から翌2019年にかけて行われているWEC世界耐久選手権“スーパーシーズン”の第4戦が10月12~14日、静岡県・富士スピードウェイで行われる。同シリーズに参戦するTOYOTA GAZOO Racingにとっては母国レースとなる富士で、チームは今季3勝目と富士での通算6勝目を目指す。
トヨタのお膝元として知られる富士スピードウェイは、1000馬力を誇るトヨタTS050ハイブリッドのレーシングハイブリッド・パワートレインが開発されたトヨタ東富士研究所からほど近く、また首都圏に近いことから多くのモータースポーツファン、トヨタファンが訪れるTOYOTA GAZOO Racingの“ホームグラウンド”だ。
この富士でずば抜けた勝率を誇るトヨタは、過去6戦中5勝という成績を残しており、悲願だったル・マン24時間の総合優勝を見事ワン・ツー・フィニッシュで果たした2018年の同大会でも当然勝利を狙う。
特に今回は、前戦のシルバーストン6時間で2台揃って失格となったことで、LMP1チームズポイントで2番手につけるレベリオン・レーシングに3ポイント差まで迫られている。そのためチームは“スーパーシーズン”の折返しとなるこの富士ラウンドでふたたびワン・ツー・フィニッシュを決め、ポイント差を広げることを目標にしている。
なお、チームは世界屈指のロングストレートを有する富士スピードウェイでも、第3戦で今季初投入したハイダウンフォース仕様のエアロパッケージを2台に投じる予定だという。
■アロンソ「10年ぶりに富士の表彰台中央からの景色が見たい」
「日本でレースを戦えるのは本当にうれしいことですし、特に、富士スピードウェイは僕にとってお気に入りのサーキットのひとつです」と語るのは8号車トヨタTS050ハイブリッドを駆り、ル・マンの優勝ドライバーの仲間入りを果たした中嶋一貴。
「富士はチャレンジングなレイアウトで、特に耐久レースにおいては他クラスの車両をかわさなくてはならないため、そこでタイムをロスせずにいられるかが勝利を決めます」
「これまで、富士では何度も良いレースを戦ってきているので、今年もそれが再現できることを祈っており、願わくは、また表彰台の最上段に立ちたいと思っています」
2018/19年シーズンから一貴のチームメイトとなったフェルナンド・アロンソもまた「トヨタチームの一員として初めて迎える富士のレースを楽しみにしている」と語る。
「(チームの誰にとっても)とても大事なホームレースだから、週末へ向けて気合が入るよ。僕自身は(過去に)F1で富士を走っており、とても良く知っているし、2008年のF1日本グランプリで勝利を挙げたという良い思い出のあるコースでもあるんだ」
「10年ぶりに表彰台の中央からの景色が見られることを望んでいるし、それはチーム、ドライバー両方のタイトルを争う上でも重要になるはずだ」