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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2023.04.16 01:38
更新日: 2023.04.16 02:21

ハートレーが可夢偉を下しポール獲得。王者トヨタはフロントロウ独占【WEC第2戦予選レポート】

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ル・マン/WEC | ハートレーが可夢偉を下しポール獲得。王者トヨタはフロントロウ独占【WEC第2戦予選レポート】

 4月15日(土)、ポルトガル南部のアルガルベ国際サーキットでWEC世界耐久選手権第2戦『ポルティマオ6時間レース』の予選が行われ、ブレンドン・ハートレーがアタックを担当したTOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタGR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ハートレー/平川亮組)が決勝レースのポールポジションを獲得した。

 開幕戦セブリングから約1カ月、WECの舞台はポルトガルへと移りここから第5戦モンツァまで続く“ヨーロッパ連戦”に入っていく。その初戦となる第2戦ポルティマオは走り始めの金曜に続き土曜日も快晴に恵まれ、ドライコンディションで予選が行われている。

 気温26.7度、路面温度45.8度とこの週末一番の暖かさとなった予選セッションは定刻11時30分にLMGTEアマクラスからスタートした。ピットレーン出口のシグナルがレッドからグリーンに替わり、各車が続々とコースインするなか57号車フェラーリ488 GTEエボ(ケッセル・レーシング)の木村武史がアウトラップでスピンを喫する。しかし木村はうまくマシンの体勢を立て直し大事には至らず、そのままアタックに入っていった。

 GTEアマクラスの予選で主人公となったのは“最強ジェントルマンドライバー”との呼び声高いベン・キーティングだ。このアメリカ人は真っ先にコースインすると1分42秒312をマークして最初のターゲットタイムを設定した。これに対して木村が1分42秒751で続くが、ルイス・ペレス・コンパンクの83号車フェラーリ488 GTEエボ(リシャール・ミル・AFコルセ)が1分42秒293を記録して2番手に。その間にキーティングも自己ベストを更新しタイムを1分41秒793まで伸ばす。

 残り7分を切ったところでディエゴ・アレッシ駆る21号車フェラーリ488 GTEエボ(AFコルセ)が1分41秒859で2番手につける。アレッシはさらにタイムを縮め1分41秒628でキーティングを逆転する。その後方では85号車ポルシェ911 RSR-19(アイアン・デイムス)をドライブするサラ・ボビーが1分41秒台に入れて3番手に浮上。一方の木村は自己ベストを更新するが5番手に後退してしまう。

 残り3分、85号車ポルシェのボビーがトップに浮上。タイムは1分41秒598。開幕戦でキーティングと好バトルを繰り広げた彼女はさらに1分41秒579までタイム縮めるが、直後にキーティングが全セクターで自己ベストを上回るタイムでまとめ1分41秒362を記録。これでボビーから首位を奪い返した。

 チェッカーラップではボビーもセクター2で全体ベストのマゼンタを灯したが、最後の最後での逆転には至らず。0.217秒差でクラス2番手となった。同3番手はアレッシの21号車フェラーリだ。同じくフェラーリをドライブした木村は最終的に7番手に。777号車アストンマーティン・バンテージAMR(Dステーション・レーシング)のアタッカーを務めた星野敏は1分43秒035をマークし、明日は11番手から決勝レースに臨むこととなった。

コルベット・レーシングの33号車シボレー・コルベットC8.R 2023年WEC第2戦ポルティマオ6時間レース
コルベット・レーシングの33号車シボレー・コルベットC8.R 2023年WEC第2戦ポルティマオ6時間レース
LMGTEアマクラスのポールポジションを争ったベン・キーティング(33号車シボレー・コルベットC8.R)とサラ・ボビー(85号車ポルシェ911 RSR-19) 2023年WEC第2戦ポルティマオ6時間レース
LMGTEアマクラスのポールポジションを争ったベン・キーティング(33号車シボレー・コルベットC8.R)とサラ・ボビー(85号車ポルシェ911 RSR-19) 2023年WEC第2戦ポルティマオ6時間レース

■勝敗を分けた1000分の1秒

 オレカ07・ギブソンによる“実質”ワンメイクとなっているLMP2クラスは、FP3でトップタイムを記録した10号車のガブリエル・オーブリー(ベクター・スポーツ)が序盤に1分34秒304を記録して暫定首位に立った。これに9号車を駆るベント・フィスカール(プレマ・レーシング)が1分34秒770で続き、48号車のイーフェイ・イェ(ハーツ・チーム・JOTA)が1分43秒915でその後方3番手につける。

 イェは残り7分となったところでタイヤ交換のためピットへと戻る。この時点で上位のタイムを記録していたフィスカール、35号車のアンドレ・ネグラオ(アルピーヌ・エルフ・チーム)、28号車に乗り込んだオリバー・ラスムッセン(JOTA)も同様の作戦を選択した。

 一方、この間にユナイテッド・オートスポーツの22号車を駆るフィル・ハンソンと姉妹車23号車のオリバー・ジャービスが2番手、3番手に並ぶ。また残り3分半を切ったところで63号車をドライブするミルコ・ボルトロッティ(プレマ・レーシング)が1分34秒284を記録して一度はトップに浮上した。

 しかし、イタリア人ドライバーが記録した当該ラップタイムはトラックリミット違反により幻に。しかし、ボルトロッティは諦めない。再度のアタックで1分34秒303をマーク。2度目のアタックラップは正式タイムとして認められ、わずか1000分の1秒で10号車を上回ってみせた。

 このときすでにオーブリーはピットに戻っていたため再逆転は不可能。このため63号車の逆転ポールが決定した。3番手は22号車、4番手にはピットでのタイヤ交換後、1分34秒493まで自己ベストを伸ばした48号車が入り、5番手に34号車オレカ(インターユーロポル・コンペティション)が続いている。

LMP2クラスのポールポジションを獲得したプレマ・レーシングの(左から)ドリアーヌ・ピン、ミルコ・ボルトロッティ、ダニール・クビアト 2023年WEC第2戦ポルティマオ6時間レース
LMP2クラスのポールポジションを獲得したプレマ・レーシングの(左から)ドリアーヌ・ピン、ミルコ・ボルトロッティ、ダニール・クビアト 2023年WEC第2戦ポルティマオ6時間レース
フェラーリ・AFコルセの51号車フェラーリ499P 2023年WEC第2戦ポルティマオ6時間レース
フェラーリ・AFコルセの51号車フェラーリ499P 2023年WEC第2戦ポルティマオ6時間レース

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