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投稿日: 2020.05.27 16:45
更新日: 2020.05.28 13:11

【国内トップドライバーオフインタビュー山下健太】英会話勉強のおすすめはワイルドスピード。強力体制でチャンピオン獲得へ決意

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スーパーフォーミュラ | 【国内トップドライバーオフインタビュー山下健太】英会話勉強のおすすめはワイルドスピード。強力体制でチャンピオン獲得へ決意

 新型コロナウイルス禍において、国内レースの開幕が遅れている。そんな中、国内のトップドライバーたちはどのように“おうち時間”を過ごしているのか。普段の生活の様子やトレーニング事情、そして来たる開幕戦に向けての意気込みについてリモート取材を行った。
 第2回は2019年のスーパーGT GT500クラスでチャンピオンを獲得し、2020年はスーパーフォーミュラとWECに参戦する山下健太に話を聞いた。山下は年明けにドイツに居を移していたが、現在の状況を受けて一時日本へ帰国中とのこと。困難な状況ではあるが日本での暮らしを満喫しているようだ。

※ ※ ※

Q:スーパーフォーミュラの富士テスト以降、自粛期間に入りましたが、どのような生活をされていますか?
山下健太(以下:山下):
WECのセブリングが中止になってしまったあと日本に帰国し、スーパーフォーミュラのテスト以降は実家で過ごしています。本来だとドイツに住みながら英語を学んでいるはずだったのですがそれができなくなってしまったので、いまは英語を学ぶことを中心に毎日を過ごしていますね。でもそれだけでは気分が滅入ってしまうので、シミュレーターを本格的に始めようと思い機材等をそろえて準備している最中です。

Q:英語の勉強はどのようにやられているのでしょうか?
山下:
正直、どうすれば英語を話せるようになるのかが分からないんです(苦笑)。とりあえず、いまは対面でのレッスンが受けられないのでオンラインレッスンを受けています。画面を通してですが、身振り手振りもちゃんと伝わるので特に問題もなくできています。あとは勉強のために映画も見ていますね。

Q:どんな映画を見ているんですか?
山下:
やはりクルマ系ということで『ワイルドスピード』がいいですね。過去に一度、吹替バージョンを見ているものだとだいたい内容が分かります。そのうえで、今度は英語バージョンで見るとなんと言っているのかが分かるんです。好きな映画だと楽しみながら勉強もできるので、これはおすすめですよ。あとは『フォードvsフェラーリ』も見ましたね。最後、ケン・マイルズが死んでしまうシーンは泣きました。他にもNetflixやAmazonプライムなども見られるようにしたので、いろいろな映画や動画を駆使して勉強しています。

Q:英語の勉強とシミュレーター以外で何か新しく始めたことはありますか?
山下:
特には何もないですね。ドイツにいたときは料理もしていたのですが、日本に帰ってきてからは実家にいるので甘えています。

Q:ドイツではどんな料理を?
山下:
炊飯器をもらっていたので、毎日ご飯は炊いていました。あと苦労したのがお肉ですね。日本では薄切りのお肉が売っていますが、ドイツには厚切りのお肉しかないんですよ。野菜炒めが好きなのでよく作っていたのですが、厚切りのお肉を頑張って薄く切っていました(笑)。ソースも日本と違ってあまりいいものがないので自分で調味料をいろいろ混ぜて作っていましたね。ドイツに行く前に比べれば料理の腕は少しだけ上達したかなと思います。日本ではコンビニとかスーパーに行けばできあがっているお惣菜が売られていてすごく便利ですよね。でもドイツにはそれがなかった。あらためて日本の環境の良さと、日本食のおいしさを実感しました。

■本格的なシミュレーター環境を手に入れて感覚を養う

Q:冒頭でシミュレーターを本格的に始めるというお話しがありましたが、グランツーリスモSPORTは以前からやられていましたよね?
山下:
そうですね。グランツーリスモSPORTはやっていましたが、逆に言うとそれしかやっていなかったという感じです。今回はグランツーリスモSPORTよりも実車に近いiRacingにチャレンジしてみようと思っています。過去にシミュレーターショップでやらせてもらう機会があったのですが、月に一回やるか、やらないかぐらいの頻度でした。だからこれからは自宅で毎日シミュレーターをやって、少しでも運転する感覚が衰えないようにしたいと思っています。

Q:さまざまなソフトウェアがあるなかで、なぜiRacingをやろうと思われたんですか?
山下:
最近iRacingのオンラインレースに参加させてもらう機会があったのですが、とてもクオリティが高かった。少し当たったらすぐ壊れたりしますし、一番驚いたのはラグの少なさですね。シミュレーターはパソコンを使用しているのでどうしてもラグが発生してしまう。グランツーリスモSPORTだとそのラグの影響で、少し動きがカクカクしてしまう部分がありますが、iRacingほぼ実車と同じ感覚でスムーズに動くんです。クルマの走らせ方もリアルに近いと感じたので、とてもいい練習になると思います。

山下が自宅で準備を進めているというシミュレーター環境を撮影してくれた。
山下が自宅で準備を進めているというシミュレーター環境を撮影してくれた。

Q:いつ頃から練習は開始できそうですか?
山下:
まだ一部届いていない部品があるのと、なかなか組み立てに時間がかかっていますが、できるだけ早く始めたいですね。いままでグランツーリスモSPORTをやっていたときは普通のテレビ(一画面)と椅子でやっていましたが、今回は三画面にして、ちゃんとシミュレーター用のシートを手に入れました。(編注:インタビューを行ってから数日後、シミュレーター環境が整い、その様子を早速自身のSNSで公開している。)

Q:シミュレーターでの練習以外に、自宅でトレーニングもされていると思います。どのようにやられていますか?
山下:
できるだけ動かないといけないとは思っていますが、少し怠けちゃうんですよね(苦笑)。家でやるときはオンラインのジムみたいなものを見つけたので、それをやっています。本格的なジム器具などはないので体幹トレーニングですね。あとは自宅にランニングマシンがあるので、それでたまに走ったりしています。

Q:いまやっているトレーニングの内容としてはオフシーズンのものに近い感じでしょうか?
山下:
そうですね。そもそも僕、今年のオフがなかったんですよ。2019年の年末までWECのレースがあり、年末年始はドイツへの引っ越し準備。落ち着いたと思ったらすぐ2月にはアメリカでレースだったので(笑)。だから感覚的にはいまがちょうどオフシーズンみたいな感じですね。

Q:なるほど。まだ自粛期間が続きそうですが、メンタル面はいかがですか?
山下:
たぶん、メンタルはそんなに弱くない方だと思うので大丈夫だと思います。自粛期間ですが、もともとインドア派なのであまり変わらないですね。

山下健太(KONDO RACING)
山下健太(KONDO RACING)

■チームメイトが最大のライバルになりそうな予感


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