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投稿日: 2022.10.30 23:40
更新日: 2022.10.31 10:22

「“SFあるある”です」「A組とB組の差、ありすぎ」「シートがあるうちに活躍したい」【SF Mix Voices 第10戦】

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スーパーフォーミュラ | 「“SFあるある”です」「A組とB組の差、ありすぎ」「シートがあるうちに活躍したい」【SF Mix Voices 第10戦】

 全日本スーパーフォーミュラ選手権は10月30日、鈴鹿サーキットで第10戦の予選・決勝が行われ、野尻智紀(TEAM MUGEN)がポール・トゥ・ウインで今季2勝目を飾った。2位に大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、3位に宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が続いた。

 決勝後、全ドライバーが参加して行われる取材セッション“ミックスゾーン”から、第10戦予選・決勝に挑んだドライバーたちの声をお届けする。

■坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)予選5番手/決勝12位

 第9戦に続いて、予選でシングルポジションを獲得した坪井は予選で「やっと一撃が出るようになってきた」と語る。

「ただ、今日はトップとの差が大きかったのですね。でも、やっとトップが見えてくるくらいの領域に入ってきました。予選に関してはポジティブな感じでやれたかなという感じです」

 2日続けて予選をポジティブに終えることができた坪井。1回目のセーフティカー(SC)明けでスローダウンした笹原右京(TEAM MUGEN)をかわし序盤は4番手を快走。しかし、ルーティーンのピットを終えた13周目の日立Astemoシケインで起きた笹原との接触が戦局を大きく覆すこととなった。

「あれは完全に向こうが止めれてないという感じですね。僕はしっかりと1台分空けていたし、もうこれ以上左へは行けないところまでしっかりと左に寄りました。それでも当てられてしまったら僕にはもうやり場がないですね。結局、彼もそれでレースを失っていますし、お互いにとってまったくメリットがないバトルだったので、もったいないです。ちょっと……彼との接触が多いので。本気でどうにかしてほしいなと思うのですけど……」

 接触後の坪井は序盤に見せた好走から一転、ペース不足で後続から追われる展開へと変わった。この失速の理由を「(笹原との接触で)フロアが完全に壊れてしまいました」と坪井は明かす。

「ダウンフォースがなくなってしまい、もうまったくコーナーは走らない。もうピットに戻ろうかなとも思ったのですけど、その時はポイント圏内を走っていたので、なんとか目をつぶって走ってはいたのですけど。当然、そんな状況で速く走れるわけもなく、ずるずると抜かれていく展開でしたね。なんとかあがいて、関口(雄飛/carenex TEAM IMPUL)選手と4周くらいバトルしましたが、あれは楽しかったです(笑)」

「当てられていなければ、5番手争いはしていたので。あのまま終われていれば、2戦連続しっかりとポイントを取れるレースで。でも少しレースぺースが遅いので、そこは改善しなきゃいけないのですけど、いい形でシーズンを締めくくれそうだっただけに悔しい。もったいないレースだったなという感じです」

 終盤26周目にはホームストレートで坪井、関口、そして小林可夢偉(KCMG)が3ワイドで1コーナーに飛び込む迫力のあるシーンも見られた。可夢偉にオーバーテイクされるかたちとなった坪井だが、その戦いには満足したところもあったようだ。

「あれはお互いが3台並んでいることをしっかりと理解して、それぞれの場所をしっかりキープしながら、ちゃんとラインを残してくれたので、安心してバトルができたと思います。ああいうバトルをみんなにしてほしいですね」

2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

■平川亮(carenex TEAM IMPUL)予選6番手/決勝5位

 第9戦を終えてサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)と同ポイントで第10戦を迎えた平川。この一戦で前でフィニッシュした方がランキング2位となる状況のなか、7番手スタートのフェネストラズとは序盤から、コース上でポジション争いを展開。

 4周目のホームストレートでフェネストラズに先行されると、その後はポジション回復はならず。平川はランキング3位で2022年シーズンを終えることとなった。ただ、平川はフェネストラズとのバトルを「フェアな争いですごくよかったです」と振り返る。

「ただ、僕があまりペースがよくなくて、なかなか厳しかったですね。後ろに着かれると抜かれてしまいますし。SC後も抜けそうな感じはしたのですけど、やっぱり抜けないみたいな。すごくもどかしいレースでした。そこは仕方がないですね。今日やれることはやれたので、悔しさはありますけど、やりきったという実感はあります」

 また、平川は今シーズン全体を振り返り「2度勝てたので、少なくともいいところはあったと自分自身評価していますけど、やはり安定感がなかったですね」と口にした。

「予選で後方に沈むことで、なにしらのリスクを負ったりとか、または危ない場面があったり。順位を上げられなかったりがあったので。予選で野尻選手に追いつけば、ぜんぜん対抗できる感じはあるので、そこは今後の課題です。ただ、1年間いろいろとやってきても(予選不調の原因は)わからなかったので……。なかなか自分たちが知らない世界を彼ら(野尻とTEAM MUGEN)は見つけているので、僕らもそれをなんとか見つけられるようにしていかないとと、そう思います」

2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 平川亮(carenex TEAM IMPUL)
2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 平川亮(carenex TEAM IMPUL)

■サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)予選7番手/決勝4位

 前日の第9戦では、マシンのパフォーマンス不足で突然苦戦を強いられてしまい、17位でレースを終えたサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)。第9戦を終えた後は「今季ワーストな1日だった」と語っていたが、チームが懸命にマシンの見直しを行った結果、第10戦では見違えるようなパフォーマンスをみせた。

「昨日は本当に難しい1日だったけど、チームが昨日の夜に問題を見つけてくれた。ダンパー周りに不具合が見つかって対処したし、昨日の予選と決勝を終えてフロア周りにも問題を抱えていることが分かった。チームのみんなが夜遅くまで頑張ってくれて、問題の解決に当たってくれて、とにかくいろいろなところを変えた」

「それで、今朝になったら一転して上位争いに戻ることができた。もちろん、トップからは差があるし、予選も7番手だったけど、昨日のことを考えたらビックステップだった。それにクルマのフィーリングも良い方向にガラリと変わっていた」

 そう語るフェネストラズの表情からも、かなりの手応えがあったことがうかがえた。7番グリッドからスタートし、決勝ではオーバーテイクシーンもみせるなど、フェネストラズらしい攻めの走りが復活し、4位入賞を飾った。

「決勝レースも楽しかった。特に序盤の平川とのバトルはエキサイティングだった。特にシケインとかすごくギリギリで、2年前にあそこで接触してクラッシュした経験もあったから、ちょっと心配なところはあったけど、お互いにスペースを残してクリーンなバトルができる」

「今日はベストなリザルトとは言えないけど、昨日の状況を考えると、すごく良いリカバリーができた。本当にチームに感謝している。ランキングもトヨタエンジン勢の中では最上位の2位で終えることができた。野尻があれだけ完璧なシーズンを過ごしていたことを考えると、この2位という結果に不満はないよ」

2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)

■三宅淳詞(TEAM GOH)予選8番手/決勝8位

 第9戦では予選Q1落ちを喫した三宅淳詞だったが、第10戦ではB組を5番手で通過。8番グリッドからスタートを切ることとなった。

「シーズン前半は良かったのですが、昨日までここ数戦、ホイールスピンがあるなどスタートが調子悪かったんです。夜遅くまでチームの皆さんが分析してくれたら、原因っぽい部分があったので、それを改善することができました。ロケットスタート……というほどではないですが、周囲と同じスタートが切れたので、良かったです」

 その後のレースではペースに苦しむことになるが、一方で収穫もあったという。

「昨日はファステストも出せるほど良かったロングランが、今日に関してはまったくタイムが良くなくて……その敏感さといいますか、コンディションが変わるとドライビングまで変わっちゃうような敏感さがいまのSFにはあるので、そこの部分は本当に悔しいです」

「ただ、最後は後ろからかなり追われる展開になりましたが、後ろの車両のOTS(オーバーテイクシステム)の残量など、チームのリマインドが非常に的確だったおかげで、OTSをうまく使って防衛できました。その部分は、この一年で本当に成長できた部分かなと思いますので、クルマに関する知識やバトルの仕方など、今後のレースに活かしていきたいと思います」

2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 三宅淳詞(TEAM GOH)
2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 三宅淳詞(TEAM GOH)

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