更新日: 2024.09.22 23:11
ARTA 2024スーパーGT第6戦SUGO レースレポート
■#16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT
他車との接触がありペナルティも課せられたが、うまくピットインできたことで1ポイントを獲得
ウォームアップ走行は途中、300クラスの車両がコースアウトした影響で赤旗中断になってしまい、決勝へ向けたチェック走行のみとなった。順位は良くないものの、バランスは良さそうだ。
朝から降り続いていた雨が、どのタイミングで止むのか心配だったが、ウォームアップ走行直前に小雨に変わり、スタート前までには陽が差すほど天候が回復した。
スタートドライバーは大津弘樹選手だ。雨は止んだものの、路面はまだ濡れており、水溜りも多いため、セーフティカースタートとなった。2周のフォーメーションのあと、3周目にスタートが切られた。
大津選手は順位をキープしたまま、3周目を終え、安定したペースで周回を重ねた。8周目にひとつ順位をあげ、11番手を走行。10周目辺りから小雨が降り始めてきた。
12周目にはひとつ順位を上げたが、13周目の2コーナーで他車と接触、スピンしてしまい、最後尾まで落ちてしまった。その後、チームメイトのコースアウトもあり、15周目には14番手を走行。20周目までに11番手までポジションを上げたが、13周目の2コーナーの接触でドライブスルーペナルティを受けて、最後尾まで落ちてしまう。
24周目に300クラス同士の接触があり、セーフティカーが導入される。車両の回収が完了し、31周目にリスタートが切られた。その次の周にルーティンのピットインを行うクルマが出始め、13番手を走行。40周目辺りからタイヤが厳しくなり、41周目に佐藤蓮選手に交代。路面が徐々に乾き始めているので、スリックタイヤで佐藤選手を送り出した。しかし、ピットアウトした翌周にコースアウトするクルマが続出し、FCY、その次の周にSCが導入される。この時点で14番手を走行。この時点で周回遅れになってしまう。
46周目のメインストレートでクラスごとに整列し、49周目にリスタートが切られた。徐々に路面が乾き始め、佐藤選手はラップタイムも上げていくが前車との差は大きい。しかし、61周時点で入賞圏内の10番手までポジションを上げることに成功。さらに9番手との差を縮めて行く。1周につき1、2秒ずつ差を縮めていったが届かなかった。しかしながら、貴重な1ポイントを獲得することに成功した。
●鈴木亜久里監督のコメント
「ペースが良かっただけに接触とペナルティは残念だったけど、ピットインのタイミングは良かったので、挽回できるチャンスはあったかもしれない。残念ではあるけど、可能性を見せてくれたレースだったと思う」
●土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「接触でリズムを失ってしまったかもしれないけど、それが逆にチームを引き締めたかもしれない。次回につながる良いレースだったんじゃないかな? もちろん悔しいし、これを良しとしたわけじゃないけどね。次に挽回します」
●田中洋克チームディレクターのコメント
「ドライバーのペース自体はそんな悪くなくて、チョイスしたタイヤも悪くなくて、ただやっぱりあの2コーナーの接触は痛かったですね。しかし、それが逆にいいタイミングでピットに入れたので、それでうまく挽回できればと思いました。蓮もすごいいいペース走ってくれましたし、こんな状況でも1ポイント獲れたのは良かったです」
●大津弘樹選手のコメント
「スタートはフルウェットでスタートして、僕たちはソフトタイヤを履いていたので、タイヤが暖まってからのペースは良くて追い上げることはできたのですが、1コーナーでブレーキを少し行き過ぎて、はみ出した時にイン側にいた300のクルマがちょっと見えてなかったので、それで2コーナーで切り込んだところでぶつかってしまって、ドライブスルーペナルティ受けてしまい、チームには申し訳ないことをしてしまったなと思います。オートポリスに向けては重量も軽いので、なんとか優勝目指していきたいなと思います」
●佐藤蓮選手のコメント
「決勝は序盤でちょっと接触があってペナルティを食らってしまったんですけども、SCが入ったことでマージンはゼロとなって、そこから早めにスリックタイヤに切り替えたことで、ポジションアップをすることができて、なんとか1ポイントは獲得することができました。クルマ的にポテンシャルも高かったので、予選結果がちょっと悔やまれるのですが、なんとか後半戦リカバリーしてチャンピオン争いに絡んでいきたいと思うので、チームとこれから準備していきたいと思います」
■#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT
ピットタイミングを見誤りポイントを逃す
朝から雨が降り、サポートレースも、セーフティカーの先導でスタートは切ったものの、赤旗中断になってしまった。ウォームアップ走行の時間帯は非常に雨が強く、30分のディレイとなったが、その後、さらにディレイとなり、予定より約1時間遅れでウォームアップ走行が行われた。
前日は夜遅くまでセッティングの変更を行ったが、スタートを担当する松下信治選手が、ウォームアップで確認走行を行った。順位は3番手で、まずまずの仕上がりと言えるだろう。しかし、スタート直前になって雨は止み、この後のコンディションへの対応が難しくなった。路面はまだ水溜りが多く、セーフティカースタートがアナウンスされた。
2周のフォーメーションのあと、3周目にスタートが切られた。松下選手は順位をキープしたままストレートに戻ってきたが、次の周に順位をひとつ落としてしまうものの、6周目の1コーナーで前車がコースアウトしてしまい、12番手に順位を戻す。次の周にチームメイトに抜かれてしまうが、前方で順位を落としてきたクルマがいたので、12番手のまま周回を重ねた。10周目辺りから小雨が降り始めてきた。
さらに順位を上げ、12周目には10番手、13周目には9番手まで上がってきた。しかし、15周目のバックストレートで前車を抜こうとしたが、コースアウトしてしまい、最後尾までポジションを落としてしまう。前がクリアになった松下選手は、トップグループと遜色ないラップタイムで前を追った。
24周目に300クラス同士の接触があり、セーフティカーが導入される。車両の回収が完了し、31周目にリスタートが切られた。その次の周にルーティンのピットインを行うクルマが出始め、12番手を走行。38周目には入賞圏内の10番手にポジションアップ。ペースは良く、40周目にはさらにひとつポジションを上げた。
40周を過ぎたあたりから路面が乾き始め、ルーティンのピットインを行うクルマの殆どはスリックタイヤに履き替える。しかし、まだ路面は安定しておらず、コースアウトするクルマが続出し、FCYが導入される。次の周にはSCが導入される。他車のルーティンのピットインもあり、松下選手はまだルーティンのピットインを行っていないが、この時点で2番手。
46周目のメインストレートでクラス毎に整列し、49周目にリスタートが切られた。51周目の1コーナーで前車を抜き、暫定でトップに立った。
54周目にルーティンのピットインを行い、野尻智紀選手に交代。15番手でコースに戻るが、この時点で周回遅れになってしまう。野尻選手はトップグループと同等のラップタイムで前を追走したが、順位を上げることができなかった。次回のオートポリス大会に照準を合わせたい。
●鈴木亜久里監督のコメント
「松下のコースアウトがあったものの、ピットインのタイミングを誤ってしまったのが敗因だね。色々とシミュレートするのが足りなかったかもしれないね。同じ過ちを繰り返さないように、今回の失敗を次回以降に生かしたいと思います」
●土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「ノブは珍しくミスをしてしまったけど、大きく順位を落としたわけではないので、挽回できたかもしれない。今回のレースは難しかったけど、自分たちの後ろにいたクルマが好結果を出しているので、チャンスを逃してしまったのは残念。次回に生かしたいね」
●田中洋克チームディレクターのコメント
「今日はなんかまったくいいところがなかったですね。クルマのペースは決して悪くなかったと思うんですけど、コースアウトとピットに入るタイミングを逃して、それでレースを失っちゃったような感じでドライバーと本当に頑張ってくれたのですけども、うまくサポートできなくて、ほんと申し訳なかったです」
●野尻智紀選手のコメント
「残念な結果になってしまいましたが、次頑張るしかないかなという感じです。チームにまだまだ改善点も多いと思うので、その辺をしっかりみんなで考え直さないと、走る意味もなくなってしまうので、次に向けてしっかり改善して、また結果を出せるように頑張りたいと思います」
●松下信治選手のコメント
「予選順位はフリー走行の結果で後方からのスタートだったのですが、そこからペースは良くてタイヤのチョイスも悪くはなかったですね。ペースもどんどん良くなって前に上がったんですけど、僕が1回コースアウトしたのと、あとはFCY、セーフティカーが入った時の僕らのチームの判断としてボックスできなかったことによって勝負権を失ってしまって、セカンドスティントでドライになってもあまりペースも良くなくて、クルマよりもそのストラテジー含めて次回に向けてはもうちょっとしっかりとした判断をできるような体制にして頑張りたいと思います」