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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.05.27 11:30
更新日: 2019.05.27 23:45

D’station Racing AMR 2019スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

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スーパーGT | D’station Racing AMR 2019スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

D’station Racing AMR

Race Report – 2019.05.26

酷暑の中で苦戦を強いられ
リタイアという悔しい結果に

AUTOBACS SUPER GT 2019 SERIES
Round.3 SUZUKA

May 25 – 26 2019
Qualify : 19th Race : Retire

 予選9番手という戦える手ごたえは得ながらも、相次ぐタイヤトラブルで悔しいレースとなった第2戦富士から3週間。SUPER GTの2019年シーズンは、第3戦鈴鹿を迎えた。バランスに優れるD’station Vantage GT3にとって、中高速コースである鈴鹿は期待のかかるレースだ。

 ただこの週末は全国的に、5月とは思えない記録的な暑さとなっていた。5月25日の公式予選日から、気温は30℃前後、路面温度は50℃ほどとタイヤメーカーの想定をはるかに上回る温度となってしまう。現代のSUPER GT用タイヤは、温度レンジが外れると期待したような動きはしなくなってしまう。とはいえ条件は皆同じ。D’station Racing AMRは、午前8時50分からスタートした公式練習で、藤井誠暢からジョアオ・パオロ・デ・オリベイラへと交代しながら、セットアップを進めていった。

 今回のレースに向けて、GT300クラスの参加条件は鈴鹿に合わせた変更が加えられていたが、D’station Vantage GT3にとってはやや優位なものとなっていた。それだけに期待がかかるレースと言えたが、僅差のGT300クラスのなかで、公式練習の順位は1分59秒610というベストタイムで18番手。ひと筋縄ではいかない。

 チームは午後2時40分から行われた公式予選Q1突破に向けてセットアップの修正を行いながら、コース上にトラフィックが起きやすい鈴鹿の特性を活かし、ややタイミングをずらしてD’station Vantage GT3をコースインさせる。Q1のアタッカーを務めたオリベイラは、しっかりとタイヤを温めアタックを開始。Q1突破が見える好タイムでコース前半を攻めていく。

 しかしその直後、ヘアピンでクラッシュ車両が発生してしまい、Q1はまさかの赤旗中断となってしまった。すでにオリベイラはアタック中だったため、ニュータイヤの良い部分は使ってしまっている。規則上タイヤ交換をするわけにもいかず、オリベイラは再開後、一度熱が入ったタイヤでのアタックを強いられた。当然熾烈な予選でタイムを伸ばすことはできず、1分59秒483というタイムで19番手に。D’station Racing AMRにとっては非常にアンラッキーな予選となってしまった。

 とはいえ、悔やんでばかりいても始まらない。D’station Vantage GT3は開幕2戦でしっかりレースを戦えていないのだ。ニューマシンに必要なのは、何よりもマイレージを稼いでその特性をつかむこと。チームは後方グリッドながらもしっかりとレースを戦い、あわよくばポイントを奪おうと気持ちを切り替え、5月26日の決勝日に臨んだ。

 前日同様の暑さのなか、午後2時30分からスタートした決勝レース。スタートドライバーの藤井は、序盤しっかりとポジションを守りながら戦っていくが、やはり暑さの影響もあり思うようにペースを上げることができない。このまま戦っていてはタイムを失ってしまう……。藤井はピットと連絡を取りながら、ミニマムの周回数でピットに戻り、オリベイラの速さにかける作戦を立てた。

 当初予定していた周回数をこなしピットに入ろうとした瞬間、GT500クラスの車両のクラッシュにより、レースはセーフティカー導入となった。チームにとっては出鼻をくじかれたかたちだが、他チームも条件は同じだ。よりトラフィックを避けるべく、チームはSC解除後すぐに藤井をピットへ呼び戻し、オリベイラに交代。タイヤも前半スティントとは異なるものを採用した。

 コースに入ったオリベイラだったが、わずか8周したところで、D’station Vantage GT3に異変を感じ取った。パワーステアリングやシフトなど、電気を使う機構がストップしていく。オリベイラはなんとかD’station Vantage GT3をピットに戻したが、電気系統のトラブルなのは明らか。修復は不可能であり、D’station Vantage GT3はまさかの30周終了時でリタイアという結果となってしまった。

 きっちりとレースを戦いたかったD’station Racing AMRにとって、悔しさの残るレースとなった第3戦。次戦以降、チームはふたたび体制を立て直し、後半戦の巻き返しに挑む。

D'station Vantage GT3
D’station Vantage GT3

D'station Racing AMRのチームメンバー
D’station Racing AMRのチームメンバー

星野 敏
Satoshi Hoshino  Team Principal
今回のレースでは、前戦よりも参加条件の面でいいものになっていたため、期待していた部分も多いレースでした。その分、今回電気系統のトラブルが起きてしまいリタイアという結果に終わったのは非常に残念ですね。レースというのは本当に難しいし、奥が深いと実感させられています。いずれにしろ、今年はヴァンテージGT3の1年目ですし、学びながら次戦に繋げていきたいと思います。次のタイも暑いレースですし不安はありますが、チーム一丸となって乗り越えたいと思います。応援ありがとうございました。

佐々木主浩
Kazuhiro Sasaki  General Manager
少し危機感を覚えていますね。電気系統のトラブルということでしたが、レース後の段階ではトラブルの原因がまだ分かっていないだけに、それがまた危機感に繋がっています。開幕3戦では本当に不完全燃焼のレースになってしまいました。今年はマシンを換えましたが、勝つためのマシンチェンジなので、なんとか結果に繋げなければならないと思っています。なんとかシリーズ後半戦に向けて原因を突き止め、ヴァンテージGT3のパフォーマンスを上げていかなければならないと思っています。

武田敏明
Toshiaki Takeda  Team Director
予選日から決して楽観はできないペースのなか、公式予選Q1では赤旗中断でアンラッキーな展開になってしまいました。レースでは第1戦、第2戦ともしっかり戦えていないので、まずは完走し、ポイント獲得を目指すべく、他チームも想定していない暑さのなかで着実に戦っていきました。ピットアウト後はポジションを守って、オリベイラ選手の速さに期待しましたが、トラブルでレースを終えることになってしまい、応援してくださるファンの皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。結果でお返しするしかないので、次戦以降も頑張ります。

藤井誠暢
Tomonobu Fujii  Driver
とても悔しいレースになってしまいました。僕にとっては3戦連続無得点というのは初めてですからね。そもそもレースをしっかりと戦えていないので、非常に厳しい状況になっています。レース序盤もペースは苦しかったですし、何よりトラブルを解決しなければならないと思います。予選などは速さをみせられるチャンスもあっただけに、悔しい週末になってしまいました。次戦に向けてしっかりと原因を究明し、なんとしても状況を好転させなければいけないと思っています。

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
João Paulo de Oliveira  Driver
まだトラブルの原因は分かっていないけど、パワーステアリングやシフト、センサーと次々に止まってしまい、最後にはパワーを失うような状況だった。ピットに戻るまではすごく怖かったよ。D’station Vantage GT3にとってはこの週末を通じてバランスなど改良できた部分もあったし、いくつかポジティブな部分もあった。現状ではすごく厳しい状況だけれど、よりクルマのことを理解していかなければならないし、努力を続けていかなければならないね。今はとてもタフだけれど、これからも戦い続けていくつもりだ。

Official Website : http://dstation-racing.jp
Facebook : http://fb.me/DstationRacing
Twitter : https://twitter.com/dstation_racing

藤井誠暢とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
藤井誠暢とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
D'STATION FRESH ANGELS
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