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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.11.17 12:04

数字での精査が必要な“超絶燃費大作戦”/チームが繰り返す『重労働』への新提案【トムス東條のB型マインド】

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スーパーGT | 数字での精査が必要な“超絶燃費大作戦”/チームが繰り返す『重労働』への新提案【トムス東條のB型マインド】

 トムスは2台体制で参戦しています。車両と機材の運搬に3本のトレーラーを使用します。木曜日に機材一式を積み込んでトレーラーを送り出し、金曜早朝から現地へ移動。到着後ピット周辺の設営やレースの準備を整える。土日のレースを終えてからすべてを撤収して御殿場に深夜着。翌月曜日には機材を降ろし、メンテナンスへ(長距離移動を伴うオートポリスでは、このサイクルに約1週間を要します)。

 これの繰り返し。

 同じ機材を上げたり下げたり、単純にこれって無駄なんじゃないか、そんな風に考えてはや数十年。トレーラーの運転手さん不足やメカニックの人材不足と高齢化のなかで、このまま対策を打たずに持続できるのだろうか? これがBESTのやり方なのか?

 また、そんなに忙しくて、いったいいつメンテナンスをしているの? 休みはどうなっているの? というような疑問がわいてくると思うのでコッソリお話をすると、トムスの場合は各車両に1~2名の専属メカニックがいて、彼らは他のカテゴリーを兼任しません(←これ大事)。

 毎週レースへ移動するのは彼ら以外のメカニックとエンジニア、そして業務やホスピタリティ担当のスタッフですから、計画的に代休をいただいております。それ故GTもSFもそしてSFLも、トムスの車はいつでもピッカピカの新品なのです。

 ついでにお話ししておくと、サーキットに到着したら全員でトレーラーから機材を降ろします。そう、全員です。専門性を必要としない作業では、腕を組んでへらへらしている人など、あのB型の人くらいしかおりません(汗)。

 もちろん安全には充分な配慮が必要です。その後、担当毎に分かれてピット裏スペースにテントを張ったり、ピットガレージ内の設営をしたりしながら、車検の準備、アライメント作業、タイヤの準備や各種ミーティング……それはそれは走行前日から結構な労力を要するのです。

走行前日は荷下ろし・設営・車両の準備と、チームは大忙し
走行前日は荷下ろし・設営・車両の準備と、チームは大忙し

 そして、B型エンジニアとその一味はというと、ホスピタリティブースを細やかに装飾するような美的センスの欠片もなく、かといって屈強なメカニックたちとは活動量に雲泥の差があるのでガレージやクルマのあたりをウロチョロするのも邪魔になるということで、ピットエリアからは道一本挟んだサインエリアに隔離され、小屋(サインガードテント)を建立する役目を仰せつかっているのです。

 これが結構大変な作業でして、真夏の直射日光、あるいは雨や小雪などを遮るものは何もありません。

 そんななか配線やらモニター類を準備すること2時間半、ようやく組み上げた頃合いを見計らったかのように、いや、きっと柱の陰から明子姉さんのように見ていたに違いのない、サッシャとかアレジとか一貴とかが、それはもう涼しい顔で 「ハロー!」などとやって来てトラックウォークへと連れ出されるのですから、堪ったものではありません。それが真夏の鈴鹿だったりした日には、もうビールですよ。ほんと。

 そこで日本レース組合員(NK-INN)は、このように声を上げるのです。

「委員長! 機材をサーキットに常設できないでしょうか?」

「却下します(瞬殺)」

 まぁね、そうだよね。

 でもね、最近流行りのオーバーヘッド関連のモニターや照明の設備、ピット内のパーテーション、ピット裏の機材スペースの備品やホスピタリティスペース、そしてサインエリアの小屋。これらがどのサーキットでも同じ規格で常設されていれば、看板や備品をサササっとかけるだけ。ピット装飾用のパーテーションが有機ELパネルか何かでできていれば、データを渡してポポポポン。機材便の縮小と設営時間の大幅短縮が可能になると思うのですが、いかがでしょうか?

ツインリンクもてぎのサインガードに“小屋”を建立する筆者
ツインリンクもてぎのサインガードに“小屋”を建立する筆者


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