クアルタラロが最後は独走で優勝を飾ったが、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)もポルトガルGPの週末に速さを見せていた。11番グリッドからスタートし、上位を走っていたライダーの相次ぐ転倒があったとはいえ、2位表彰台を獲得したのだ。

 ポイントとなったのは予選だった。バニャイアはポールシッターであるクアルタラロのタイムを上回る1分38秒494を記録したものの、イエローフラッグ区間を通過したことでタイムが抹消となったのである。状況としてはこうだ。他のライダーが9コーナーで転倒を喫したためイエローフラッグが提示された。イエローフラッグが提示されている間に、ちょうどアタック中だったバニャイアがその区間を通過した。その場合、レギュレーション上、タイムはキャンセルされる。このため、バニャイアは11番グリッドに沈むことになったのだ。

「9コーナーにかけて下っていって、イエローフラッグが右側に出ていた。僕はすでに左コーナーである9コーナーに差し掛かっていた。(イエローフラッグを)見ることは不可能だったよ。(ルカ・)マリーニが僕の後ろにいて、同じことを言っていた。イエローフラッグを見るのは不可能だった、とね。でもとにかくルールだから、従わないといけない」

 バニャイアは予選後、このように述べた。なお、2022年からはMotoGPにデジタルフラッグパネルの導入が予定されており、今季のポルトガルGPからその“予行演習”としてデジタルフラッグパネルが配置されているが、当該ポストはマーシャルによるフラッグ提示だった。

 ともあれ、こうした状況から表彰台を獲得したのだから、やはりバニャイアがこの週末に最速ライダーのひとりだったことは間違いないだろう。序盤の追い上げによりリヤタイヤが消耗したと語ったが、終盤のペースを見ればクアルタラロとそん色ないものだった。

2021年MotoGP第3戦ポルトガルGP決勝2位 フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)
2021年MotoGP第3戦ポルトガルGP決勝2位 フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)

「(アタックラップ中のイエローフラッグ提示によりラップタイムがキャンセルとなったことで)優勝のチャンスを失ってしまった。今日は2位だったかもしれないけれど、(クアルタラロと優勝を)争う可能性はあったはずだ」

 そして、表彰台の最後の一角を手にしたのはディフェンディングチャンピオンのジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)。2021年シーズン、初の表彰台獲得である。カタール、ポルティマオ、そして続くヘレスやル・マンはスズキと相性のよいサーキットではない、とミル。特に今大会のポルティマオはミル自身のライディングスタイルにあまり合わないというから、表彰台獲得は上々の結果といったところだろう。

 ただし懸念はある。ミルは1周目に3番手に浮上したが、その後少しずつクアルタラロ、そしてチームメイトのリンスとの差が開いていった。大きくペースを落として後退することはなかったものの、最後にはバニャイアにも交わされた。

「レースの序盤はコントロールできていた。ただ、フロントに問題が出てきた。何が起こったのか確認しないといけない。これは次戦に向けて重要なことだ。もしまた起こったら、表彰台を獲得するのが難しいかもしれない。今日はうまくマネジメントして表彰台を獲得したけれど、もっとよくする必要があるね」

 カタールでの2連戦とポルティマオを経て、スペインのヘレス・サーキットでの第4戦を迎える。例年であれば、このヘレスからシーズンの動向が見え始めるころだ。ポルトガルGPで復帰を果たしたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は間違いなく存在感を高めるだろう。ヘレスからはどんな展開を迎えることになるのだろうか。

2021年MotoGP第3戦ポルトガルGP決勝 ジョアン・ミル、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)
2021年MotoGP第3戦ポルトガルGP決勝 ジョアン・ミル、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)

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